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魔力感知

「おはようございます。」


迷宮前についた時に、前方から大きな声で挨拶された。


「ああ、おはようございます。今日もお願いします。で、今日は地下6階に行く予定だけど、大丈夫?」


「はい。私は戦えませんけど、問題ないです。」


「了解。それで料金はどうする?」


「えっと、地下6階からは一日銀貨2枚が相場なんですけど、私の場合あまりお役に立てませんし、昨日と同じで。」


「いや、規定通りで行こう。勿論、数を狩れたら昨日みたいに、追加の料金を出すから、頑張って案内をしてね。」


「はい。」


その後、一緒に地下5階の転移水晶まで飛ぶ。


「そう言えば、迷宮ってどこまで探索が進んでるんだろう?」


「今は、地下16階です。でも地下16階からはなかなか進まないので、相当強力な魔物がいるんだと思います。」


「そっか、じゃあ、今多いのは、地下10階から15階なの?」


「えっと、迷宮に入っている数からいえば、ここ地下6階から、地下10階までが一番多いと思います。ポーターをしている人もこの階層で募集をかける人が多いです。地下7階に比較的安全なエリアがあるみたいなので、そこで野営する人が多いのも理由の一つですね、このエリアに人が多いのは。」


「そっか、野営か。大変そうだね。」


「迷宮の中なので、安全エリアと言っても、寝ている間の警戒は必要ですし。通常は数人の冒険者でパーティーを組んで警戒し合っているみたいです。あっ、前方に魔物です。1体ですね。初めての魔物です。」


「了解。」


俺は昨夜、結構狩ってるけどね。


取り敢えず、先に進んで、棒手裏剣で動きを止めて、槍で止めを刺して行く。

ルリは初めてなのに、核を的確に取り出して行く。


「初めてだけど、よくわかるね、核の位置。」


「あーそれは探知と同じで強く感じる場所があるんです。」


「強く感じる場所?」


「実際の魔物の種類とか数は、音と匂いを使って判別してますけど、魔物のいる方向とか、下に降りる通路なんかも、核を感じるのと同じように、強い力みたいなものを感じるんです。あージュンさんの力の方が強いんですけどね。今は慣れて感じなくなってますけど。」


「えっ?俺からも力みたいなのが出ているの?」


「ジュンさんだけじゃなく、皆から出てますよ。」


「そうなんだ、自分では気が付かないな。」


「私も、死んじゃった友達に教えて貰うまでは全然感じなかったんですけどね。その子探知スキルを持ってたので、そう言うのに敏感だったみたいです。」


「具体的にどうやって、感じれるようになったの?」


「えっ?あー、私が教えて貰ったのは、まず自分の周りの力、膜みたいなそう言うのを感じる訓練ですね。まあ実際は難しくて掴めませんけど。でもそれを続けてると、何となくですけど、力の大きさって言うか、そう言うのを感じれるようになったんです。今は、それと、元々の自分の能力を合わせて探知してますけどね。」


そんな会話をしながらも探索は順調に進み、地下7階への通路を見つけてそのまま下に降りた。

確か、ここは迷宮の中のはず。

しかし、地下7階に降りた先に広がっていたのは森だ。

しかも迷宮全体が明るい。

空や太陽は見えないけど、外の様に明るい。

俺はびっくりして、少し景色を眺めて茫然としたけど、ルリは普通にしている。

えっ?

これって普通なの?

当たり前?

常識なの?

幸い、探索をするためにルリは先導する形で歩いているので、俺がしばらく茫然としたのには気付かれてないと思う。

少し俺が遅れたのを何かあったのかと振り返って見てたけど、俺が何でもない風を装って歩き出したのでそのまま先導していった。


「この先はどうしますか?魔物は森の中がおおいですね。ただ、冒険者だと思いますけど人が集まっている場所があります。」


「先にそのセーフティーゾーンって言うところに行ってみようか。」


「解りました。では先にそちらに行きます。」


30分程歩くと、視界が開けて、小さな川が流れている草原みたいな場所に出た。

人が集まっているのは、その川の周辺みたいだ。

ざっと見た感じ、30ぐらいのテントが張られている。

テントの周囲には10人近くの人がいた。

冒険者が2人に後はポーターっぽい。


「こんにちは。」


「おう、見ない顔だが。」


「あーはい。先日王都から来ました。」


「ほーそうなのか。来てすぐに此処まで来れたんなら相当強いんだろうな。しかも単独か?そっちの一人はポーターだろう?」


「はい、ソロですね。彼女は今回契約したポーターです。」


「野営の準備をしてないってことは、今回は様子見か?」


「ええ、そんなところです。皆さんはこちらに長く留まっているんですか?」


「まあな。上に戻ってもやることないしな。まあ酒が好きなやつじゃなければ、上よりこっちの方が過ごしやすいしな。」


「この辺りは安全なんですか?」


「他と比べればな。森からは滅多に魔物はでてこないし。あいつら木に擬態するしか能がねえからな。こっちに出てくれば返り討ちよ。まあ時々厄介な魔物が土の下から出てくるけど、滅多にないし、それに川の周囲ならやつの不意打ちを食らうこともないしな。定期的に地上から食料を運んで来れば、割と便利だぞ。おらたち以外にも14パーティーはここで野営してる。」


「そうなんですね。こう言った場所と言うのは迷宮内にたくさんあるんでしょうか?」


「どうだろうな。おらが知ってるのは13階にもあるって話だけど、あっちはそこに行くまでが大変だし、魔物を狩るのも大変だしな。」


「13階ですか。随分先ですね。」


「まあ11階から下は、最低でも全員がBランク以上のパーティーじゃないと攻略できねえしな。まあそんなやつなら、迷宮内で過ごすより、街で過ごした方がいい生活できるからな。結局13階のセーフティーゾーンを使ってるやつはいないと思うぜ。」


「わかりました。いろいろありがとうございました。その内、お世話になるかもしれません。取り敢えず、今日は周辺を少し見てから戻りたいと思います。」


その場を離れて森へ向かっている時に、ルリが話しかけてきた。


「ジュンさん、こちらで野営をする予定ですか?」


「うーん、余程のことがない限りパスかなー。あまりいい感じじゃなかったしね。」


ルリも気付いた筈だ。あそこにいた内の数名は、多分、性奴隷という人たちだと思う。

それが個人としてあそこに留まっているのか、あのキャンプで娼館みたいな感じで強制的に過ごしているのか解らないけど、あまりいい雰囲気ではなかった。

まあ、迷宮内で自分達の責任で行ってることだし、俺がとやかく言うことでもないだろうけど、あまりかかわり合いになりたくないなって感じた。


「そうですか。あのもし、ジュンさんが迷宮で野営をしながら探索する様な事があれば、私も一緒に連れて行って下さい。多少、料理や野営に役立つ心得はありますので。」


「あーそうだね。その時はお願いするかも。まあ今は日帰りで十分だけどね。まずは俺自身に合った階層まで進みたいと思ってる。今回迷宮探索に来たのは鍛錬の為だからね。」


「ジュンさん、こんなに強いのに、さらに強さを求めるんですね。凄いです。」


「そうかなー。自分の限界と言うか、自分の能力を精いっぱい発揮したいって思うのは皆持ってるんじゃないかなぁ。」


「まあ、そうですね。前方に魔物の反応です。あの木の辺りなんですけど。」


「ありがとう、おそらくあれが擬態した魔物だと思う。」


そう言って一気に距離を詰め、一気に突いた。

ドカッ

後ろの木ごと折れてしまったけど、木に張り付くように魔物がいた。

アイテムボックスに収納しながら情報をチェックすると、トレントというLV13の魔物だ。


「この森の中結構、同じ気配があります。」


「じゃあ、ルリは指示していって、俺がどんどん突き刺す。行く方向は、下の階ね。」


そこから、トレントを倒しながら、時々ポイズンスネークや、きのこのお化けみたいなマッシュプーと言う魔物を倒しながら先に進む。

下に降りる通路は、森の途中にあった崖の裂け目みたいな場所から入った先だった。

これは俺一人なら見つけられずに、森の中をぐるぐる回ってたな。


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