表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
導くもの  作者: アカリ
始まりはお城から
1/23

*1 帝都

 「いいかいティーナ、私が死んだら、帝都を尋ねるんだよ、この手紙を持って。」


 

 おばあちゃんの言いつけを守って……帝都に着きました。



 「……私はいったい何の職に就くことになるのでしょう?」


 そのつぶやきは、誰にも拾われませんでしたが。




 導くもの (Uma pessoa para conduzir *1)




 えーっと。自己紹介を。

 名前はアルベルティーナ・ギラルディーニ、祖母にはティーナと呼ばれていました。



 簡単に言っちゃいますと……前世の記憶があります。

 ていうか転生? ってやつでしょうか。

 「ニホン」という国で24年、暮らしていたのですが、ある日交通事故でぽろっと。

 ……ぽろっと、ておかしいです? まあ、あっけなくなくなってしまったようです。

 「あ、死んだな」と思って次に目を開けたら……私、赤ん坊でしたから。


 私、異世界トリップものとか、転生系のもの好きでしたから、

納得は早かったと我ながら思うわけです。


 それから3年くらいしたら(つまり私は3歳でしたが)、両親は祖母に私を託してどこかへ。

 祖母が私に、厳しい……そりゃあもう、24年生きてきた記憶からか、面倒くさいことが

大嫌い、人生適度に適当に、がモットーな私でもまじめに勉強せざるを得ないような……

厳しい、特訓でした……(遠い目)



 祖母は、あれですかね? 悪魔ですかね? 鬼、とかの間違えじゃないですかね?

 人間、というカテゴリーからははみ出ていません??

 まあそれは重要なことですが(私にとっては、ですが)おいておくとして。



 この世界はいわゆる「ファンタジー」の世界ですね。


 魔法、精霊、魔物、……悪魔は知らないんですけどいるんではないでしょうか。

 どんとこい! っていう感じです。



 祖母は「魔法使い」でして。祖母の血を受け継いだ私も「魔法使い」なわけでした。

 その特訓の成果として、火・水・風・土・光・闇、全属性に+αして

 そこからの派生属性の魔法。

 しっかりと使えるようになりました。

 そこはやっぱり転生をしてきた人としては、「魔法を使えるようになる」ていうのは

抑えておきたいポイントですよね??


 いや、ちょっとかじる程度にやるのかと思ったんですよ。かじる程度に。(ここ重要です。)

 ……まさか「ろうそくの火をマッチじゃなく魔法でつけたい!」位にしか

思っていなかったのに「炎をはなてば周りは焼け野原!火加減調節までばっちり!!」の

レベルまでやらされるとは思いませんでした。




 さて、元の話題に戻るとして。


 そんなこんなで3歳から14歳にいたる約10年間、祖母にお世話に(命の危険にさらされつつ)

なってきたわけですが、祖母が病気で亡くなってしまいまして。

 祖母いわく「書状によって仕事をもらえる」ということらしいのです。

 そこで私は村でのんびり暮らしていてもよかったのですが祖母のめいれ

……いえいえ祖母の言いつけを守って祖母がなくなる前に言っていた手紙をもって

帝都に旅立ったわけです。


 祖母は結構な魔法の使い手で、知識も豊富だったらしく村の人に才能のある人には

魔法を教え、時には医者として怪我や病気の治療をしつつ、

帝都から離れた村ですんでいました。



 そこから休憩をいれつつ4時間、てところですかね。帝都に着いたわけです。

 「結構近いのでは?」と思うかもしれませんが、これでも肉体強化と速度上昇、

空気抵抗の軽減に風の力を借りて、とやってきたわけです。






 ここでやっと冒頭からつながるわけです。



 「『クルス・ベナーリオ』さん、ですか……。」


 手紙を渡す相手の名前、まったく聞き覚えがないですね……。

 どこにいらっしゃる人なんでしょう? ……それくらい言っておいてくれれば……

 すみませんすみませんおばあさま、だから呪わないでください。


 しょうがない。ご飯を食べつつ情報収集、といきますか。 





 「すみませーん。Aセットでお願いします。」

 「まいどっ、とお嬢ちゃん……であってるかい? なんでそんなフードかぶってるんだい??」 

 「あ、気にしないでいただけるとありがたいです。」


 ……さすがに声で女だってことはばれるか。



 今私は白いマント……というか膝丈までの外套についているフードを目元深くまで

かぶった状態です。

 いや、これで目立つのは十分わかるのですが。

 この世界、というか私が見てきた範囲では、私の外見の特徴、黒い髪と天鵞絨(びろうど)色の目、

ていう人見たことないんですよねー。


 髪の色として多いのは茶色(というより焦茶、ですかね?)、

 目の色として多いのは葡萄色(えびいろ)だ。




 この世界では「目の色」っていうのが魔法の適正に影響するところがあるらしく

(私も祖母に聞いただけであまりわかりませんが)、一般的に「目の色=魔法の属性」である。


 私も天鵞絨色の目から一番得意とするのは風と闇、だ。

 ……え? 2つあるのはおかしい? まあ、だけど事実ですから。

 葡萄色の目だと火や土が得意そうに私には見えるのだけど……

祖母いわく火が得意な人の目はもっと燃えるように赤く、

土を得意としている人はもっと穏やかな土の色をしているそうだ。


 帝都でその実例を見れたらいいと思っているのだけれど。


 目の色にでる、とか困っちゃいますよね、地味に生きていきたいのに。

 魔法で変えることもできますが、悪いことしたわけでもないのに変える、までしなくても、

と自分では思うので。


 そういうわけで何かあったときにその特徴で覚えられるのも困りますし、

顔に何か他人としては覚えやすいな特徴も会ったらいやですから。


 「白いマントの変な女」て印象だったらまあいいか。


ということでこの格好で帝都の中を歩いているわけです。




 「おまちどーさまでーす。Aセットです。」

 「ありがとうございます。

  ……すみませんが『クルス・ベナーリオ』という名前に聞き覚えは?」

 「あんた、魔術師(マーゴ)かい! 一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラクラスさんに用かい?」

 「はい。どこに行けば会えるかわかりますか?」


 おじさんに驚かれる。そっか、あんまり魔法使える人って、いないんですね。

 『一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラクラス』? 魔術師(マーゴ)=魔法使い、ですよね?

 クルスさんは魔法使い……というか魔法使いっていう呼び名じゃないのか。



 「そんなお偉いさんは城じゃないかねえ? 一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラクラス

  となるとやっぱ帝都研究所より城、だろう。」

 「そういうものですかね? 城、と言いますと……」


 祖母はあまり帝都については話してくれなかったので私には帝国の首都、王様がいる、

位の知識しかない。


 『帝都研究所』に『城』ねぇ。





 食事をした後、おじさんにお礼を言って『城』に向かう。


 『一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラ』さんはお偉いさんっと。

 おばあちゃんは結構な魔法の使い手だ、て言われてたけど……どこで知り合ったのだろうか??




 頭の中でもやもやと考えつつ、着きました、『城』。


 なんと言うか、中世ヨーロッパ?? この中に王様が住んでいるのだろうか?

 今回の目的は王様に会うことではないが、(元)ファンタジー大好き人間として、

見てみたい気もする。





 ……さて。正面から行って一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラ、『クルス・ベナーリオ』さんに会うまでに

どれくらいの時間がかかるのやら。



 「すみません、一級魔術師マーゴ・デ・プリメーラクルス・ベナーリオさんに会いにきました。」


 門番さん、通してください。



 

 気の向くまま、書きたいことを書いていきたいと思います。


 いろいろと至らない点があると思いますが、読んでいただけるとうれしいです。

 

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ