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星の雫  作者: まひる
第一章
21/182

 1−21

少しエグい表現あります。

第一章 出会い

21


 だが外からは返答一つない。


「クソ、何し…っ!!」


 バキバキッ!!!


 男の声が掻き消された。隠れ家にしていた小屋の壁が吹き飛ぶ。いや、叩き潰された。


「…な…っ?」


 現れた人影に愕然とする。暴漢達の目の前に立つ人物は、出来れば会いたくなかった。


「…お前等…、ヒビキに何してんだ?」


 刃渡り1メートルはあるかと見える大きな剣を肩に担ぎ、鬼のような形相で半壊の室内を睨みつける。


「お、お前には関係ないだろっ!」


「…そうだな。俺にはお前等の事なんか関係ないよな。」


 感情なくボソリとキョウが呟いた瞬間、大振りの剣が宙を舞った。三人の暴漢達が吹き飛ぶ。同時に崩壊する建物。




「…響…?」


 固く閉じていた瞼に触れられた。


「…ぉ…前…。」


 いつの間にか口の中に押し込まれた布が取り除かれ、聞き取りにくい掠れた声が出る。


「ほら、水だ。」


「…ん…、あり…がと…。」


 抱き起こされて水を口にした。少しだけ声が出せるようになり、小さく礼を言う。


「…心配した…、凄く…。」


 俯き、押し出すように吐き出された京の言葉。響はただ、抱き起こさたままの状態で聞いていた。


 どうなったのか分からない。暴漢達に襲われ、不意を突かれて捕まった。酷く暴力的で屈辱的な仕打ちを受けた気がする。


「…オレは…どうなった…?」


 京に問い掛けて良い内容かは分からなかったが、今はそのような事を考えられる心理状態ではなかった。


「…大丈夫だ。何もなかった。だからおやすみ。もう遅いから。」


 優しく告げられる。ボンヤリとした視界に、確かに夜のトバリが下りていた。


「…そう…か…。」


 温かく抱きしめられ、瞼が自然と重くなる。もう少しと思って目を開こうとしていたが、直ぐに安らかな寝息が聞こえ始めた。


「響…。俺は優しくはないんだ。」


 懺悔ザンゲするかのような独白。響を抱き上げた京の周囲は、崩れた家屋がある。そして赤黒い液体とまだ生暖かい破片。動くものは京だけだった。



 賑やかな声が聞こえる。デジャヴュかと思って、まだ夢の中なのだと一人で納得していた。


「…あ…れ…?…これ…夢じゃ…ないんだ…。」


 いつまでも覚める気配のない夢に、思い切って目を開けてみる。知らない、いや知った天井。知った匂いがそこにはあった。

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