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しるし2(詩集)

みどりの雨

作者: さゆみ

では、ご要望通りここに雨を叩きつけよう。

言葉は呼吸をしないまま吐き捨てられた。

黒い雨、まるで、嘲笑うように、滅ぼすように

痛め傷め、個体を溶かしてゆく。

憎しみを持つのがお好きですか?

いいえ、哀しみの方が好きです。

憎しみは癒えてゆくはずです。

自分の意志で

復活を許さないと誓い

私には容易いことです。

ただ、哀しみだけは癒したくないのです。

喪ってはいけないのです。

優しさも慈しみもそこから生まれるはずなのですから。


はて、黒い雨は止んでしまいました。

私が止めと望んだからでしょう。

叫びです! 叫びです!

考えることは許されない。

ここにはそんなものはありえない。

命がけの雄叫びに猶予はないのです。

あなたはあなた。

私は私。

しかし、みどりの雨を降らせたいと私が思い立ったとき

みどりの雨を降らせたいと私が思い立ったとき

私は深呼吸を覚えるでしょう。





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― 新着の感想 ―
[一言]  出がけの時、雨が降ると気分が陰鬱になりますし、屋内で雨を見ると草花が癒やされているように見えます。  言葉も、受け取る側の気分で同じ言葉でもその時は腹立たしく思っても、時間がたつと、心の原…
[一言] 拝読致しました。 黒い雨で連想するのは井伏鱒二ですが、詩全体に漂う退廃的で幻想的な雰囲気は、我が群馬県が誇る詩人である萩原朔太郎を彷彿させる気がします。みどりの雨という言葉は衝撃的でした。黒…
[一言] 拝読いたしました。 なかなか玄人じみてきましたね。 どちらかというと、歌詞のような印象を受けました。 丁寧な言葉選びと構成が奥深い世界を作り出していますね。 みどりの雨がなんなのか想像する…
2014/04/30 23:49 退会済み
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