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第一章 出会い
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「…何だよ。」
暴漢達を見送った後に振り返った京の視線、少したじろぎながらも響は問う。
「何故無茶をする。」
ソッと京に触れられ、頬の痛みに顔をしかめる響。
「うっせーな、借りを返したまでだろっ。…それに殺してないし。」
プイッと顔を逸らした。だがすぐに顎を捕まれ正面を向かされる。
どの国でも町の中で武器や魔法を使って人を危めたら死罪。だからこそ、響は魔法を操作して致命傷を避けたのだ。
「あんな奴等はどうだって良い。俺は響が傷付けられた事を言っている。何故無茶をする。」
真っ直ぐに向けられた黒い瞳は、再び視線を逸らす事を許さない。
「知るかっ。心配ならお前がちゃんとついて来れば良いだろ。オレは買い物してたら襲われただけだ。正当防衛だっ!」
響は負けじと言い返した。自分に非はない、被害者だと。
暫くそのまま互いに睨み合っていたが、京が大きな溜め息をつく事で終わった。
「分かった。これからは目を離さないようにする。」
顎を放されホッとしたのも束の間、その言葉に響が眉を寄せる。
「はぁ?何言ってんだよ。お前、ふざけてんのか?」
「ふざけていない。心配ならお前がちゃんとついて来れば良いだろ、と響が言った。だから俺は目を離さないようにする。」
売り言葉に買い言葉。だが京は至って真面目に答えていた。
「ふざけんなっ。オレにだって都合も予定もあるんだ。お前に周りをうろつかれたら迷惑だっ!」
「うろつきはしない。共に行動すると言った。」
「だからそれが迷惑だって言ってんだよっ!オレは流れの魔導師だ。この町にだって長くはいないっ。」
「旅になら俺も行く。」
まくし立てる響に動じる事なく、真っ直ぐな瞳。
「な…、何でだよ…っ。昨夜会ったばかりの、しかも迷惑かけてばかりのオレに…どうしてそこまで言えるんだよっ!」
「理由?言ったはずだが。俺は響が欲しい。身体も心も。」
小首を傾げる京は、おかしいのは響の方だと言わんばかり。
「はぁ?ふざけんなっ。馬鹿変態ボケ!」
自分自身の少しだけ揺らいだ気持ちにも罵声を浴びせ、足音荒く立ち去る響だった。




