プロローグ
俺は、美空潤、26歳。職業自宅警備員。
大学は某有名国立大を卒業。
その後、某有名企業に就職。
俺なりに頑張った。
ひたすら女性上司の嫌味に耐え、
新人の穴埋めに奔走し、
同じ課の女子社員にいい人止まりよね。と陰口言われ、
それでも耐えてたら、ついにキモイとか言われて、
それでも頑張ってたら、上司の失敗の責任を押し付けられ、
流石の俺も気がついた。
あー人間なんて信じられねぇと。
その日、上司に辞表を提出して俺の社会人生活は終わった。
自宅警備員ではあるけど、ヒッキーではない。
従ってコンビニとかは平気で行く。
寧ろ好きかも。
コンビニって、人はいるけど、自由だ。
干渉されない。
好きな雑誌を読み、好きな物を買い。
店員とも何も言葉を交わさなくてもいい。
煩わしい人間関係から解放された、何と素晴らしい場所何だろう。
そう、俺は自由だー
とか心の中で叫んでたら、前から叫び声が聞こえた。
ん?
厄介事の予感。
しかし道は一本道。このまま進むしかない。
人が争ってるような。
「キャー」
声が出せるなら危険はないんじゃない?
前から大きな影が走って来る。
小脇に女性物のバッグを抱えてるけど、右手のそれは何?
ナイフ?
「おら、どけ。」
はいはいどきますとも、どうぞ逃げてって下さい。
って、
「えっ?」
「えっ?」
ドン
「キャー」
「君、大丈夫か?君。誰か救急車を。」
「俺は、やっちゃいねえ、そいつが俺の前にぶつかって来たんだ・・・」
何か声が聞き取りにくいな。
何が起きたか知りたいんだけど?
誰か教えてくれない?
あー何か寒くなってた。
今年は寒くなるの早いなー。
衣替えやんなきゃな。
衣装ケース、整理してなかったなぁ。
物を捨てられない性質だからなぁ。
今度、大きめのやつ買って来なきゃな。
あー、眠い。
その後意識が深い闇の中へ。