向背
自ら拵えた柵の前に進み出る滝川一益。これを挑発と判断し、川の手前で陣容を固める北条氏直。両者睨み合いが続く中、先に痺れを切らしたのは滝川一益。鉄砲による一斉射撃を合図に自らが先頭に立って突撃を開始。これを見た北条氏直は当初の予定通り負けたふりを。それも滝川に見破られぬよう戦う素振りを見せるべく兵を前進。両者は接近。いくさを回避する事はもはや不可能となった丁度その時。滝川陣営に異変が。
「我はこれより北条側に立ち申す!滝川を倒すのは今ぞ!!」
の大音声と共に滝川軍の背後目掛け突進を開始する2つの部隊が。1人は北条高広。そしてもう1人は……内藤昌月。
滝川隊の。それも丁度真後ろを守っていた北条高広と内藤昌月両隊の裏切を知った滝川一益は、北条との激突を回避し慌てて反転。この様子を見た北条氏直は……。
北条氏直「おぉ!我らの工作が功を奏した!敵はまだ柵の手前!隊も乱れておる!北条(高広)内藤を討たせてはならぬ!滝川を倒すのは今ぞ!!」
の檄を飛ばし、氏直自ら兵を率い逃げる滝川隊に向け突撃を敢行。追う北条に逃げる滝川。辛くも北条に追いつかれる前に柵の手前まで到着する事が出来た滝川隊でありましたが、その柵には北条高広と内藤昌月の姿が。後ろには北条氏直の大部隊が迫る中、滝川一益は血路を切り開くべく柵へと突進。滝川隊の大損害は確定した。誰もがそう思ったその時……。
滝川隊は、北条内藤両隊の間を素通り。いったい何が発生したのか?そんな疑問が渦巻くも、もはや立ち止まる事は出来ない北条氏直隊はそのまま突撃を継続。そこに待っていたのが、柵の中からによる一斉射撃。
戻って沼田城。
矢沢頼綱「藤田信吉は何故上杉景勝に靡いたと考える?」
真田昌幸「滝川様による支配を善しと思っていなかったからではありませんか?」
矢沢頼綱「間違ってはいないが、藤田が不満に思っているのは滝川様では無い。お前についてだ。」
真田昌幸「私でありますか!?何故であります?」
矢沢頼綱「滝川様は其方に沼田城を返却する事を決めたであろう?」
真田昌幸「はい。」
矢沢頼綱「その城。元々誰の物だ?藤田の居城であったであろう?」
真田昌幸「遡ればそうなります。」
矢沢頼綱「それをお前に引き渡した事に藤田は不満を覚えていた。そこに景勝が手を回して来た。」
真田昌幸「……。」
矢沢頼綱「『何年前の話しているのだ。織田に奪われたのは私の方だ。』
確かにその通りだな?」
真田昌幸「はい。」
矢沢頼綱「これに似た環境にある人物がここ上野国には2人居る。」




