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侵攻

 深志城が上杉方になった事により、北以外からの敵も想定しなければならなくなった真田昌幸は砥石に帰城。西からの攻撃に備えたのでありました。その頃、川中島でも動きが……。長沼城。


伝令「申し上げます!上杉景勝!南に向け出陣!!」

依田信蕃「おぉ!ついにやって来たか!!」

春日信達「えっ!?敵が攻めて来たのでありますよ!」

依田信蕃「いやぁ。待ちくたびれておった。」

春日信達「相手は上杉でありますぞ。」

依田信蕃「これまで我らが相手をして来たのは誰であったか忘れたか?織田信長様であり、徳川家康様であった。其方も北条相手に後れを取った事は無かったであろう。」

春日信達「確かに。」

依田信蕃「それにここ川中島の方々は長年。其方の御父上と共に上杉といくさを繰り広げて来た。上杉と言っても景勝では無い。謙信だ。その当時に比べれば上杉は小勢。加えて武田の頃とは違い……。」


 兵糧、弾薬に不自由しない。


依田信蕃「後は馬場信春様が手入れをされたこの長沼城に恥をかかせぬよう戦うまでの事。」

春日信達「……うむ。」

依田信蕃「春日殿!」

春日信達「如何為されましたか?」

依田信蕃「城を守る上で必要不可欠な事は何であるか御存知ですか?」

春日信達「人を養うのに必要な兵糧に鉄砲を使う以上、無くてはならない弾薬。」

依田信蕃「他にもあるでしょう。これが無くて武田時代。我らは苦しめられたのでありますから。」


 後詰め。


依田信蕃「ここに春日様が居る事は私にとって心強い限りであります。しかしいくさは1日2日で終わるものではありません。半年になるかもしれませんし、年を跨ぐ恐れもあります。その間、兵糧と弾薬は確実に減っていく事になります。補給無くして城を維持する事は出来ませんし、後詰め無くして上杉に勝利を収める事は出来ません。」

春日信達「うむ。」

依田信蕃「城を守るだけでありましたら私共の手勢で対処する事は出来ます。ただ私は川中島の衆から見れば余所者。加えて川中島の国衆は一度上杉に切り崩されかけています。彼らを信用する事が出来ないと言っているわけではありません。ありませんが、正直な話。私は彼らの事を知りません。川中島で唯一知っている。気を置かなくても良い人物は春日殿。其方だけであります。私は其方を買っています。絶対に私を見捨てる事は無いと。」

春日信達「……ありがとうございます。」

依田信蕃「急ぎ海津にお戻り下さい。そして川中島の国衆の持つ経験を最大限に活用し、この危機を乗り切りましょう。」

春日信達「わかりました。依田殿も無理を為さらぬよう。何かあったらすぐ兵を出します。」

依田信蕃「お願いします。」

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