迷宮探索初日終了
そこからさらに1時間ほどすると、地下3階への通路が見つかった。
「私もここから下は初めてなので、魔物の種類の判別は難しくなるかもしれません。」
「問題ないよ。取り敢えず、数と方向を教えて貰いだけでありがたいかな。」
地下3階には、ここまで出てきた魔物にジャイアントアントという巨大ありが加わって、ほとんど3体以上の集団でエンカウントだ。
ジャイアントアントは甲殻が固いみたいで撲殺は無理そうなので、首を刎ねることにした。
甲殻の背の部分は素材として売れるそうだ。その場で解体をしてくれた。1枚2枚なら問題ないだろうけど、俺がどんどん屠って行くので、最後は涙目になっていた。
可哀想なので俺がアイテムボックスに収納してやったんだけど、そしたらポーターの意味がないとか言うので、核だけ持って歩いて貰うことにした。核だけでも相当な金額になるみたいだ。ボーナスでも渡してやろう。
そこから1時間ほどで無事に地下4階への通路を見つける。
実際の迷宮は周囲数キロに及ぶので、1階層だけ探索するだけでも1日では終わらないらしい。全てはルリの探知のお陰だ。
お昼を食べようってことになったけど、普段、食事は朝と夕の2回しか食べないそうだ。
「たくさんあるし、食べれそうなら、ルリも一緒にどうぞ。一人だけで食べても味気ないしね。」
そう言って、王都でたくさん買ってた、タコスと串焼きを出してやった。
串焼きは気に入ってくれたようだ。
俺が食べきる前に食べ終わってた。
もう一本食べるか聞いたら、即座に返事をしたので出してやった。
犬族だけに、この骨付き肉は気に入ったのかな。
果実水を渡して、十分に休んだ後、地下4階の探索を始めた。
「ジュンさん。数が多いです。どちらに進んでも5体の集団です。」
「相手の種類はわかる?」
「こっちがジャイアントアント。向こうがワイルドウルフです。」
「折角だし、両方倒しちゃおうか。先に来るのはアントの方?」
「えっ、はい、角を曲がったらすぐにいます。ワイルドウルフの方は、あっちの感知に掛らなければ余裕があります。」
それを聞いて、俺が走り出して、曲がった先で無双して、ルリが来た時には終わってた。
「剥ぎ取りは後でやろうか。先にウルフの方を処理ね。」
ジャイアントアントの死体を収納した後、ルリを俺の後ろに下げて、ワイルドウルフを迎え撃つ。
俺より後ろのルリの方が狙いやすいと思ったのか、俺を回避して後ろに行こうとするやつから、屠って行く。
5体ぐらいなら余裕だな。
そんなことを思ってたけど、後ろでルリが少し固まってる感じだ。
「ジュンさん、今ジュンさんの槍が見えなくなりましたけど、なにやったんですか?」
「普通に槍を振っただけだよ。まあこのぐらいなら問題なさそうだね。」
その後もルリの探索で魔物を屠り続け、2時間後にはボス部屋の前に立っていた。
「今日、ボス部屋まで来ると思ってなかったです。」
「まあルリの探知が完璧だったからね。それじゃあ、サクッと倒して、転移水晶に登録しようか。」
ボス部屋は、ボス部屋の前にある水晶に手を触れると転移するようになっているみたいだ。ここで一緒にボス部屋に入らないとルリは先に進めないし、当然ここから一人で入り口まで戻ることもできない。
結局俺と一緒にボス部屋への水晶を触ってボス対決。
5階のボスは、ブラックグリスリーだ。
一度対戦してるし、素材として大切な部分も解ってる、狙うのは首一択だな。
前回対した時より全然威圧感がない。
別の種類なのかって思ったけど、今は集中。
真っすぐに突っ込んで、やつが両手を振り下ろすタイミングで垂直に跳躍。
両腕を振りおろして無謀になっている首を狙って一閃。
ポーンと音がした感じで首が飛んで行った。
そのまま回収。ついでに飛んで行った頭も回収した。
ルリは後ろで固まったままだ。
「じゃあ、転移水晶に登録しようか。」
俺がそう言うとやっと我に返ったルリが、
「凄い、ジュンさんて、何者?」
予定より少し時間は早かったけど、無事に地上に戻って来た。
換金とかどこでやるのかいいか聞いたら、数が多いし冒険者ギルドがいいだろうってことになった。
素材とかも出すと悪目立ちしそうなので今日は核だけにした。
俺が冒険者カードを出して清算すると、金貨1枚と銀貨10枚になった。
「それじゃあ、ルリ今日の分ね。」
そう言ってルリに銀貨10枚を渡した。
「えっ?銀貨1枚の契約です。」
「まあ、ルリの案内のお陰で一気に地下5階まで行けたし、予想以上に魔物も狩れたからね。また明日も時間があれば、ポーターをお願い。」
「えっ、はい。私でよければ喜んで。と言うか、私必要ないんじゃないですか?」
「そんなことないよ。ルリの探索能力に随分助けられた。またお願いしたいかな。あっ、そう言えば、魔物の死体お肉として売るなら出すけど。」
「えっ、えっ、銀貨もこんなにたくさん頂いたのに。」
「死体の方は約束だしね。ゴブリンのやつでいい?ボアーもいる?」
「ボアーは銀貨1枚します。それじゃあ、ゴブリンを頂いていいですか?えっと、荷車借りてきます。」
そう言ってどこかに走って行って、戻って来た時には体格のいい少年と一緒に荷車を曳いてきた。
「えっと、運んでくれる人も一緒に連れてきました。ゴブリンをわけることで、荷車使って私の家まで運んでくれると言うので。」
「そうか。じゃあ、この上に出せばいいね。」
そう言って、今日、迷宮で倒したゴブリンをドンドン出してやった。あんまり出すと、処理も大変だろうし、10体だけね。
「こんなに?1体じゃないんですか?」
「多かった?持てないなら俺が持ってようか?」
「いえ大丈夫です。これ全部頂いていいんですか?」
「いいよ、処理が大変だろうけど。」
「いえ、皆でやればすぐです。ジュンさん、ありがとうございました。明日も入口の所でお待ちしてます。」
何度もお礼を言いながら去って行く、ルリ達を見送って、俺も宿に戻った。
そう言えば、骨付き肉気に入ってたなぁと思い出して、途中の露店で売っていた肉を大人買いしてしまった。
宿の夕食は、兎肉のステーキだった。
美味い、美味すぎる。
あのホーンラビットがこんなに美味くなるのか。
料理スキル鍛えようかなぁ。
夕食後、一人で、迷宮に潜った、地下5階に転送して、そのまま地下6階に降りる。
一見すると変わり映えしない迷宮だけど、流石に魔物の気配が濃い。
一人なので、昨夜と同じように、左曲がりで進んでみる。
最初にエンカウントしたのは、蜘蛛のお化けだ。
体長2mはある。
背中に8つの目玉がついてて、それがグルグル、キョロキョロ動いてる。
まあキモイ。
地上を歩いていたけど、糸を吐き、それを手繰って天井付近に進む。
立体的に動けるのは、ちょっと厄介かな。
俺がじっとしてると、シャーと音を出して俺に向けて糸を吐きやがった。
回避して、横から糸を切る。
割と弾力がある。
ベタベタしてないけど、巻きつけられなければ大丈夫か?
先端だけ粘着性の液でもついてるのかもしれない。
距離を取られると厄介だな。
遠隔攻撃できる武器か魔法の習得が必要かもしれないな。
今はこれしかないけど、ごめんなさい。
そう思いながら、アイテムボックスから鉄槍を出し、そのまま遠投。
蜘蛛の8つの目の真ん中に突き刺さり、そのまま絶命したようだ。
落ちてきた蜘蛛を鉄槍を抜いて回収。
情報によると、ワースパイダーというLV12の魔物だ。
まあレベル的には大したことないけど、今後の課題は見つかったな。
その後もワースパイダーや、ブラックバッドという蝙蝠に似た魔物を屠りながら情報収集した。まあLV12前後だし、複数で来ても対処できるかな。
迷宮から出て工房街の方に行ったけどほとんど閉まってたので、開いてた工房で、投げ武器になる様な物を探して、鉄製の棒手裏剣を10本買っておいた。使い捨てでもいいかな。10本で銀貨3枚だし。
その後、ちょっとだけまた迷宮に潜って手裏剣の練習をして戻ったら随分と遅い時間になっていた。
もう少しで宿の入り口も閉めるとことだったみたいだ。




