迷宮地下15階攻略
「じゃあ、今日はこの地下13階を探索しよう。最初は俺が魔物を倒すからリリアナは周囲の警戒ね。」
「了解しました。お任せ下さい。」
朝風呂に入って少し艶々した顔で元気良く返事をするリリアナ。
だんだん可愛くなってるなーと思う。
奴隷商で見た時もスレンダーと言う感じで悪くはなかったけど、最近は身体に丸みも出てきて、肌艶もいいから余計に美少女ぶりが際立ってきた。
地下13階で初めて遭遇した魔物は狼の群れだった。
頭から角を生やしてるし、普通の狼じゃないんだろうけど。
「多分、狼の習性からすれば近くに仲間がいると思う。さっきの遠吠えが仲間を呼ぶ合図だろうね。と言うことでまずはあいつらをサックリ片づけるけよう。」
狼の群れは3体だ。
まあ初めての相手だけど大丈夫だろう。
狼の方もこっちが逃げずに突っ込んでくるので仲間を待たずに突っ込んでくる。
まずは俺が蒼く光る矛先を先頭の狼めがけて一閃。
狼が避けようと跳躍するけどそこは想定済み。
矛を引いて連撃で仕留める。
この武器のいいところは斬るだけじゃなく突きの威力が高いところだな。
横ではリリアナがすでに一体の狼と戦いを始めている。
今までの魔物と違ってなかなかに敏捷値が高い様だ。
俺も残り一体に向き合って、あいつらの弱点を探すためにいろいろ仕掛けている。
頭に角があるし、あれがなんらかの特殊な攻撃になるんだろうけど今の所角を使った攻撃はしてこない。
まあ相手もこっちの攻撃を躱ので精いっぱいなのかもしれないけど。
俺の矛だとあまり感じないけど、鋼鉄剣ではこいつら毛皮は斬りにくいみたいだ。
それでもリリアナは足や口、顔面など毛のない部分も狙って確実に追い込んでいるけど。
俺も、大体わかったし魔物が寄って来る反応もあるんでシュンと一閃して首を落とした。
リリアナも目から剣を突き入れて仕留めたようだ。
「5体寄ってきてるけど大丈夫?」
「問題ないです。攻撃パターンは見切りましたし、ジュン様の連撃技で仕留めれば問題ないみたいです。」
あーさっきの突きはそう言う訳ね。でも双剣で連撃とかちょっとカッコいいけど。
取り敢えず仕留めたブラックウルフと言うらしいけど、そいつらの死体を収納して、やって来た仲間をおいしく蹂躙した。
まあ特殊攻撃がなければこんなもんか。
一応、中層からは魔法を使う魔物も出ると聞いてたから警戒したけど、収納する時に情報をチェックしたけどこいつらは魔法は使えないみたいだ。
次に会ったのは、レッドウルフの群れ。こいつらは火魔法を使って来る、いわゆるファイアーボールみたいなものだ。
速度があんまりないので離れていればバッティングセンターのボールより遅いし、撃ち返そうな感じだ。
実際、矛で真っ二つにしてやったら、リリアナも魔法を放ったレッドウルフもびっくりしてたけど。
これはミスリル剣だから出来ることなんだろうな、多分。
ちなみに、俺の剣は鋼鉄剣なんだけど、魔力を通すのはやれないことはない。
通しにくいけどね。
で、魔力を通すと鋼鉄剣でも切れ味は上がるようだ。
これも今後リリアナに指導していかなきゃなーと思ってるところだ。
ともかく、3種類目にシルバーウルフという水魔法を使う狼の群れが出てきたところで、この階層は狼メインだと結論付けた。
全周10㎞は超える箱庭みたいな空間に、狼の各種族がテリトリーを作ってる感じか。
パターンからすれば、どこかの岩の裂け目辺りから入った先に下に降りる通路があるんだろうな、多分。
そう言えば、この階層に入って他の冒険者パーティーに出会ってない。
ここまでも他のパーティーとの接触は避けるようにルートを取ってきてるので、出会ったことはないけど、それでもパーティーの気配はあったんだけどね。
そう言えばこの階層にも夜があるんだよね。
昨日夕食の後外に出たら、薄暗くなってた。
どう言う仕組みか分からないけど、迷宮の外と連動している感じだ。
取り敢えず、今日は夕方過ぎまで、迷宮探索を続けて大体の地図はできた。
迷宮みたいに通路が入り組んでいないし、見通しがいい場所が多いから探索もやりやすい。
明日は、今日見てない場所を探索して下への通路を探す予定だ。
収納していたコテージを昨日と同じように設置して、早速リリアナに夕食の準備を始めて貰った。
今日はオーブンが使えるので、料理が楽しみだと言ってた。
夕飯を楽しみにしながら俺は外で自主練習。
取り敢えず、今日見た火魔法と水魔法の習得。
まあそう言う魔法があると言う予想はしてたけど、実際目にするとイメージが作りやすい。
今日魔物が作っていた、火球や水球は魔力の塊だった。
だからこそミスリルの矛で断ち切って魔力を霧散させることが出来た訳だけど。
この世界は、魔力、いや違うかスキルを発動する時には魔力と言う感じでもないし、
何か別のエネルギー?力?魔力もそう言った何らかの力の一形態なんだろうけど、
ともかくそう言ったこの世界を覆っている不思議なエネルギー、力を利用して、
現象を活性化させてるんじゃないかなぁ。
火魔法にしても、燃焼と言う現象を魔力と言うエネルギーを変換することで引き起こしているし、水魔法にしても空気中にある水蒸気を濃縮し顕現させてるのかもしれない。
そこにないものを顕現させる。
アイテムボックスみたいだな。
今いる空間の裏側からものを取り出してる感じか。
時間と言う物も操っているのだとすれば、アイテムボックス内に物を入れてると時間が止まっていたり、聖魔法の回復にしても時間の巻き戻り、あるいは超高速再生と考えると理解しやすいか。
時間が一定の流れ、一方向、一軸しかないと考えるのは間違っているのかもしれない。
時間軸、時間の方向を操作することが可能な世界。
それがこの世界なのか?
結局その日に、火魔法や水魔法の習得は出来なかったけど、寝る前にステイタスを確認すると、俺の固有スキルの学習のカッコの中が増えていた。
「分析」が加わってた。
認識、指導、分析と3つが加わって、この先どう変化するんだろう。
さらに検討したかったけど、眠かったのでそのまま眠った。
隣ではすでにリリアナが可愛い寝顔を見せて寝ている。
今日も温泉に入って満足したようだ。
その後1週間程かけて、地下14階のゴーレムシリーズを撃破・探索終了し、更には地下15階のゴーレムを含めた巨人系魔物を撃破しながら、今やっとボス部屋の前にいる。
「さて、準備はいいかな?ここまでの流れたから行けば、ボスも巨人系だと思う。リリアナは防御メインでね。複数体の場合もあるけど、その時も攻撃より防御で時間を稼いでて。」
「はい。ジュン様もご無理なさらず。」
転移したボス部屋は、直径50m、高さ20mぐらいありそうな大きなドームだった。
中央部には小山かと思うほどの一つ目の巨人がじっとこっちを見ていた。
上半身は裸だけど、下半身は腰巻みたいな革鎧を着けている。
右手には巨大な両刃の斧、左手には半径1m以上もある丸い金属の盾を持っている。
10mはあるんじゃないかと思われるやつに、俺の槍でどこまで戦えるかは不明だけどまあ頑張るしかないか。
「ジュン様、私は足だけを狙って行きます。ジュン様は頭と胸の方を。」
「無理はしないようにね。ダメージを受けたら早めに回復薬を飲むように。」
俺はミスリル槍に魔力を流し、身体強化を使って一気に距離を詰めてボスに襲いかかった。
一つ目ボスは巨人の癖に俊敏な動きを見せる。
俺の槍をラウンドシールドで止めて、そのまま大斧を振り下ろす。
俺は、盾防御に来るのを見て、そのまま盾を足場にして跳躍、斧を振り下ろしたボスの頭上に出る。
その動きに合わせて、大斧を切りかえし連撃を打ち込もうとした俺に襲いかかる。
空中で魔物の頭に槍を刺し、そこを支点にして大斧の攻撃を躱す。
リリアナの攻撃を受けて、一瞬気がそれた隙を見逃さず、再度、連撃を打ち込む。
俺ごと弾き飛ばすように左手のラウンドシールドを振って来る。
槍での連撃を諦めて、至近距離からアイテムボックスから取り出した鋼鉄槍を一つ目に向けて投擲。
「グギャーアアアアー」
ボスの大咆哮がドームに響く。
右手の剣を滅茶苦茶に振りまわし、両足も無茶苦茶に動かしてる。
深く刺さっているのか刺さった槍を抜こうとはしない。
出血量が少なくって来ている。
もしかして自然治癒能力とか、回復魔法が使えるとかないよなー。
動きが読めなかったので、俺もリリアナも一旦ボスから間合いを取っている。
と、槍を抜くつもりか、右手の斧を地面に突き刺す。
俺はその瞬間、跳躍し、右手で槍を抜こうとしているその上から、全力の連撃を打ち込む。
結局、魔物は目に鋼鉄槍を刺したまま、後ろにドッと倒れて絶命した。
アイテムボックスに収納する時にチェックすると、キュプロスという魔物だったようだ。
念のため硬度を確かめてみると、魔力を通したミスリル槍で十分に皮膚を貫通できたみたいだな。まあ皮自体は、相当な強度があるみたいだから、いい革鎧が出来そうだけど。




