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星の雫  作者: まひる
第一章
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1−4+《Ⅰ》

第一章 出会い


「…一度死ななきゃ分からんみたいだなぁ?」


 ギラリと鋭い眼差しを向けるが、キョウは全く堪えていない。


「死んだら分からないし。それに男とか女とか関係ないじゃないか。好きな者同士が結婚出来るって法律もある。」


「うるせー、うるせーっ!誰が男と結婚するかっ!」


「じゃあ、俺が女なら良い?ってか、名前教えて。」


ヒビキ…って、お前みたいな馬鹿デカイのがどうやったら女に見えるんだっ!」


「あ、それもそうか。ん?」


 ふと気付く周囲。ギャラリーが大勢で取り囲み、黒マント響と大男京のコントの様な言い合いを見物していた。そしていつの間にか先程の男達はいない。


「あーっ、お前のせいでアイツ等逃がしちまったじゃねーかっ!どーしてくれんだよ、ってか放せ!」


「そうだね。んじゃとりあえず、医者かな。」


「ぅわっ?ボケ、下ろせっ!」


「どうも、お騒がせしました。」


 暴れる響を軽々肩に担ぎ見物人達に頭を下げると、背中をボカボカ叩かれつつも酒場の前を立ち去っていく京。


「ボケがっ、下ろせって言ってんだろーがっ!」


「余り暴れない方が良いよ。頭から血が出てるし。」


 背中越しに騒ぎ立てる響は、苛立ちの余り忘れていた。


 京の背中を叩いていた手を止め、自らの後頭部に触れる。ヌルリとした感触にその手を見て数秒、その後気を失った。


「あれ?静かになった。響?」


 呼んでも返答がない為、肩から下ろしてみる。響に意識がない事に京が酷く驚いたのは言うまでもなかった。


《Ⅰ》



「う〜っ…、ボケがっ!…ん?…何処だ、ここ。」


 半ばうなされつつも意識を取り戻した響。見慣れない天井と知らない臭いに驚いて起き上がる。


「っく〜…、痛い…。」


 頭部の激痛に前屈みになって堪えていると、ガチャリと扉が開いた。


「気付いたのか。でもまだ横になっていた方が良い。」


 京は持っていた水の入った桶を近くの机に置くと、静かに響の身体を支えながら横たわらせる。頭の痛みで思考が回らない響は、ジッと京を見ていた。


「どうした?痛いのか?」


 大きな身体を丸め、小首を傾げて問い掛けてくる。確かに痛いかと問われれば痛いので、響は小さく頷いてみた。

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