想像どおりの始まりなんだ
つまんないけど読んで欲しいんだ
さて
俺は今途方もない景色を前にして自我を失わないことだけ考えている
最後の記憶はなんだっけ?
ああそうだ、アウトドアが趣味の先輩の山で鹿を狩ったとかなんだとか
派手目の後輩が「すごーい」とか言ってて満更でも無さそうだったけど
この後狩られるのはどっちかなーとか思ってニヤ付きながら焼酎煽って…
あれ?
で、ここはどこなんだ?
冷静になりたい俺の目前に広がるのは学生時代に行ったG県以上の大森林で
とりあえず胃のムカムカを解消すべく大地にキャッシュバック
悪い夢なんだと信じたいけどこれでも目ぇ覚めないってことは
まさかまさかの異世界転生とかそういうやつ?
おかしいな、オンラインゲームで無双もしてねぇし乙女ゲーもやってねぇ
動物や子供助けてトラックに轢かれたりもしてねぇぞ
ただただ平々凡々とつまんねぇ印刷会社で営業やって
社会常識知らなそうなベテラン小学生みたいなやつらの相手して
出たかどうかも言われるまで気づかないようなボーナスもらって
偉そうなバカとしょーもないブスに囲まれた忘年会の最中だったと思うんだ
「いてぇ」
試しに自分ぶったたいたらちゃんと痛覚はあると認識
でも夢の中でも痛いもんは痛いから半信半g…
「〇△×!」
獣かな?というような奇声が俺の背後から聞こえたや否や
『危ない!』
とこれまた凛とした声が俺の目前から聞こえて...
ああ、もうみんなタイトルからわかってたんだろ?
某大手芸能事務所か変身特撮俳優くらい見栄えの良い、耳のながーい青年が
何故だか俺の腕に抱かれてる状況なんだ
『無事で良かった』
めんどくさいから割愛するけど緑色の小男を十数体なぎ倒したこのイケメンは
ラスボスっぽい大き目個体の攻撃をくらってもなお立ち上がって
見事勝ち残ったものの瀕死の状態というわけさ
で、さ
今充実した笑顔で息を引き取った俺の目の前に浮かんでるのがさ
NEW:食糧を入手しました
▷食べる
食糧庫にしまう
捨てる
というウインドウなわけなんだが
みんなならどうする?
悩んでるうちに死んじゃいそうな青年を前に変な性癖も目覚めそうなんだ
読んでくれて嬉しいんだ