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魔力と魔法

俺とサラは地下室から出る。


すると、サラはそのまま駆け出して家を飛び出してしまった。


「おい、どこに行くんだ!」


逃げられたかと思ったが、サラは家を出たところで立ち止まっていた。


サラは周りの景色をまるで珍しいもののように見渡している。

いや、彼女にとって外の世界は珍しいものだったのだろう。


「あ!すみません、急に飛び出してしまって…」

「本でしか外の世界を見たことがなくて、つい興奮してしまいました…」


「別にいい。初めて外に出るなら仕方ないところもある。」


「でも、たくさん本を読んでいたので初めて見るけどわかるものもたくさんあります!」

「というわけで、知りたいことがありましたら質問をどうぞ!」


さっそく俺はこの世界に来てからの最大の疑問をぶつける。


「魔法や魔力っていったいなんなんだ?俺の元いた世界にはそんなものなかったんだ。」


「ええっ!?魔法がない世界なんて考えられない…」


こちらからすれば魔法があるほうが意味がわからないのだが。


「では、まず魔力について教えます。」

「人間や動物、植物など生きるものには全て魔力が体の中を流れているのです。」

「魔力の量は人によって様々で、生まれつきほとんどない人もいるみたいです。」


「そして、魔力は手とかの体の一部から放出することができます。これが魔法です!」

「まあ私は痣のせいで放出できませんけど…」

「魔力は炎や水、雷や風などいろんなものに変換できます。」

「魔力をどんなものに変換するのが得意か、これもかなり個人差があります。」


「魔法と魔力については軽く説明するとこんな感じです!」


ざっくりとではあるが、理解することはできた。

そういえば、俺は異世界から来たけれど魔力はあるのだろうか。

もし普通の魔力がないとすれば、体を犠牲にしないと魔法が使えないということで、それは致命的すぎる。


「俺にも魔力があるか確かめたいんだが…」


「お任せください。私、魔紋の力で人の体内の魔力の流れを見ることができるのです。」


魔紋は魔法が使えなくなる代わりにかなり便利なようだ。


「ふむ…これは、かなり魔力がありますね…」

「と言っても、父と母しか人間を見たことがないのでどれぐらい多いのかはわかりませんが…」


少なくとも、魔法が使えないということはなさそうだ。


「しかし、魔力を出すための器官がほとんど育っていないので

 魔力を体外に出す練習をしないと魔法は使えないでしょうね。」


どうやら一筋縄ではいかないらしい。

まあ、これまで魔法なんて使ったこともないのだし当然ではあるのだが。


「私が練習に付き合おうにも、私はそもそも魔法を使えないので感覚もわかりませんし…」


「どこか、魔法を習えるところはないのか?」


「えーっと…この村から向こうの山を一つ越えたところに魔法学校があると本で見たことがあります。」


「…なら、俺はそこに行く。」

「ありがとう。少しの間だが助かった。」


俺は山に向かって歩き出す。

しかし、俺の服の裾を小さな手が引き留める。


「待って、私も一緒に連れて行ってください!」

「命の恩人なんですから、もっと手助けさせてください!」


なんだか思った以上に懐かれてしまったようだ。


「勝手にしろ…」


「ありがとうございます!」


俺は後ろにサラを引き連れて、空っぽの村に別れを告げた。



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