第49話 副迷宮の討伐完了報告
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第49話 副迷宮の討伐完了報告
さて、地上に戻りながら、自分のステイタスを確認して、若干ひいた。
まあ、LV差が10以上離れていた地竜を単独で倒したので、経験値総取り状態でいつものように博愛神の加護のお陰で、経験値の習得がブーストしているんだろうけど。
まず、レベルが一気に41まで上がった。
この副迷宮に潜る前は、LV33。
ニードリックマウス王国の下層20階でも、ほとんど経験値が貯まらずに、レベルアップは頭打ちかなと思っていたんだけどね。
各国のメイン迷宮の下層に潜るようになれば、多少の経験値アップは期待できるかとも思ったけど、ここまで一気に上がると、かなり下まで潜らないと、魔物とのレベル差の関係で経験値は入らないかもしれないな。
ともかくLV40を越えて、さらにHP、SP、能力値のアップにブーストがかかったようだ。
まずLV24まではレベルアップごとに10ポイントずつ(HPとSPは博愛神の加護のお陰で3倍の30ポイントずつ)、LV25に上がってからは20ポイントずつアップしていたんだけど、多分LV40からは40ポイントずつ上がっていると思う。
あと一番の変化は、新しいスキルを習得している。
古代魔法スキルに相当するスキル、転移。
現在LV1だ。
スキル習得については特に何かをした訳ではないけど、恐らくLV40に上がることがこのスキル習得の条件なのかもしれない。
迷宮内限定と言え転移魔法があることは解ってはいたし、ワープや転移について自分なりイメージを膨らませて習得を試みたけど、全く習得できなかったんだよね。
ともかく、どの程度の転移が可能なのか検証してみる必要がある。
LVがあるってことは、距離とか同時に転移できる人数や容積みたいなものに制限があるのかもしれないし。
自分自身のステイタスのことも要検討だけど、リリアナ達のことも考える必要があるなぁ。
俺自身この世界に来ても基本人間不信というか、根本的に人を信じられないでいる。
まあリリアナ達はこの世界ならではの隷属契約というもので制限をかけられているので、俺を裏切るってことはないんだろうけど、どうしてもね。
特に女性に関しては、年上だろうが年下だろうが、まして同年代であっても元の世界でのトラウマがあるからなぁ。
それに俺はこの世界で15歳という10歳以上も若返ってしまっていて、ロリ属性のない俺にしてみたら、この世界での同年代の子って妹みたいなものなんだよな。
実際、俺には妹はいないんだけど。
そんなことを考えながら迷宮の入り口から外に出ると、入口前には数名の完全武装した冒険者がいた。
敵意はない。
俺たちがのんびりと迷宮から出て来たので、幽霊でも見るように固まっている感じだ。
そんな冒険者の集団の横に俺が最初にこの迷宮に入った時、入口の番をしていた冒険者ギルドの職員の顔を見つけたので、話しかけてみる。
「えっと、これはどうしたんですか?何かあったのでしょうか?」
「あ、あっ、いいえ。ご無事だったのですね。入る時に5日ほど探索してくるというお話だったので、5日は待っていたのですが、お戻りになる様子はなく、入口の中から、地下1階の気配を探ってみましたが、以前のように魔物の気配はないようなので、皆さんの救助に向かった方がいいのではないかと言う話になりまして・・・」
そう言いながら、隣に立っている若い女性に目を向ける。
周囲の人の雰囲気から言っても、今ここにいる中で一番身分が高いのか、一番発言力のある人物のようだ。
「ああ、済まぬ。わらわの早とちりだったようだ。迷宮内で何らかのトラブルが出て、戻れなくなっているのかもしれんと思ってな。申し遅れたが、わらわは、冒険者ギルドで言えばC級、商人ギルドで言えば3級傭兵のアミラ・パンプキと言う。他国から迷宮探索に来るようなB級冒険者のパーティーだと聞いておったので大丈夫だと思ったのだがな。小さい従者を連れていたと聞いて、パーティーメンバーに何かあって戻れなくなっているのかと思ってな」
そう言う彼女の話を聞きながら、俺は彼女の鑑定を済ませていた。
嘘は言ってはいないけど、普通なら最初に言うようなことを話さないのは、何か訳があるのか?
名前 アミラ・パンプキ
年齢 22歳
種族 虎族
所属 パンプキ伯爵長女、C級冒険者、3級傭兵
LV 16
経験値 3210
HP 160
SP 160
筋力 93
防御 33
回避 50
敏捷 51
知恵 70
精神 62
幸運 63
スキル 斧術LV3
補正 虎族(筋力)
スキルが斧術か。
手にしている両刃の斧は、かなりの重量がありそうだけど、その重さを感じさせないぐらい普通に片手で持っている。
それだけ筋力があるのに、アマゾネスタイプの筋肉マッチョではなく、ボン・キュ・ボンのナイスボディーに、黄色いショートヘヤーで、切れ長の勝気な目をしている。
スーツでも着て、眼鏡でもかけたら、美人で有能な社長秘書って感じだ。
あー、元の世界の俺の上司ににているような・・・。
ともかく、この女性と話をつけないと先に進めないようなので、
「えっと、少し長くなりますので、あちらの小屋の方で座ってお話しできればと思いますがどうでしょう?」
「ああ、はい。そうですね。中に座って話をしましょう。取り敢えず、緊急クエストはキャンセルと言うことでよろしいですね、アミラ様。正式な書類も作っておりませんし、キャンセルと言うより、クエストの依頼はなかったということで」
「ああ、済まない。わらわの早とちりで余計な手間を取らせてしまった。そのように処理してくれ」
冒険者ギルドの職員を先頭にして、アミラと従者?が一人、それに俺たちのパーティーが続いて小屋に入る。
小屋の中は、間仕切りのない20畳ぐらいの大部屋で、真ん中に大きなテーブルが置いてある。
中にいた職員は、俺たちと入れ替わりに外に出る。
全員が座ったところで、俺が最初に話を切り出す。
「まず、俺の所為で迷惑をかけたようで申し訳ない。予想外にこの迷宮の攻略が早く進んでしまって、引き返すのも時間の無駄だと思ったので、そのまま攻略を進めてしまった」
「本当に、第二副迷宮の攻略を進めていたのだな。それで、どの程度まで進んだのだ?」
冒険者ギルドの職員が声を出す前に、アミラがそう切り出す。
まあ、立場的にそれは自然なんだろうけど、現時点では俺は知らないことになっているし。
俺がそうした思案をするために、一瞬躊躇ったのを感じたのか、アミラがさらに、
「ああ、済まない。この場でわらわが、迷宮内部の情報を教えてもらうように口を出したのが気になるのだな。確かに、先程わらわが言った身分では、貴殿がそのように言うのも当然じゃろう。実は、わらわはこのパンプキ領を統治している領主の第一子なのだ。将来はこの地を治める立場となる。なので迷宮の情報についても気になるのだ」
「そうなのですね。気付きませんで申しわけありません。俺はB級冒険者のジュン・ミソラと言います。この国には、先日迷宮探索を目的に入ってきたばかりです。今回はパンプキの冒険者ギルドで緊急クエストが出ていると言う話を聞いてやってきました。あと、隣にいる3人が、俺のパーティーメンバーで、全員俺の奴隷でもあります」
「そうであったか。多種族同士のパーティーも珍しくはないのだが、その若さでB級冒険者とは、かなりの実力なのだろう。それで迷宮内部の件の情報は教えてもらえるのだろうか?勿論、後先になるが、情報料については適性な価格を依頼料として冒険者ギルドを経由して支払いたいと思うが」
「承知しました。俺の方はそれで構いません。各階のマッピングと出現する魔物の種類などの情報も調べています。そして、この第二迷宮の攻略は完了しています」
「「「えっ?」」」
それまで黙って聞いていた冒険者ギルドの職員、アミラの従者の剣士、それにアミラが揃って声を上げる。
俺がその後言葉を出さないので、俺が冗談を言ったり自分の聞き間違いではないことを認識したのか、アミラが、
「今、第二迷宮の攻略が完了したと聞こえたが、間違いないか。わらわの聞き間違いではないな」
流石にこの場所に地竜を出すスペースもないし、第一地竜を丸ごとアイテムボックスに収納しているってことだけでも大変な騒ぎになりそうなので、ダンジョンコアだけをアイテムボックスから取り出して3人の前に置いてやる。
外の光で見ると、ダンジョンコアの深みのある紅色が一層、通常の魔核の何倍もの魔素を含んでいることを物語っている。
ダンジョンコアを初めてみた3人、リリアナやミミ、ケルも始めてみるので、6人の目がダンジョンコアに釘付けになって、数十秒が経ってからやっと、アミラが声を出す。
「本当に、攻略してしまったのだな。長年、わが領土を苦しめて来た副迷宮が、本当に攻略されたのだな」
しみじみと言うか、安堵、嬉しさ、そう言った感情の混ざった表情をしながら、アミラがじっとダンジョンコアを見つめる。
従者の方は、目に涙を溜めてるし。
ギルド職員は満面の笑みだ。
「それで、その後、再度迷宮内を調査しましたが、魔物の自然発生は、各階一日に1体程度と思われます。ダンジョンコアのあったのは地下13階ですが、俺たちが討伐に成功した後、13階は消失したようです。12階からの通路の先が消えています。従って、この迷宮は全層12階の迷宮としてしばらく存続し、徐々に消失するものと思われます」
そう言いながら、地下12階までのマップと魔物の情報を提出する。
地下13階の地竜のことは黙っているつもりだ。
流石に、LV45の竜を俺単独で討伐したとか報告したら、厄介なことになりかねない。
もっとも魔物レベルから言えば、地下11階、12階の魔物はA級冒険者レベルがフルパーティー、しかも数パーティーで臨まないとかなり難しいかもしれない。
所謂レイドクエストってやつだ。
そのレベルの攻略を、俺たち4人で成し遂げてしまったのは、かなりまずい気もする。
「今回は、迷宮自体、恐らく過去に誰も攻略していなかった分、攻略がやりやすかったのと、上層階はスタンピードが発生するほど、低レベルのモンスターで溢れかえっていましたが、中層以降通常の迷宮より攻略が容易かったので、俺たちでも攻略できたのだと思います。ただ、俺たちは今後も、各地の迷宮攻略を行っていきたいし、その際、今回の討伐のことが広く知られると何かと面倒なので、可能な限りこの情報は伏せていただけたらと思います。どのみち迷宮はすぐに消失するものではないでしょうし、ある程度定期的に自然発生した魔物を討伐した方がいいでしょうしね」
「何?迷宮討伐を報告すれば、冒険者ギルドではS級認定も可能なのだぞ。それに国王に報告すれば、少なくとも子爵の綬爵は可能な程の大業だぞ。場合によっては伯爵位すら綬爵されるかもしれん。それほどの名誉を・・・」
「アミラ様。俺は基本、他国の人間ですし、それに先程も言ったように俺の望みは各地の迷宮を探索して、力をつけて各王国の主迷宮の討伐を成し遂げることです。副迷宮1つの討伐は、俺にとっては通過点に過ぎません。傲慢な物言いに聞こえてしまったらお詫びしますが、ご理解いただけたらと思います」
「あいわかった。帰って父上とも相談せねばならないが、ジュン殿の意向がそのようなことであれば、その意向に従おう。まずは、この地を治める立場の者の一人として、心から感謝の気持ちを捧げよう。ジュン殿本当にありがとう」
その後、冒険者のランク昇格の件や、素材の買い取り、迷宮の情報の買い取り、本来の緊急クエスト完了に関する事務的なことなど話し合ったうえで、一旦、パンプキの街に引き返すことになった。
読んでい頂ける方がいると思うと頑張って書けそうです。
誤字脱字誤変換などなど拙い文ですが、楽しんで頂けたら嬉しいです。
心から感謝しています。




