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ドング迷宮地下15階ボス戦

翌朝起きると、周りの人たちはまだ寝てるようだ。

大人の人たちは遅くまで酒を飲んでたしね。

俺とリリアナはいつものように子供は早く寝ろってことで

サッサとテントに入ったけど。


朝の修練が終わってもまだ起きてこなかったので、仕方ないので俺とリリアナは先に出発することにした。

昨日のうちに挨拶はしてるし、今日はドング迷宮都市に行くって話をしてるから問題ないでしょう多分。


途中で馬車を収納して、乗馬で走ってきたんで、2時間後ぐらいには迷宮都市に辿り着いた。

迷宮都市はゴードン王国の迷宮都市以外で2つ目だけど、全然雰囲気が違う。

あっちも、迷宮入口を中心にしてある意味同心円状に発展した街だったから、猥雑と言うか、活気のある下町って感じだったけど、ドング迷宮都市は、地球で言えば香港とか、上海みたいな感じだ。

一方で高層的な建物がある場所があれば、別の方にはちょっと高級そうな区画がある。

全体的には露店商が軒を並べてるような区画が続いてる。

城壁もしっかり作られている。

周囲には魔物が生育しているんだろうな。

ドングの森とかもあるしね。


そんな街を眺めながら、大通りを進んでいくと、冒険者ギルドはすぐに見つかった。

って言うか、正に迷宮入口のすぐ隣だ。

冒険者ギルドを中心にして、大小の商店が続いている。


冒険者ギルドの中も雑然としている。

朝が早いというのに結構な数の冒険者やポーターがいる。

迷宮の周囲にも野良のパーティー募集やポーターの呼び込みが一杯だ。

食べ物の露店が多いけど、地図販売という露店も目につく。

流石、情報をお金に換える国って感じか。


俺とリリアナはそんな人たちを横目に見ながら、早速迷宮に入る。

入場料は一人銀貨2枚だ。

一週間パスと言うものも販売されている。

こっちは銀貨7枚で、ゴードン王国と同じだ。

まあ、俺とリリアナは写本が出来上がる予定の一週間後まで迷宮に潜る予定なので一回分で支払うけどね。


迷宮の構造自体はほとんど変わらない。

広さは随分と違うみたいだけど。

出てくる魔物の種類は違うけど、LV帯は似たようなものだしサクサク進む。

入る前に確認したところ、この迷宮も探索されている最下層は16階らしい。

何か理由でもあるんだろうか?

まあいいか。

上層階では、俺自身全く経験値が入らないので基本、リリアナに任せている。

それにしても、経験値の入りが少ない。

俺だけが優遇されているんだろうけど、それならLV差の制限もなくして欲しかったよ。


ともかく、お昼休憩を挟んで夕方には地下7階に到達した。

この迷宮も地下7階は森林ゾーンみたいで、セーフティーゾーンになっていた。

ただ、ゴードン王国の迷宮と違って、迷宮の中に街が作られてた。

とはいっても、何度も作り直しているんだろうけど、一応、街って呼んでもいい感じだ。

300人ぐらいはいるんじゃないかなぁ。


「こんにちは、ここは街なんですか?」


「ん?お前さんたち見ない顔だな。ここへは初めてかい?」


「はい、今日初めてこの迷宮に入りました。」


「初日でここまで来たってか?どんだけだよ、お前さんたち。まあ街を案内して欲しかったら、案内料銀貨1枚だ。」


「あー、案内は結構です。ありがとうございます。」


「けっ、しけてんな。まあいいや。」


そう言いながらどこかに歩いて行った。


「ジュン様、街の中に入るんですか?」


「うーん、入るメリットはないかな~。恐らく長期間迷宮に潜っている人が、武器のメンテナンスや消耗品などを調達するために形成されてるんだろうしね。」


結局この場所を離れて、途中夕食休憩を挟んで、地上で言えば深夜までかかって地下14階にまで到達して休むことにした。

こまめに回復魔法をかけているので体力的には問題なけど、ベッドで横になりたかったしね。

それに地下14階が、迷路みたいな階層で丁度、俺たちが使っているコテージと同じぐらいの広さのある行き止まりの部屋があったので、この部屋の入り口を魔法で塞いで、結界を張ってコテージを出して拠点にしたからだ。

流石に料理を作って食べる時間でもなかったけど、リリアナがお風呂に入りたそうな視線を送っていたので、温泉を出してゆっくり湯船に浸かることにした。

明日は、ゆっくり休んでのんびり探索をすることにしよう。




翌朝、と言うか翌昼に起きて朝風呂ならぬ昼風呂に入りながら、今日の予定を決めた。


「この後、取り敢えず16階を目指してみよう。その後は、俺とリリアナのレベル上げにいい階層を見つけて集中して狩りをしたいと思う。今回の目標は、リリアナの剣術スキルの習得。だから慣れない武器でもリリアナが十分に戦える階層がいいかと考えている。」


「いえジュン様。私よりもジュン様のレベリングにいい場所を見つけてください。」


「俺の方のレベルは、今はそんなに急がなくてもいいかなと考えているんだ。昨日、いや一昨日か、A級冒険者で剣将のジフリードさんと立ち会ってみて、今の俺自身の力量でそこそこA級ランクの魔物とも立ち会える自信が出たしね。それに、リリアナの能力が上がってくれたらその分、俺たちの生存率は上がるし、今後の迷宮探索、特に未知の領域である地下20階以降の下層探索には必要だと考えてるし。」


「解りました。ジュン様のお考え通りに。」


「取り敢えず、あと数日は迷宮に潜って、その後一旦王都に戻ろうか。リリアナの武器もそろそろ換えなきゃいけないしね。」


「私の武器ですか?今の鋼鉄の双剣は、いつもジュン様が浄化魔法で手入れをしていただいているので、問題ないですが。」


「そうだけど、リリアナも魔法が使えるようになったからね。武器に魔力と言うか気を流せる訓練も始めた方がいいと思ってね。慣れたら鋼鉄剣でも大丈夫だけど、最初はミスリル剣辺りで慣れた方がいいと思う。どの道、魔物が強くなれば、鋼鉄剣では対応できなくなるだろうしね。」


「奴隷の私には・・・。」


「前にも言ったけど、リリアナはすでに奴隷状態から解放している。リリアナは奴隷じゃないよ。立派なC級冒険者だよ。」


「はい。ありがとうございます。でも、やはり私は、ジュン様の・・・。」


「そうだよ。俺の大切なパートナーだよ。これから一緒に大陸中の迷宮を巡るんだしね。これからもよろしく。」


リリアナが、またもや目がキラキラモードになってるけど、まあいいや。




その日は、夕方までかかって地下15階のボス部屋の前まで来た。

地下14階の迷路で結構手間取った感じだ。

まあ、行き止まりや、簡単なトラップしかなかったので、一度マッピングしてしまえば問題ない。

最短コースを進めば1時間も掛からず15階に降りれる感じだ。


「さて、リリアナ。この迷宮は、ゴードン迷宮と違って、スライム系の魔物が多いようだ。スライムのタイプはいろいろあるけど要は魔核さえ攻撃できれば問題ない。それに、物理攻撃は通りにくいけど、魔法攻撃は全てのスライムに有効みたいだしね。ゴードン迷宮の流れから行くと、ボス部屋にいるのはスライム系ないし、ボスモンスターとともに、スライムがいる可能性がある。あるいは、この階で初めて出てきたシルバーフォックス系って可能性もある。そっちだと、リリアナの鋼鉄剣でも狙える場所は限られてくる。無理しないようにね。」


「はい、ジュン様。私の腕が未熟で、ジュン様に負担をおかけします。」


「いや、リリアナだからこそ、この階まで一緒に来れていると思う。いずれにせよ、リリアナは支援魔法メインでね。ポイズンスライムのあの毒は鬱陶うっとうしいしね。」


「解りました。」


猛毒じゃないから問題ないけど、毒対策は今後のこともあるし考えていかないといけないな。その辺りも王都に戻っていろいろ調べてみよう。


「じゃあ、入るよ。」


二人揃ってボス部屋に転移する。

すると一気に索敵に反応が。

ボス部屋の中に、数百を超えるスライムがいた。

その奥に、大きな魔力反応。あいつがボスだろう。

狐系の魔物だ。

ただし馬鹿でかいし、尾っぽが3本に分かれてるいかにもってやつだ。

まずは、周囲のスライムを処理しないとな。

俺は一気に、氷魔法で最大攻撃力の奴をぶっ放す。

ここまでのスライムとの戦いで、スライムは一部残っていると周囲のスライムと合体していくんだよね。中途半端にダメージを与えると合体されてとんでもなく厄介な敵になる。


今回俺がぶっ放したのは、ニブルヘイム。

広域絶対零度魔法だ。

ここまでスライム相手にいろいろ魔法を試してきたけど、氷魔法が一番ダメージが少ない。それに回収が楽なんだよね。

凍ったまま回収すると、アイテムボックスの中で氷がなくなるみたいで。

一気にボスも凍ってくれたらよかったけど、ボスは氷魔法に魔法耐性があったようだ。

薄い膜みたいなものに覆われている。


「リリアナ、ボス一体だけだ。一気に仕留めるぞ。」


「はい、ジュン様。」


俺が駆け出すと、リリアナも後ろから遅れずにダッシュしてくる。

ボスはその場で迎え撃つようだ。

走りながら鑑定してみると、三尾狐という名前らしい。

風魔法持ちだ。

すかさず、俺とリリアナの前にウインドシールドをかける。

これは、一度だけ自動で物理・魔法防御をしてくれる防御魔法だ。

リリアナはまだ防御系の魔法は使えない。


「リリアナ、相手は風魔法持ちだ。恐らくあの尻尾から魔法を発動しているんだと思う。尻尾の動きに注意。」


「了解です。」


俺とリリアナの連携も何度も戦っているので阿吽の呼吸だ。

俺が魔法を放ちながら正面に回る隙に、リリアナは相手の死角に回り込む。


火球を3つ放つ。

火魔法には耐性がないのか、回避行動をとる。

そこは想定済みだ。

回避すると思っていた方向へ跳躍して、矛の連撃を放つ。

鑑定でみたとおり、回避と敏捷の能力値が高いので、全てかわされる。

3本の内一本が俺の方に向く。

すでに、俺とリリアナの周りには3枚ずつウインドシールドを展開している。

構わず、先ほどと同じ連撃を放ち、最後フェイントで首を狙って矛の刃を切り上げる。


初見でかわすのは無理だろう。

特に一度、同じ連撃を放って相手の油断を誘うように手を打ってるしね。

死角に回ったリリアナの方にも気を配らないといけないし、ほんの一息の間、三尾狐の気が逸れる。

その瞬間のフェイント技だ。

うまく決まってボスの首を半分切り裂いた。

本当は首を一閃するつもりだったけど、半分避けられたのは、こいつの能力の高さなんだろうな。

まあ、首半分切られて生きてられはしないだろうけど。


「お見事です、ジュン様。」


「ありがとう。リリアナのサポートがあって、やつの気が削がれたのがよかったかな。」


ともかく、氷漬けのスライムやボスの死体を収納する。

スライムのくせにLVが高かったようで、久しぶりに俺がLVアップした。

最後のボスはLV25だ。

ゴードン迷宮の15階のボスがLV20だったと記憶してるけど、かなり高ランクだな。

やはり迷宮によって違いがあるんだろうか。


氷漬けのスライムを回収するのにボス部屋の中を歩いていると、隅の方にほのかに蒼く光る塊を見つけた。

鑑定すると、何とミスリル塊。

何でこんなところにミスリル塊が?

ミスリルとは、銀鉱脈の中で極たまに見つかる希少金属だと聞いてたけど。

こんな大きな塊であるってどういうことだろう?

これで武器を作るとしたら何本分になるのか解らないぐらいの大きさだけどね。

取り敢えず、丸々回収した。

念のため他にもないかよく見た。

薄暗くて見つけにくいけどいくつか希少金属の塊があった。

リリアナは何も言わず、後ろからついてきている。

リリアナに聞いても解らないだろうな。

まあ、ボーナス?宝くじに当たったと思ってラッキーと思っておこう。



一旦、転移水晶で入口に飛んで、もう一度戻ってきた。

このボス部屋はおいしい狩場なんだろうか?

数日するとまたボスが復活するだろうから、後日また来てみよう。

そんなことを考えながら、地下16階に降りた。



地下16階は、かなり探索が厄介だ。

足場が沼地みたいになっていて歩きずらい。

しかも迷路みたいになってるし。

魔物は足元の沼に潜んで寄ってくるタイプが多いけど、まあ索敵をかけ、こっちは完全不可視化魔法をかけているので強襲されることはない。


「この階は、クロコダイル系がメインみたいだね。鋼鉄剣ではやはり対応が厳しいか。」


「確かに、背中側の外皮の部分には通りにくいです。唯その辺りは、キラーアントなどの時も同じでしたし。それに、腹側、口腔内、目には問題なく通ります。」


「まあ確かに。不可視で近づいて、蹴り上げてひっくり返せばおいしいと言えばおいしいけどな。」


「ただその場合、ジュン様の経験値が全く入らないんではないですか?それが少し・・・。」


「まあ、どのみち、こいつらはLV22前後だしね。俺のレベルだと得られる経験値もギリギリって感じだし問題ないよ。ともかく、17階に降りてからどうするか決めるかな。この階層だとコテージをおける場所もないしな。」


地下16階は迷路兼足場が悪かったこともあって、探索にかなり時間がかかった。

半分もマッピングしてないけど、地下17階への通路が見つかったのでそのまま降りる。


地下17階。

前人未到の階層ってことなのかな、多分。

もしかしたらこっそり潜ってる人がいるのかもしれないけどね。

俺たちも冒険者ギルドとか、入口の兵士とかに報告するつもりはないしね。


大体、地下16階の魔物でLV22前後。

先日の試験官だったA級冒険者のジブリードさんがLV28。

つまり、地下16階でコツコツ魔物を倒してないと、LV差からして28には上がれないしな。

地下15階のスライムとか狐系の魔物がLV20前後だったしなぁ。

それとも迷宮以外にも強い魔物がいるんだろうか?

テンプレ的には竜とか。

その辺りも要確認だな。


地下17階は、沼地から一変して、乾燥地帯だ。

どう言う仕組かわからないけど、壁や天井もサラサラした砂だ。

足を取られるほどじゃないけど、それでも歩きにくいという点では、16階と同じだな。

ここも不可視化魔法をかけて警戒するしかないか。


地下全体は、大部屋みたいな部屋と、それに続く小さな部屋、通路がつながっている感じ。

大部屋って言っても、一辺、優に100mはあるようなドーム状の部屋なので部屋って感じじゃないけどね。

小部屋の方は、床部分は硬い岩盤みたいになっている。

行き止まりもあるし、壁から突然魔物が飛び出してくる。

特に大部屋部分には、サンドワームと言う体長5mもあるような魔物が地面の中に潜んでいる。

いると解っていれば問題ないけど、俺の索敵でもかなり解り難い。

しかもこれだけ大きな図体をしているのに敏捷性が高くて、移動スピードが高い。

こっちは砂で足を取られるけど、向こうは爆速だ。


完全不可視化して気配を消しているにも関わらず、敏感にこっちの位置を狙ってくる。

はっきりと掴んでいる訳ではないだろうけど、それでもこいつ相手だけは、不可視化魔法のアドバンテージはない。


途中の小部屋でコテージを出してしっかり休息をしたけど、地上で言えば深夜の時間帯まで探索&レベリングを続けてる。

基本、リリアナに攻撃させているので、リリアナの方が経験値が貯まっている。

それでも俺が獲得するよりかなり少ないので、LVアップ自体はやっと2つ上がってLV12だけどね。

それでも、SPに余力が出たんで、浄化魔法の練習を解禁した。

尤もこれを使うと、一晩寝ないと全回復しないので、毎日寝る前に一度だけって制限つきだけどね。

それでも、日々何度も俺の浄化魔法を見て、解説を聞いているからか、はたまた俺の固有スキルの学習(習得)のお陰か、一発で成功させた。


「ジュン様、ありがとうございます。これで、毎日のお世話ができるようになりました。」


コテージ内部が、それこそどこの神殿だよって思うぐらいピカピカになってる。

部屋全体、調度品も含めて全て一括して浄化できるんだなぁ。

もしかして俺が使うより浄化魔法の適性があるのかもね。



結局、地下17階で3日間、レベリングをした。

と言うのも、地下18階への通路を見つけられなかったんだよね。

一応、マッピングして全部を確かめたつもりだけど、隠し通路か見落としがあるのかもしれない。

まあ、サンドワームの死体や、さそりみたいに尾に毒針をもった魔物や、全身が棘に包まれた植物系の魔物、モグラみたいなアリ地獄みたいな砂の中に隠れて攻撃してくるサンドマウスと言う魔物などの死体がたっぷり手に入ったし。

地上に出て必要な部分を解体したらそれなりの素材がとれると思う。

リリアナもLV14だ。

恐らく十分にB級昇格試験を受けれると思う。

俺もLV27になった。

まだジブリードさんのレベルになってないけど、それなりに有意義だった。


地下15階から転送する前に、もう一度、ボス討伐を行ってみたけど、ボスのLVは20。

スライムもいたけどレベル19だった。

しかも5体のみ。

ミスリル塊もなし。

ボス自体も、スパーンと一閃で形がついた。

最初に討伐した時のボスは何だったんだろうな。

謎だ。


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