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生命を冒涜する錬禁術士?

____【???】____


私には考えても結論は出なかった。あーちゃんはそれ以降黙って私を膝枕し、頭を撫でてるだけ。悔やんでも悔やみきれないんだろう。私もその立場ならそうだと思うし。たかがゲームなのにと思うけど、あーちゃんはものすごく人間みたいな表情をするし、なにより感情があった。私には美少女を笑顔にすると言う使命があるのだ!聖クリスティ教会をぶっ壊す!まだ腑に落ちないところもあるけれどね。



「それでメルティちゃんはどうなったの?」

『おぉ、そうじゃったな。』



少し忘れてたみたい。私を撫でて和んでるんじゃないよ!全くもう!



『あやつは年端もいかない姫だったのじゃ。兄が二人いてのぉ、それそれは可愛くされてたもんじゃ。親は初めての女子(おなご)。王位継承とかもあったのじゃがそれは1番上の兄で決まっておっての。家族の仲はそれはそれは、とても睦まじいものじゃった。しかしそこに聖クリスティ教会が乗り込んできた。すぐさま抵抗をするがそれは無駄じゃった。相手は王都の精鋭に対し、のどかな国の騎士や魔道士。人間を相手にした事が無かったのじゃろう。すぐさま蹂躙された。王族は守るべきものだった。それほどまでによき王だったのじゃ。目の前で死にゆく騎士を。貴族を。国民を。弄ばれてたのじゃ。あるものは切った首を蹴られ、あるものは串刺しにされ...と。もはや蹂躙ではなく遊びに成り代わっていたのじゃ』



教会の騎士や神官が強いのはエルメスの街でなんとなく感じてたけど私はレベル1で向こうは2人がかりのレベル50の騎士から逃走できたのは気が緩んでいたのかな。私のも蹂躙から遊びに変わっていたんだろう。



『そして守る者が居なくなった王族は抵抗も虚しく皆弄ばれた。唯一幼かった姫を押さえつけ目の前で。じゃ。親と兄弟を殺され、その死体で遊ばれた。姫は何もできなかったのじゃ。大の男に押さえつけられ笑いながら自分の家族の死体を弄ばれる。悲しみ、苦しみ、憎しみ...と憎悪が膨れ上がるのは当然のことじゃろうて。しかし、あやつら騎士は死体は飽きたのかこんどは姫で遊び始めた。どこまでやれば人は死ぬのか、逆にどこが無くても生きていられるのかと解体ショーをし始めた。やつらにはそれが面白かったのじゃろう...指を落とされ...腕を斬らて...脚を...と散々弄ばれながら息を引き取ったんじゃ...』



メルティちゃん...あんなに可愛かったのに...クソ教会め!!!殺すね!!もうね容赦しない。私の怒りが有頂天ですよ!!!



『そして...メルティは思念が人一倍強かったのじゃ。故にワシが肉体を与えた。加護を与えた。知識を与えた。それが不死とそれに準ずる魔法じゃ。聖クリスティ教会は聖属性、光属性には強いが反対の闇、死霊、不死には滅法弱い。しかしこれは逆もまた然り。諸刃の剣なんじゃよ。あやつに与えられる加護はそう多くなかった。なにせ不十分な骨と思念しか残っておらんかった。ワシの錬禁術では不十分じゃった。クリスも加護を与えようとしたが無理じゃった。少し髪色が変わる程度じゃった。あやつは蘇った後、何度も単身で乗り込みおったが一対多では分が悪すぎたのじゃ。ワシらも何かできることがないかと思い、今お主にやってるように聖クリスティ教会に不満を持つものを集めた。それがコライユ村じゃ。』



メルティちゃんは聖クリスティ教会をめちゃくちゃ憎んでた所をあーちゃんに拾われたって感じなのか。そして、コライユ村はあーちゃんが集めた対聖クリスティ教会の人たちが集まる場所だったと。そりゃあ盗賊と手を組んで襲わせたり家族が殺されたら思うところもあるよね。しかしこれでメルティちゃんが神出鬼没してる意味が分かったね。プレイヤーも聖クリスティ教会と認識してるんだ。一応私達(プレイヤー)は召喚されたってなってるしね。



『あとはお主の知ってる通りじゃ。ワシの加護の力を感知し、思い込みの上暴走し、お主にお仕置されたんじゃ。あの時はワシも笑ったのぉ!』



おおぉ?貰い受けるとか言ってたっけ?思い込みだったんだ。しかもメルティちゃん倒されて笑われてる。不憫な子...私が幸せにしてあげ...



「はい!あーちゃん様!私、メルティちゃんを人体錬成とやらで復活させ、一緒に聖クリスティ教会を滅ぼしたいです!あとメルティちゃんを幸せにします!いえ、してみせます!」

『おおお!?やってくれるか!?そうかそうか...よし!ならば錬禁術と言われるようになった人体錬成を教えてやろう!!』



さっきまで暗い話ばっかりしてたけど少し元気になったね。あーちゃんよかった。



『まずは...そろそろ膝からどいてくれるかの?』



おおそうだった。楽園すぎてもはや気づかなかった。ああ、マイエンジェル!!!アーメン!!



『まず人体錬成とはなんぞや?となると思うのじゃが、言葉通りじゃ。人を造る。ほむんくるす(人造人間)とも言われるな。そして道具なのじゃが...これじゃな。ホレ。お主にやるぞ。』


『【生命を冒涜する合成板】が【邪神アンノウン】から譲渡されました!!!』



やっぱりインベントリ使えるんだね...このゲームのNPCも。しかしいきなりこんなものをくれるとは...好き!!!



『んで。お主やったやつの使い方じゃが...素材を入れて魔力を流すんじゃ。その時に、試練が来る。それをくりあーすると成功じゃ。お主メルティの元になるものは持っておるかの?』

「えっと...待ってくださいね...はい!確かに!あります!」

『よし。それならば今回は特別じゃぞ?お主にはまだそれを使えぬが一時的に使えるようにしてやろう。メルティも保護してやるのじゃ。』



『【邪神アンノウン】がイノリのステータスを一時的に引き上げました!!!素材【不死姫】シリーズが保護されました!!!合成に失敗しても素材は失われません!!!』



え。すご。やばい。語彙力無くした。この人私に甘々だな?特別って毎回言ってない?といっても2回しか会ったことないけど。



『ほれそこに出してみよ。さっきあげたやつじゃ』

「はーい」



おおお?なんだこれは...?ものすごく禍々しい板がポンッ!って出てきたな?なんか黒い霧?がもやもやしてる。めっちゃでかいぞ...床にしくラグみたいな感じ?6畳ぐらいあるな!?そして表面には六角形を描いたような紋様がある。六角形の角にはそれぞれに窪みがあり、窪みから窪みへ繋がるような細い線があり全てが繋がっている。端的に合えば魔法陣の簡易バージョンみたい。



『その6つの窪みに素材を置けるんじゃよ。そして術者が真ん中にたち魔力を込める。そうすると試練が来る。そしてそれを乗り越えれば晴れて成功じゃ。ものは試しにじゃ。さっそくやってみるのじゃ。今回は失敗しても大丈夫じゃ!』

「わかりました!!では、やりまーす!」



ええっと?六角形の窪みにインベントリから取り出した素材を入れてと…メルティちゃんの素材見た目からして怖いな?髪とか細胞とか心臓…意志に関してはなんか瓶に入った黒い空気だし?細胞も瓶に入ってる。まともなのはドレスだけなのでは?


『【不死姫の髪】【不死姫の心臓】【不死姫の細胞【不死姫の血液】【不死姫のドレス】【復讐の意志】を【生命を冒涜する合成板】にセットしました!!!素材の確認...完了。MPを消費して合成を行いますか?』


迷わずはいを選ぶ。タップできる選択肢がでるんだ〜へぇー。



『合成開始の準備をしています...素材確認...術者...この行為はクリスティにより禁止され「うるさいのぉ...しっしっ」【邪神アンノウン】により許可が降りました。術者確認...MP残量...問題無し。これより合成を開始します。』



えっまって。なんか横槍入ったんですが。しかもクリスマッマ?なんでぇ?あるれぇ?何この演出...?ワクワクしちゃうじゃないですか〜!!!ヤダ〜!!!



『合成板の【試練】が始まります』


『メルティの身分は?』



クイズ形式!?しかもこれ知らなかったら完全に無理なやつじゃん!!クイズは試練になるのか!?いやしかし...内容がその度に変わるのか...?とりあえず今知ってるメルティちゃんの事で答えれるかは分からないけど頑張ろう!!



「お姫様!」

『確認...成功』


『メルティの容姿は?』


「銀髪のツーサイドアップのゴスロリ!あとひと房だけ金色!!目は赤!あとかわいい!!ロリっ子!!あーちゃんに似ている!!」

『確認...あーちゃん...【邪神アンノウン】と認定。成功』


『メルティの加護の内容は?』


「あーちゃんの加護!不死とそれに準ずる魔法!出来ればクリスマッマの加護もお願い!!」

『確認...クリスマッマ...【???】と認定。了承』



ん?成功じゃなくて了承?クリスマッマ...?まぁ、今はそれどころじゃない!ほれどんどんこい!行けるぞ!これは勝つる!今までがムズすぎたのだ!


『メルティに何を望む?』


「何も望まない!メルティちゃんの意のままに!私はメルティちゃんを助ける!笑顔にしたいだけなんだ!幸せにする!!」

『確認...合致』


『メルティと何が見たい?』


「1番はメルティちゃんの笑顔!だが!一緒に見るとなると聖クリスティ教会の連中をぶっ殺すところ!あとはっ!!あの子の親や兄弟、国の人たちを弔う!!あの子の未来がみたい!!」

『確認...同意』


『メルティとの関係は?』


「今は何も無い!教会を潰す同志!しかし!関係を築けるのだとしたら!!笑い合えるのなら!!私の妹がいい!!姉と呼んでくれぇぇぇ!!!」

『確認...尊重』



『全ての試練が終了しました。......成功!!!合成が開始されます!!!』

『思念の残滓がまだ残っています!!!貴方は何を差し出しますか?』



『イノリっ!それはれあ演出じゃ!それに成功すると大成功になる!...が同時に不十分な事じゃと認識されたら失敗になるやもしれん!お主が決めろっ!』



成功したと思ったらいきなり合成板に置いていた素材たちが虹色に光り始めた。綺麗だなぁ。なんて思ってたら今まで見守っていたあーちゃんがこれは珍しい事で恐らくガチャシステムみたいなものだろう。初手でSSRを引いたかもしれん。ふっ...答えはもう決まっている。



「私の全てを持っていけ!!私自身が素材だ!!!これで文句あるかぁぁぁ!?

『確認...神の使徒を生け贄にします。』



『プレイヤー【イノリ】が生け贄にされました!!!【イノリ】が力尽きました!!!デスペナルティが発生します!!!総獲得経験値が3%減衰しました!!!』



『【生命を冒涜する合成板】による合成に成功!!!【不死姫メルティ】が完全な状態で顕現します!!!大成功により【不死姫メルティ】が【双神の加護】を授かりました!!!』



『なんじゃお主。死んでしまうとは情けないのぉ...ほれ、起きろ』



『【邪神アンノウン】が【???】を発動【???】によりプレイヤー【イノリ】が復活しました!!!』

『【???】に【不死姫メルティ】が顕現します!!!』

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