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頭のてっぺんから足の先まで、俺はお前の事で頭がいっぱいなんだよ!

作者: 七瀬






”頭のてっぺんから足の先まで、俺はお前の事で頭がいっぱいなんだよ!“





俺の人生の中でこんな事一度もなかったんだ!

こんなに命を懸けてでも好きな女性ひとが出来るなんて!?

俺は心底、”クズ男なのだろう。“

仕事はしたくはないけど、お金は欲しい!

ラクしてお金を稼ぐ方法はないかと日々考えているのだが、

そんな都合のいい方法なんてある訳がない!



・・・だから俺はお金を持ってそうな女の家に上がり込んで、

養ってもらうんだ。

別に好きで付き合ってる訳じゃない!

ラクして生活するにはこの方法しかないと分かったから。

女性ひとに養ってもらう代わりに俺はその女性ひとに尽くす。

家の掃除や洗濯、買い物もして彼女が仕事から帰って来るまでに、

お風呂を沸かし料理も作って待っているんだ。

だから彼女も俺に、”働かないの?“ とは聞かない。

もし聞いてきたら、”即、別れるけどな。“

俺に向かって仕事しろなんて、10年早んだよって言ってやる!

俺はそんな生活を、女をとっかえひっかえしながら過ごしていた。



でも最近知り合った彼女が今までの女性ひとと確実に何かが

違うと俺には分かってしまった。

俺の心は絶対に”女性に落ちない“と想っていたのに、、、。

この彼女に俺は簡単に【恋】に落ちてしまった。




『”ねえ? 仕事しないの?“』

『えぇ!? あぁ、仕事なら今探してるよ。』

『良かった、ヒモ男かと想ってたから、ちゃんと仕事できる人なら

安心したわ!』

『・・・あぁ、ううん、』

『”これからも私! 有英と長く付き合っていきたいと想ってるから。“』

『嬉しいよ。』

『だから早く安定した仕事に就いてね!』

『・・・そ、そうだね、分かった。』

『それまでは私が有英を支えて行くから!』

『・・・ううん、』





・・・今までの女なら、絶対に直ぐに別れていたと思う言葉も、

彼女が言うと? なんでか許してしまう。

俺は頭のてっぺんから足のつま先まで、お前の事で頭がいっぱいなんだよ!

だから本当に久しぶりに”仕事探しを本気で頑張ってみようかな“って思えた。

それは俺が彼女とこれからも一緒に居たいから!

俺は真剣に仕事探しを始めたのだけど、当たり前だがもう何十年も仕事

なんてした事がないから、そう簡単に見つかる訳もなく。

そもそもどうやったら仕事に就けるのかも俺には分からなかった。

取りあえず、俺と昔から仲が良い男友達に相談してみたのだが。




『”俺さ! ”本気で好きな女ができたんだよな~“』

『えぇ!? マジかよ!? 本気で女に惚れんなってあんなに

口が酸っぱくなるまで言っただろう、もうその女はやめろ!』

『俺、ちゃんと働くよ、彼女にもそう言われたし! ヒモ男は

もう卒業する!』

『お、お前な! そんなの今までまともに働いた事もないのに、

上手くいくはずがないだろう、もうそんな女はやめろ!』

『嫌だ! 俺が初めて好きになった女なんだぞ!』

『・・・有英、』

『話す相手、間違えたみたいだな! ごめん、もう行くわ。』

『有英、オレの話をちゃんと聞け! オレ達はもう普通の生活には

戻れないんだよ、ヒモ男が普通に働くなんて絶対に出来やしない!』

『・・・そ、そんなのやってみないと分からないじゃないか!』

『じゃあ、やってみるといい! オレが言った事が合ってると直ぐに

分かるはずだ!』

『・・・・・・』





俺は必死になって仕事探しを始めたのだが、なかなか仕事が見つからない!

でも運よく俺はコンビニの前で困っていたおじいちゃんを助けると?

おじいちゃんの息子が経営している仕事を紹介してもらう。

俺はそれから毎日、スーツを着て会社に行くようになった。

最初は研修から契約になり1年後には、”社員になるまでになった。“




『今日という日が私は一番幸せだよ。』

『俺も!』

『こんなに幸せな日はないわ。』

『今日で俺達、夫婦だな!』

『うん。』





無事に俺と彼女は”結婚式を挙げれたよ。“

俺も安定した仕事に就き、彼女と幸せになれる準備が終わり。

今はやっとふたりで幸せになる為に歩み始めた。

これからは彼女だけを見ていくつもりだ!

もう前みたいに、元に戻る気はない。

今日からは、真っ当な人生をふたりで歩んでいくと決めたんだからな!



最後まで読んでいただいてありがとうございます。

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