表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/62

甲斐国とその周辺

依田信蕃「徳川様は京における此度の件。明智光秀の謀叛により織田信長様信忠様が斃れられた一連の出来事を受け、

『織田が武田の権益であった場所を維持する事は出来なくなる。』

と見ています。対象は甲斐信濃。そして上野の3ヶ国。事実南信濃に入られた毛利(長秀)様や春日殿の上司で川中島を任されていた森長可様はそれぞれの本貫地に戻られています。先程の話。上野における越後の国境全域を真田殿に委ねられた所を見ると、滝川様も帰りたいと考えられているのでは無いか?」

春日信達「滝川様は

『当地に留まる。』

と承っているが、真田殿はどのように見ていますか?」

真田昌幸「滝川様が京における政変を知ったのは私の話が最初であった。その情報は?」

春日信達「越後の上杉景勝から。内応の打診であった。」

依田信蕃「森様よりも……。」

春日信達「森様が知ったのと景勝が知ったのは、ほぼ同じであった可能性が高い。」

依田信蕃「森様よりも先に景勝が?」

春日信達「はい。川中島の状況を確認する必要があったのでありましょう。」

依田信蕃「そこで其方は?」

真田昌幸「私の所に連絡して来た。」

春日信達「真田殿の助言に助けられ、森様との関係を深める事が出来た。感謝している。」

真田昌幸「助けられたのはこちらの方だ。これが無かったら……。」


 上越国境の備えに着手する事は出来なかった。


真田昌幸「滝川様はここを離れる予定は無い。今も上野国厩橋城で政務を執られている。ところで……。」

依田信蕃「如何為されましたか?」

真田昌幸「先程其方。徳川様は、織田が維持する事が出来ない場所に甲斐国も含めていたが……。」

依田信蕃「はい。」

真田昌幸「先のいくさの結果、甲斐国内を束ねる事が出来る武田の旧臣は皆。誅殺されている。国を引っ繰り返すだけの組織立った抵抗をする事は不可能な状況にある。これに相違無いか?」

依田信蕃「ありません。」

真田昌幸「甲斐を管轄する河尻秀隆様が国を離れようとされている?」

依田信蕃「その情報は入っていません。」

真田昌幸「甲斐国の南に位置する駿河国は徳川様の権益で北の信濃国は織田。そして東の相模武蔵は徳川様同様織田と同盟関係にある北条(氏政)様が統治している。外から攻められる恐れは無い。」

依田信蕃「真田殿。」

真田昌幸「如何為された?」

依田信蕃「わかった上で話されていますよね?私の口から話させようとしていますよね?誰がどういう動きを見せようとしているのか?を。」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ