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プロローグ
太陽が眩しい。
まだ名前の無い少女は、その光を満遍なく吸いこんでいた。
彼女は、時に降る雨の恵みを受け取り、
また時に吹く強い風を根を張って受けとめたりした。
彼女は一週間ほどそのような生活を続けていた。
また今日も光を受け取ろうと身体を伸ばすと、その光が影によって遮られる。
その影は、音を発した。
…ノ、……ハ…
リー……よ…
…………らい、……るから…
…ってて、ね……
…誰かは彼女にそう話しかけた。
途切れ途切れで何を言っていたのか分からないが、とても優しい、優しい音色だった…
そしてその3ヶ月後。
彼女は突然、‘目’を覚ます事になる。
今までと違った、一変した生活が始まる事を、彼女はまだ知る由もない…。
※不定期で連載。
長編小説になる予定です。