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ニードリックマウス王国王宮区

「ジュン様、今日は図書館で何をお調べになるんですか?」


「魔法関係については、王宮の書籍が手に入るかもしれないから今はいいとして、取り敢えず、錬金、鍛冶、調合辺りの基本的な知識と、情報を仕入れておこうかと思っている。鍛冶や調合の現場を見学させてもらう時に何も知らないでは、折角の機会が無駄になるしな。」


「わかりました。あっ、もし可能なら、料理や裁縫などの書籍も読んでみたいのですが。」


「ああ、そうだね。そっちの方も必要かも。」


結局、その日は図書館の閉館時間までいろいろな書籍を読んで回った。

リリアナの希望で、料理全集みたいな本を写本して貰うことにした。

この国だけではなく、他国の料理などのレシピが記載されている。

原材料の名前でよくわからない物がいくつもあったけど、そのうちに解るだろう。


今日の図書館での収穫の内最大のことは、スキルの系統が大きく7つ。

それぞれの系統について7つずつのスキルがあることが解ったことだ。

つまりこの世界のスキルは全部で49個。

それぞれに上位スキルがあるようだから、さらに数は増えるけど、

ともかくまずは49個全てのスキル習得が先決だな。

ちなみに、そのスキルの分類と言うのは、こんな感じだ。


武術系

剣術、槍術、斧術、弓術、盾術、格闘術、投擲術


魔術系

光魔法、影魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、古代魔法


防御系

身体強化、精神強化、魔法防御、毒防御、麻痺防御、回避、古代防御スキル


生産系

鍛冶、錬金、彫金、調合、削掘、栽培、古代生産スキル


探知系

探索、魔力感知、気配遮断、道具鑑定、解錠、罠解除、古代探知スキル


生活系

料理、裁縫、清掃、計算、話術、研究、古代生活スキル(学習)


統治系

威圧、指揮、鼓舞、訓練、管理、評価、古代統治スキル



ほとんどのスキル欄に古代系の物が入っている。

これはユニークスキルと呼ばれていたこともある、生まれながらに持っているスキルだったらしいけど、現在はこのスキルを持っている人はいないらしい。

つまり、俺が最初に所持していた「学習スキル」今は、上位変化して「与奪スキル」になっているけど、これが古代生活スキルと呼ばれている物じゃないかと思う。

何で俺だけが持っているのかは不明だけどね。

ユニークスキルってことは、後天的に習得できないのかもしれないけど、兎も角、それらを含めて49個のスキル習得を目指そう。

武術だけがなぜ古代系のスキルがないのかは不明だ。


いずれにせよ、かなりマイナーなスキルについては、書籍や資料を探すのも大変だったけど、基本、これらのスキルの情報を仕入れて、日本での会社員としての生活や、ネットゲームでの体験、知識に当てはめてイメージすると、ほとんどのスキルは習得できた。

俺の「与奪スキル」半端ないなー。


宿に戻ると、冒険者ギルドから連絡が入っていた。

明日、王宮に行くことになったそうだ。

国王に拝謁することになったらしい。

服装はどうしようかとも思ったけど、着飾っても仕方ないしね。

防具も新調してるし、冒険者だから問題ないだろう。

そのことをリリアナに言ったら、あたふたし出した。

国王と言うか、王族なんて別世界の種族ってイメージみたいだ。

まあ、そうだろうなぁ。

俺も日本にいて、いきなり天皇陛下に拝謁するなんてことになったら、心臓バクバクだ。


まあ結局リリアナは、俺に比べたら王族だろうが、王宮騎士だろうが関係ないって納得して落ち着いたみたいだけど、それはそれでどうなのって感じだ。



翌朝はいつものように朝の鍛錬をして、朝食をしっかり食べて、待ち合わせのギルド本部に向かった。

ギルドマスターも一緒に参内するらしい。

基本、冒険者ギルドは王国から分離した独立組織らしいけど、魔物襲撃やら災害などがあれば王国の支援も行ってるみたいで、完全に独立しているって訳ではないんだろう。

冒険者上がりの騎士も結構いるみたいだしね。


兎も角、ギルドの用意した馬車に乗せられて、王宮まで連れて行かれた。

内街区いわゆる貴族街区に入ったのは初めてだけど、一目で同じ王都なんだろうかという感じだ。

尤も、防衛のことを考えてだろうけど、街路自体はそこまで大きくないし、ところどころ建物自体が門の代わりになっているような場所を潜っていくんだけど、建物自体も、一つ一つの建物の専有面積も中街区、外街区とは比べ物にならない感じだ。

そう言えば、こうして都市の防衛を行っているけど、国同士の戦争とかあるんだろうか?

気になって聞いてみた。


「都市防衛がしっかりしてますね。これって、他国からの侵略を想定しているんですか?」


「ん?あー、ジュン殿はご存知ないか?王都の防衛は基本、他国と言うよりも王国内にいる他種族を警戒している。我がニードリックマウス王国などは、代々、人族が王家で基本的に他種族との交流や関係も良好だ。特に、この国では他種族との交流なしには国自体が成り立っていかんからの。しかし、他国領内では、人族、竜人族、巨人族、妖精族、天魔族、亜人族、獣人族などが様々な争いがある。ジュン殿が来たゴードン王家は天魔族だが、やはり王都や領都を一歩出ると争いは起きていただろう?わが国も規模は小さがいが似たようなものだ。」


「なるほど、いろいろと大変なんですね、統治って。」


「まあ、その分得るものも大きいからな。それに王家が倒れれば、その国自体が滅びると言われている。歴史上、王家が倒れたことはないが、それでも善からぬ企みを持つ集団と言うのは現れるものじゃからの。」


そんな話をしていると、ついに王宮区に到着した。

正に、区だ。

多分、ずっと先に見えているのが王宮そのものなんだろうけど、そこに行くまでに

大小様々な建物が立ち並んでいる。


「ここ王宮区の広さと設備、警備の充実度は、7国の中で我が国が一番じゃ。ここには、各専門分野に分かれての研究施設、兵の訓練所をはじめ、新しい武器や防具の開発施設もある。勿論、ジュン殿が依頼した書籍館もあるしの。」


「そう言えば、そっちの方の入館はどうなりました?」


「他国の、しかも冒険者である者に王宮施設への入館許可を出したことがないというのが、王宮の役人の言い分じゃがな。そちらの方は、冒険者ギルドが持つ全ての伝手をつかって交渉中じゃ。申し訳ない。」


「そうですか。少なくとも、魔法研究特に古代魔法に関することや、古代スキル関係に関する書籍などが見れたらよかったんですけどね。」


「まあ、こちらには地下15階のフロアーボスの死体が丸々ある。それに、地下16階の魔物の死体もな。王宮としても我々の願いを無碍むげにはできまい。」



その後、最初は王宮騎士団その後、王宮近衛騎士団に引き連れられて、ついに国王がいる王宮殿に連れてこられた。

王宮区に入った時から武器の携帯は禁止されているけど、再度、アイテムボックスからの武器の取り出しのみならず、アイテムボックスの使用も厳に行わないように注意を受ける。


「それでは、こちらが謁見の間です。従者の方は控えの間にご案内いたします。」


「彼女は、俺のパーティーのメンバーです。今回の地下15階のフロアーボス討伐も彼女とともに行いましたので、謁見するなら一緒にお願いしたい。」


「失礼いたしました。それでは、ご一緒に中にお入りください。」


「ジュン様、私は別室でお待ちしていても・・・。」


「いいや、リリアナ。今回は地下15階のフロアーボス討伐の功績によってここに呼ばれているんだから、リリアナも同席するのが正しいよ。」


「はい、ジュン様。」


ギルドマスターを先頭にして、俺たちが謁見の間に入る。

何段か高くなった場所に、玉座がある。

謁見の間には、ずらっと人が並んでいる。

特に、玉座の周囲には、剣術スキル持ちの王宮近衛騎士が微動だにせず控えている。

周囲の人たちをチェックすると、スキルの博物館かって思うほど、スキル持ちがズラッと並んでいる。

恰好からすると文官や、武官っぽいけどどうなんだろう。

細かい役職までチェックしている暇がない。

キョロキョロもできないしね。


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