表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
星の雫  作者: まひる
第二章
PR
49/182

2−24

第二章 戦い

24


「ごめん、悪かった。」


 俯いたヒビキの頭に軽く手を乗せ、キョウの方が先に謝罪する。


「…ごめん…なさい。」


 風の音に消えそうなくらい小さい声で響も謝罪した。この弱肉強食の世界では、例え仲間でも強い者が勝つ。


 今の響と京の関係は一方的に京がついてまわっているだけなのだ。目的が金だろうが身体だろうが、すぐに破綻しかねない淡い関係である。


「ん。じゃあ、この話はおしまい。で、次は何処へ行くんだ?」


「…マルゴタの町…。」


「了解だ。響は前を見なくて酔わないか?」


「…前を向く…。」


 既に気持ちを入れ替えた京と違い、響は真っ直ぐ京の目を見れずに俯いていた。指摘されてヨウヤく京に背を向けるように座り直すが、居心地の悪さは変わらない。


「っ?」


「寒いだろ。こうしていれば少しは温かい。」


「…ん。」


 緊張を寒がっていると勘違いしたのか、後ろから京に抱きしめられた。反射的に身体がビクッと跳ねるが、背中から伝わる温かさに響は小さく頷く。


 そのまま二人を乗せた六脚の毛むくじゃら爬虫類は、京の操作で次の目的地マルゴタへ向かうのだった。




 ズゥゥゥン。腹部に振動が伝わる程の音に、ウトウトとしていた意識が呼び戻される。


「…何…?」


「おはよう、響。どうした?」


 いつものように京が背後から声をかけてきた。抱きしめられた状態なので、振り返り様に見上げてみるが表情に変化はない。


「音が聞こえたんだけど…。」


「音?」


「あぁ、重い…地響きみたいな。」


 首を傾げる京は、響の感じた音を聞いていないようだ。


「…また…。」


 気のせいかと思ったが、再び感じた音に辺りを見回す。そして見えた。地平線の彼方に立ち上る雪煙りが、何故かコチラに近付いて来る。


「響は耳が良いんだな。」


 京も目視で確認するが、相変わらず音は聞こえていなかった。


 けどあれはマズい。雪山椒魚は魔力を餌としているはずだ。しかもやたら巨大…、逃げられるか?


 サラサの縄を強く弾きスピードを上げる。


 向かって来る魔物は雪鯨とも呼ばれる、優に体長20メートルを越す巨大山椒魚。魔力を食うと言われる程、魔導師ばかりを丸呑みにする狂暴な魔物だ。この雪の大陸にしか生息していない。


「…追い掛けて来てるぜ?」


「そうだな。あれは雪山椒魚。魔力が大好物で、旅行く魔導師を丸呑みするのが好きらしい。ちなみにあれでも、食べると美味い。」


「食べ…そんな情報はいらん!つか、もしかしなくても狙われてるのってオレじゃん?」


「そうだな。」


 焦りつつ振り返る響に、いとも簡単に答える京だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
このランキングタグは表示できません。
ランキングタグに使用できない文字列が含まれるため、非表示にしています。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ