表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の雫  作者: まひる
第四章
90/182

4−12

第四章 支部団長

12


「そんなにワシに会いたかったのか、ナオ。話しは全て聞いていたぞ。」


 腕を組み、言い逃れの出来ない威圧感を振り撒くオウギ


「全てって…どこら辺からですか?」


「そうだな。キョウが団員七人に短剣を向けられているところからだ。銀狼があまりに落ち着きがなくなるので、仕方なく京の後を追ったのだがな。」


 一人で頷きながらも、ヒビキの頭を撫でる。つまりはほぼ初めから見ていたのだ。


 いたのなら顔を出せ、熊がっ。そうすれば…いや、ボコるのを止めたかどうかは保証出来ないがな。


 胸中で呟くが、京の無表情からは誰も感情を読み取れない。唯一響だけは、歩み寄って静かに手を頬の傷に伸ばしてきた。


「大丈夫だ、響。舐めときゃ治る。」


 それくらい小さな傷だと言いたかったのだが、響は何を思ったのか京の衿元をぐいっと下に引っ張る。そして必然的に近付いた傷口をペロリと舐めたのだ。


「っ!」


「なっ?!」


「っ?」


 三者それぞれの驚きを見せたが、一番の変化は京である。片手で己の顔を隠してはいるが、傍から見ても分かる程に赤面していた。


「いやぁ、面白いものを見ちゃったねぇ。京ってば、案外むっつり助平さん?あ、むっつりさんなのは皆も知ってるか。」


 からかう尚。


「ふむ。ワシの知らない二人の世界なのだな。ん?どうした、銀狼。おぉ、黒板か。」


 感心する扇の裾を引っ張って主張した響は、扇に渡していたテントを出る時に持っていた黒板を手にする。


『今、薬草がないから舐めてやった』


 京の言葉を言葉通りに受け取った響だ。


『京は助平なのか?』


「ぶっ!アハハハハ、面白いね君!」


 次に綴られた文字に尚が反応する。腹を抱えて笑い転げ、バンバンと力任せに隣にいた京の背中を叩いた。


「煩いぞ、尚。黙れ。」


 ムッとしながら睨みつけるが、全く効果がない。扇は砂の大陸文字を読めないのか反応がなかった。


「もぅ、京ったらぁ。本当に自覚ないのかねぇ?彼に接する態度と全く違うのにぃ。」


「何がだ。」


「だからぁ、この魔導師君に向ける目はスッゴく優しいの。無表情の割に、目は感情だだ漏れだよねぇ。京ってば、助平さん。」


「…ほっとけ。」


 からかう尚の言葉に、少しは思い当たる部分がある。言い返す事も出来ず、京はプイッと顔を背けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ