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物語とは

作者: 柳場六花









小説を読んだ時やドラマをテレビで見た時、マンガやアニメを見ることなどでも出来ることであるが、物語を読み解く事が出来るというのは、地球上で唯一人間にしかできない非常に有意義で感性に満ち溢れた素晴らしい体験であると僕は思う。


人生は一度しか歩む事ができない。そしてその人生をより良い物としたいと、人は思う物である。


その一生をより良い物にするため、人は(しばしば)人に教えを請う。

先達の教えという物は受け継がれてきた人生の攻略法だ。


自分より長く生きた人たち、自分より多くの事を成してきた人たち、自分とは別の道を歩んでいる人たち、その成功や失敗を事細やかに伝え、後続の生きる糧となる。物語とは、そういった一つの側面を見せる物であると僕は思っている。


それはフィクション、ノンフィクションに限らない。物語の書き手、その人物の人生の一端はその物語に滲み出てくる。それが言える点で事実であれ妄想であれ、それはまたその物語を読み解く者の人生に何かしらの、ほんの少しでも何かの波紋を、その無意識の海に残すであろう。

いつか嵐となる蝶の軽やかな羽ばたきになるだろう。




まぁそんな大袈裟な話でも無いが、逆に言えばそれは、物語という物は、人生を楽しみやすくするために存在しているのかもしれない。人生を楽しむために存在しているのかもしれない。


人が生きるために絶対に必要な物ではないかもしれない。食べ物や住む場所、着る物、それこそ衣食住、これらさえあれば生きていくことはできるかもしれない。だが、人が人らしく、社会を作り上げ、隣人と言葉を交わし、そしてより楽しく、かつ楽に、暮らしていく為には絶対に不可欠な存在であったと断言できる。


僕はそんな物語が好きだ。ただ楽しい、だけでもいい。ただそれだけで何かが伝わってきたと、いちいち感じる必要も無い。捉え方は十人十色だ。物語なんて好きに解釈したらいい。自分の都合のいいようにしたらいい。ある意味で自分本位だが、また全てはそれを書き上げた人物が握っているのかもしれない。

だがそれでいい。

他人に縛られているかもしれない。

何かに利用されているかもしれない。

政治のプロパガンダにされているかもしれない。

新興宗教の洗脳が始まっているかもしれない。


ただそれは自分の能力が足りていない証拠だ。

物語を読むことは、他人の意見を全てそのまま一度自分で飲み下すことだ。飲み下した後考えればいい。不味ければ吐けばいいし、腐っていれば腹が痛くなればいい。食べ物ならその中身に全て左右されるが、読み物ならそれら全てを読んだ自分が手綱を握れるのだ。

学校で先生の教えに反抗してもいい。

親に言われた事を何一つ聞かなくたっていい。

会社の上司に何を言われたって次の日に辞表を叩きつけたっていい。

それらは自由だ。だからこそ自分で考える。

考えた結果どうするかは自由だ。碌に考えもしないで行動するのも自由だ。


物語もその一つであり、どう受け止めるかは完全に自由の領域だ。

そのため、受け止め方を自分で深く突き詰めなければならない。

確実に其処に自分という物語を作る鍵が在るのだ。

自分だけの物語を作り出す為のエキスが配合されているのだ。




物語とは人生なのかもしれない。

いや、ある意味で物語とは人生の一つであるはずだ。誰かの人生の何かであるはずだ。

その誰かが言いたかった何かが、物語からは読み取れるのだ。

正確には伝わらない事のほうが多い。

誰もわかってくれないかもしれない。

否誰かはわかるはずだと思っていたかもしれない。




そういうものを感じられる物語が、僕は好きだ。

物語を読み、感じ、考え、行う。

これが地球上で人間にのみ許されている最大の娯楽であると僕は信じている。

一度しかない人生の、砂漠の中にあるオアシスの如き潤いであると思っている。

十分に満足することはできないかもしれないが、そうする為に人はその人生で足掻くのだ。

たった一度の人生にとって、どれ程それが大きな存在であろうか。どれ程僕は助けられてきただろうか。どれ程あなたは頼りにしてきただろうか。どれ程人間が救われたのか。












関係無い話だが、例えば




















その人生が途中で大きく変わってしまうことがあれば、(あなた)は何を………だろうか?






続く

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