表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/55

ニードリックマウス王国へ

迷宮地下16階は、迷路タイプの階層みたいだ。

通路の幅は5mほど。高さは15mほどか。

地下15階が巨人タイプの魔物が多い階層だったので天井までの高さや通路幅が広かったので、一気に狭苦しい感じだ。でも考えてみれば、上層階層よりも広々している。


「ジュン様、この階層は下を目指すのを優先ですか?それともマッピング優先でしょうか?」


「そうだなぁ。現状この迷宮の最深攻略階層みたいだし、マッピング優先で行こうか。」


「了解しました。あっ、前方右通路より魔物接近です。四足歩行の魔物3体です。」


「ありがと。リリアナの耳は凄いね。俺の索敵には反応ないけど、助かるよ。」


通路をしばらく進んでいくと俺の索敵にも反応が出てきた。

確かに魔物の反応だ。相手はまだこっちの存在に気付いてないみたいだ。


「リリアナ、少し実験をしてみたいから、意識して気配を消しておいてね。」


俺は影魔法の隠蔽を発動してみた。

この魔法は、元々索敵スキルを使っている時に、自分自身の気配を消すこともできるんじゃないかって思ってやっていたら獲得した「隠密」スキルを常時発動していたら、いつの間にか、「影魔法」という魔法スキルを獲得していたので現在あれこれと実証中のスキルだ。


影魔法は現在、

自分と自分の周囲3mの範囲にあるものの気配を隠匿することが可能な「隠蔽」。

自分や対象者のステイタスを書き換え可能な「隠匿」。

奴隷契約の上位版みたいな「隷属」。

の3つが可能だ。


ちなみに、光魔法の上位魔法の聖魔法の「鑑定」によって、相手のステイタスを本人が認識できる以上の情報を見ることができる。

これらの魔法については、リリアナにも内緒にしている。

実証はリリアナを使って行っているんだけどね。


隷属はかなりヤバい魔法だ。

奴隷契約は契約違反行動を起こした時に、奴隷の首を絞めて違反行動を起こさせないようにする魔法だけど、隷属魔法は完全にこちらの指示通りの行動を強制的に行わせることが可能だ。

しかも、本人にはやらされている感はないみたいだ。

おそらく精神的にも縛りをかけているんだろうけど掛けれらている本人はその自覚はないみたいだ。

日常生活は問題なく行っているし、生ける屍みたいに人形になっているわけではない。

問題は誰に対してもこの魔法を発動できるのか、リリアナだから発動できているのかはわからない。


ともかく、今は迫ってきている魔物たちへの対応だ。

通路の先から現れた魔物に対して、聖魔法の鑑定を発動する。隠蔽は掛けたままだ。

それでも相手に気が付かれることはないようだ。

ただ、鼻をひくつかせて警戒はしているようだ。

現れた魔物は、グレーターウルフ。LV20の魔物だ。

こいつら魔法が使えるようだ。

影魔法(催眠)となっている。


「リリアナ、相手は催眠の魔法を使うようだ。目を合わせないように戦って。」


そう言って、隠蔽を解除して、目の前に来た先頭を歩いていたグレーターウルフに襲いかかる。

俺が飛び出すと同時にリリアナも飛び出し、後方の一体に向けて双剣を振るう。


「ギャオーン」


「ギャン、ギャン」


一瞬硬直したグレーターウルフもすぐさま臨戦態勢に移る。

しかしその時には既に遅い。

俺のミスリルのほこですでに先頭の一体の首は飛んでいる。

リリアナが狙った一体も首と右前脚に致命傷を負っているようだ。

最後の一体も俺がすでに狙いを定めている。

グレーターウルフは、一瞬の躊躇した後、体をひるがえして逃げようと動く。

しかし、その先にはすでにリリアナが待ち構えていて、双剣を一閃。

その後華麗な連撃を叩き込んで終了だ。


「お疲れリリアナ。いい動きだったね。」


「いいえ、ジュン様の足元にも及びません。それで実験は成功したんでしょうか?あんなに近くまで寄ってもこちらの存在に気がつかなかったようですが。」


「半分成功かな。気配を消す魔法を使ってみたんだけど、おそらく匂いで違和感を感じたみたいだね。そっちの方も隠蔽できるようになれば完璧なんだけどね。」


「えっ?新しい魔法ですか?凄いです。」


「まだまだだけどね。」


「ジュン様は凄いです。魔法師について私も詳しくはないですけど、普通一系統の魔法しか使えないと聞いたことがあります。でもジュン様は光魔法をお使いになられているのに、土魔法もお使いになられますよね。さらに隠蔽系だと影魔法もお使いになられるんですね。」


「魔法って、一系統しか使えないのが普通なの?」


「私が聞いた範囲ではそうです。ごく稀にダブルと呼ばれる2系統を使える魔法師がいるらしいですが、それは王宮の主席魔法師クラスで普通出会うことはないみたいです。魔法師自体の数が少ないですし・・・。」


「リリアナだから話すけど、俺は、光魔法・・・今は聖魔法っていうのに変化しているけど、それ以外に、リリアナが言ってた土魔法、あと、火魔法、水魔法、風魔法が使えるよ。まあどれも大した魔法は使えないけどね。」


「凄い、凄すぎます、ジュン様。ダブルどころか6系統全てですか。」


「あっ、魔法って6系統なんだ・・・」


「えっと、はい。私が聞いた話だとそうです。忘れ去られた古代魔法というものもあるようですけど、魔法と言えば6系統のいずれかになります。」


「魔法については、こんど図書館とかに行って調べたいところだな。」


「図書館ですか?」


「あーこの国には図書館ってないんだっけ?」


「図書館とはどういった場所ですか?」


「本とか閲覧できる場所?」


「本ですか?えっと、本とかは王宮に行けば文書館などがあるかもしれませんけど、普通の人は入れないと思います。」


「そうなの?じゃあ、調べたいものがある時にはどうするの?過去の記録とかいろいろ。」


「そういうのは、全て王宮が管理していると思います。」


「そうなんだ・・・。」


「でも、写本なら王都とか大きな街の商館で売っていると思います。あと、魔物に関することなら冒険者ギルドでも資料の閲覧は可能だと思います。」


「そうなんだ。紙が普通に使われてたから気にしてなかったけど、確かに本屋さんは見かけなかったなぁ。」


「あっ、本なら、ニードリックマウス王国に行けば手に入りやすいかもしれません。ニードリックマウス王国は、学徒の国と呼ばれるぐらい魔法研究をはじめとするいろいろな研究が進んでいるそうです。おそらく、一般の人も本などの資料を手に入れやすいんじゃないでしょうか。」


「ニードリックマウス王国?そこは、ここから遠いの?」


「ゴートン王国の西隣りです。ここ迷宮都市はゴートン王国のほぼ中央にありますから、馬車で行けば半月ほどになります。」


「半月か~。時間が勿体ない気もするけど、どの道ほかの国にも行ってみたいしね。」


「はい。それに、もしジュン様が迷宮攻略をお考えなら、ニードリックマウス王国のさらに西にある、アサドンク王国に行かれた方がよいかと思います。」


「アサドンク王国って言うと、副迷宮がたくさんあるという王国だったけ?」


「はい。他の王国と違って、大大陸から離れた小大陸にある王国です。歴代の王家の方針なのかどうかはわかりませんが、迷宮探索を積極的にやっていない王国です。他の王国も間に大海があって、大橋以外直接つながっていないのでアサドンク王国からの魔物の影響をほとんど受けないし、積極的に加勢をしてないようです。良くいえば一攫千金を狙えるドリームカントリーですが、要は弱肉強食みたいですが・・・。」


「そうだな。この迷宮も急いで攻略したい訳じゃないし、副迷宮の方が攻略しやすいんだったらそっちから攻略するかな。ダンジョンコアって言うのにも興味あるしね。そうと決まれば、地上に戻って一旦、王都に戻ってランクの昇格試験を受けておくかな。」


「ランク昇格試験は、どこの王国でも受けれますし、申し込んでから受験まで時間がかかりますから、ニードリックマウス王国で受けてはどうでしょうか?待っている間に、調べものとかも可能でしょうし。」


「そうだな、リリアナの言うとおりだな。旅支度は特に必要ないし、じゃあすぐに行こうか。移動は馬車を購入しておく?今後も使うだろうし。」


「それなら、冒険者ギルドで貸し馬車を申し込まれてはいかがでしょうか?費用等を考えるとそちらの方が無駄がないかもしれません。」


「そういうのもあるんだね。リリアナはよく知ってるね。」


「えっ、はい。昨夜、ジュン様の槍の先生の方たちがそんなお話をされてましたし。」


「そうなの?リリアナがいて助かったよ。これからもいろいろ教えてね。」


「そ、そんな。私がジュン様に教えるなど・・・。」


その後、地下16階の探索は中止して、地下15階の転移水晶から地上に戻って、冒険者ギルドに行って貸し馬車を申し込んだ。

リリアナが言ったように、保障金を払うことで、どこの冒険者ギルドに乗り捨ててもOKみたいだ。

馬車を返還した時に保証金は戻ってくるし、確かに便利かもしれないな。


通常なら旅のための道具など大荷物になるところだけど、俺たちの場合荷物は何もない。馬の餌や水も俺のアイテムボックスに収納してるしね。

一頭だての馬車だけど快走している。

馬車の操車は難しいんだろうけど俺の場合、馬を隷属して自律して走らせてる。

賢い馬でよかった。

と言うか賢い馬を選んだけどね。

実際は馬じゃなくてブルホースという牛と馬の合いの子みたいな魔物だ。

見た目は馬そのものなんだけど、鑑定してみてわかった。

魔物である以上、能力値表示されるのでチェックしてその後、隷属した。


「あの、ジュン様、手綱は握ってなくてもいいんでしょうか?」


「大丈夫。こいつ隷属して街道に沿って走るように指示してるから問題ないと思うよ。誰かに見られたら拙いから御者台に座ってるけど。リリアナは中に入って寝てていいよ。」


「いいえ、ジュン様が中に入ってお休みください。」


「まあ、中に入ってもやることないしね。一応魔法の練習してるし。」


「うっ、そうだったんですね。お邪魔をして申し訳ありません。」


「全然、問題ないよ。リリアナも一緒に魔法の練習やる?」


「はい!」


リリアナは魔法の習得に対しては貪欲だ。本当に習得したいんだろうな。


「そう言えば、魔法って普通はどれか一つの属性に適応があるんだったっけ?リリアナはどんな属性に適応があるの?」


「えっ?」


「えっ?」


「えっと、わかりません。」


「あーそうだよね。初めてだしね。それで普通はその適性属性ってどうやって調べるんだろう?」


「魔法の指導を受けているうちに何らかの属性に目覚めるらしいです。まずは、魔力適性があるかどうかが肝心で、この魔力適性は生まれつき持っている者と持ってない者がいるみたいです。」


「そうなんだ。魔力適性か。どうやって調べるんだろうね。」


「わかりません。でもジュン様に指導していただくと、薄らと感じるものがあります。私にもきっとあると思います。兎族に一番多いのは風属性です。その次は光属性です。私にも適性があるならどちらかが身に付く可能性があると思います。」


「どちらかって言わずに、両方とも身につけたらいいんじゃない?」


「えっ?」


「えっ?だめなの?両方って。」


「駄目じゃないですけど、ダブルは・・・でも、ジュン様がそうおっしゃるなら頑張ります。」


「大丈夫だよ。俺でも使えるようになったんだし、種族として適性が高い属性なら問題ないよ。じゃあ、光魔法と風魔法を中心に指導していくね。」


俺はリリアナの目の前に光球を一つ出す。


「いいかい。この光球を触らないようにこうして両手で挟んで、手のひらから風を出して光球を揺らしてごらん。ほら、こんな風に。」


そう言いながら、リリアナの目の前で光球を揺らしてやる。


「リリアナが薄ら感じているものを、手のひらに集めて、それを光球に向けるんだよ。焦らなくていいから、のんびりやってごらん。」


「はい、ジュン様。」


そう言って、早速隣に座って、光球と睨めっこを始めた。

俺の方は、隠蔽、結界などの魔法をいろいろ試してみる。

回復魔法の方は魔物の死体を使っていろいろ試した結果、生き返らせることはできないけど死体を完全回復できるようになった。

繋げるんじゃなくて完全回復。

つまり死体の一部があればもう一つ別の体を作成可能だ。

魔物の素材取り放題だけど、使用するSPが半端ない。

博愛神の加護があって使用SP半減しているはずだけど、満タン状態で使用して完全になくなる感じ。

もしかしたら、蘇生魔法も使えるのかもしれないけど、SP不足なのかもしれない。


俺の現在のLV25で、SPが810だからってこともあるんだろうけど、蘇生魔法使うのにどれくらいのSPが必要なんだろうな。

これって使える奴いるのかな?博愛神の加護がなきゃ絶対に無理じゃない?

博愛神以外の神様の加護があってそれも貰えるといけるのかもしれないけどね。

まあともかく今はできることをコツコツとだな。


ちなみに、現在の俺たちのステイタスはこんな感じだ。




名前 ジュン・ミソラ

年齢 15歳

種族 人族

所属 C級冒険者

LV  25

経験値 5078

HP 810

SP 810

筋力 270

防御 270

回避 270

敏捷 270

知恵 450

精神 450

幸運 450

固有スキル 学習(認識、指導、分析)

スキル 身体強化(物理耐性、魔法防御)、槍将、剣術、挌闘術、投擲術、

聖魔法、影魔法、火魔法、水魔法、風魔法、土魔法、 

魔力操作、魔力感知、索敵、隠密

料理

加護 博愛神の加護

補正 異世界(言語、無詠唱、アイテムボックス)



名前 リリアナ

年齢 15歳

種族 兎族

所属 D級冒険者

LV  10

経験値 2011

HP 100

SP 100

筋力 50

防御 20

回避 43

敏捷 70

知恵 75

精神 70

幸運 50

スキル なし

補正 兎族(聴力)、隷属




リリアナのステイタスをこまめに確認して分かったことは、俺の経験値の入り方と、能力値の上がり方はかなり異質だ。

リリアナの場合、同じ魔物を倒しても、得られる経験値が俺よりかなり少ないし、LVアップしてから上がる能力値もランダムで、俺みたいに一律10ずつ上がるわけじゃない。

アップする値もランダムっぽい。

敏捷系が上りがいいから若干の補正があるのかもしれないけどそれでも一定ではないしね。

まあ本人には、能力値は見えないし認識もしてないから関係ないんだろうけど。

それにしても、俺のHPとSPがいかに異常かがわかるなぁ。

LV10でリリアナのHPは100しかない。

HPとSPは俺と同じようにLVごと10ずつ上昇してるみたいだけど、俺の場合そこから3倍増しになるからな。

HPとSPの値だけなら、今の俺はLV80相当ってことだ。

ちなみに、リリアナだけが特別に低いわけじゃないんだよな。

街でいろいろ鑑定したけど、B級冒険者あたりでも、LV15前後だし、能力値的にも、それ相当な感じだ。スキルもほとんど1つしか持ってないしね。


迷宮16階のグレーターウルフがLV20~LV21だったから、俺自身の経験値を上げようと思えばやはり地下15階よりも深い階層に入らないとダメなんだよな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ