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約束

「それでどう?なんかおかしいとかもない?」

『大丈夫だね!むしろ扱いやすいような気がするよ!』


お世辞とかも言ってないみたいだね。...お世辞とか言えるのかな?この子…なんでも正直に言うか自分の中で抱え込みそうなんだよねぇ。私が見張ってないとダメだね…


「よしっ!錬成も出来たしピーちゃんご要望のブリザードを試しに行きますか!どこかいい所ない?」

『氷属性ですよね…氷属性は攻撃力が総じて高い代わりに炎や水など半減されるものを除き等倍なのでそれ以外のダンジョンなら…』

「早く!!ダンジョン教えろください!」

『え?うーん…今からとなるとあまり時間は無いですよね…モモさんは普通のフィールドではダメなのですか?』

『私は特にこだわりはありませんっ!』

「と、なると…明日の攻防戦まで待ってもらうのも有り?」

『ですね』


明日に控えている攻防戦なんだけどなんか色々ルールーというか運営からのお達しで少し変わったっぽいんだよねぇ。 なんでも姉のギルド【神々の黄昏】じゃないとコライユ側に付けないみたいなんだ…これもしかしなくても物凄く不利な状況なのでは!?


「でも実践でいきなりブリザードという魔術を使ってみてみて弱かったりあんまり意味が無い魔術だとそれはそれでうーんって感じだし…。 ゾンビ相手には効いたけどね?」

『少しだけコライユの外のフィールドに行って試してみますか?』

「それがいいかもね…ピーちゃん!ブリザード試しに行こーー」

『はいっ!』


____________________





「うわぁ…えぇ…?ほんとに…?」

『すごいですね…』

『これが私の…?』


なんとピーちゃんのブリザードという魔術ものすごい広範囲魔術だった…しかもその名の通りの氷と風属性の複合魔術みたいで凍傷や凍結状態にもできるらしいぶっ壊れみたいな性能をしているんだぁ…えぇ…?


「ここじゃ弱すぎて凍傷状態にもならなかったねぇ」

『MP消費はどうですか?私の場合混合魔術はものすごいMPを消費するのでそこが心配です…』

『私は特になんともないですっ!』

「え?ちょっと待って… あ!100しか使ってないじゃん!マジで!?あの規模の魔術で消費MP100!?威力おかしいよ〜!?」

『あれで100消費ですか…連続で放てる訳ですね』


ザコ敵にはこれが殲滅力高そうだね…あとは凍傷と凍結がどのぐらいの時間でなるかを検証出来ればいいんだけど… 心配なさそうかな?それなりの時間が要るとしても私たちがその間に攻撃出来るし…万が一ピーちゃんに近づかれてもユーちゃん辺りが直ぐに対応してくれそうだしねぇ。戦いに関してはユーちゃんの右に出る者はいないからね。


「試せたし帰ろうか!今日はもう眠い!!ねたい!」

『そうですね。一緒に寝ましょうね』

『はいっ!』


____________________



日曜日が来てしまった…とうとう今日が正念場になりそうな攻防戦イベントだ。 メルちゃんたちと一緒にエルメスの神殿に乗り込むんだ!!そして誰も欠けることなく無事に終えれたら1番だ!!!


『おきなさんたちの…装備は間に合うでしょうか?』

「大丈夫じゃない?みんなも手伝ってくれる合作って言ってたし交代しながら作ってるんじゃない?」


そういえばみんなの装備も頼んでたね…裁縫職人と細工師の方たちがみんなで作ってくれるそうだから期待してもいいよね? あちらは新しい素材を試せて私たちは出来た装備を貰う…どっちにしても嬉しいことだからね。少し向こうの負担が大きい気がするけどね?


「凪が起こしてくれたから午前中からログイン出来そう…ありがとね」

『いえいえ。今日は祈にとっても大事なイベントの日ですからね。頑張ってもらわないと… ところでお義姉様からお聞きになりましたか?』

「なにを?」

『イベントの変更詳細です。所々変わっているみたいですよ』

「あれでしょ?コライユ村の攻撃側には神々の黄昏のギルドに入ってないといけないっていうやつ」

『それもありますが…他にも変更点が多くなってますよ。 例えば旗手(ロイヤル)である祈はイベントスキルが使えたり、ギルド全員に祈が旗手(ロイヤル)であることが判明しています』

「特に問題なくない?要はギルドが一丸となってエルメス落とせばいいんでしょ?」

『それはそうですが…万が一祈が旗手(ロイヤル)と断定されて狙われてしまえばこちらは祈を守る為に攻撃の手を休めなければ無くなります』


私がキルされたらその時点で敗北だっけ? でも私なんかより姉とかが狙われるんじゃない?ギルマスだし… かるびさんやショーへーさんも狙われそうだよね? こっちは攻撃できるとはいえ不利な状態は変わらないし、防衛側は旗手(ロイヤル)さえ見つけて倒してしまえばそれで勝利が確定するんだから妥当に行くとプレイヤー間で有名な姉たちが狙われやすいよね…


「ところで…イベントスキルとはなんです?」

『表記されているだけで実際には祈がログインして確認しないと分かりません』

「そういう系かぁ〜。イベントスキルって言うぐらいだし瞬間的なバフとかだよね?」

『攻撃力などが上がると予想されてはいますね… 防衛側にはイベントスキルは無いそうですね。こちらはやはり人数的に不利なのでその措置でしょうか』

「まぁなんとかなるでしょ。 メルちゃん、ピーちゃん、ユーちゃんも居るしねー。」

『遠距離、近距離攻撃もしてくる上に空中移動や瞬間移動など、謎の魔術の使い手と異常な程の回復力と拘束力を持ちつつ広範囲の殲滅力が異常な神官…そしてほぼ全属性を扱える最強の近接職…初めて見るプレイヤーにとってはトラウマになるかもしれませんね…』

「メルちゃんとユーちゃんは分かるけどピーちゃんもやばい系?凪が神官だった時と同じぐらいじゃないの?」

『有り得ませんね。ボス系には【ホーリーバインド】などの拘束系は効果が無いのですよ?その上回復力も必ず全回復と表記…回復力は私でもせいぜい1000ぐらいだったはずです。 そして極めつけはあの裁きという広範囲の攻撃魔術ですね。神官は攻撃魔術を覚えれませんこれはNPCも同じですのでモモさんは何か別の職業なのでしょう?』



……お姉ちゃん何も聞いてませんよ!?ピーちゃん!?あなたもやっぱりぶっ壊れ性能してたんですね!? まぁ? 薄々分かってはいたけどね!? だって回復は全回復するしボス系でも拘束できる上に攻撃力も高いし…私要らないのでは?と思ったことは1度や2度じゃないからね!!



「私の妹たちは可愛いから強いんだよ。かわいいは正義!!わかる?」

『?』

「ったぁ〜〜〜!!!これが分からないとは凪もまだまだだねぇ!!!!」

『可愛ければ強いのですか?』

「そうだよ!」

『なるほど…』



可愛い上に強いんだよ。メルちゃんたちは!! わかる?あの愛くるしさが!!!



「あ、そろそろ時間だね。今日の午前中は薬師の皆とイベント前にギルドメンバーに配るポーションを量産しようって約束してたんだけど凪はどうする?」

『そうですね…モモさんとブリザードの凍傷と凍結状態の確認をしたいですね。 少し不安がありますので…未検証だとやはり…いざという時に』

「凪は心配性だねぇ? まぁ、でもそれならピーちゃん任せていい?あの子も若干力持て余してた感じあったからねぇ。 凪なら精霊魔術使えるし多少他の魔術にも精通してるでしょ?」

『えぇ。それでは任されましたので午前中は各々過ごしましょうか。お昼にはギルドメンバーが新しいギルドハウスに集まって作戦会議をするそうなのでその時は一緒に行きましょうね』

「あいわかった!!」




____【???】____




「この感じは…あーちゃん空間!!名ずけて亜空間!!」

『私もいるんだけどねぇ〜?』

『変な名前付けられてもうた…』

「あっ!クリスマッマとあーちゃん!!もしかして今日の夜エルメス落とすからその応援に?」

『概ねそうじゃな。ワシらも楽しみにしておるからのぉ』

『期待してるのよ〜?』

「はいっ!頑張ります!!」


やっぱりこれもイベント関係なのかな?負けたらあーちゃんたちと会えなくなったりとかしないよね!?もし、そんなことされたらこのゲームやめるよ!?


『向こうには大司祭…最高司祭がおるからのぉ。 どうなるか…』

『私たちも力を貸したいんだけどこの間降臨しちゃったし〜…』

「大丈夫です!私たちで最高司祭というやつを倒してみせますよ!! そしてエルメスを落としてクリスマッマ&あーちゃん教の第2の拠点にするんだ!!!」

『それはそれは…頼もしいのぉ』

『それなら…何か餞別を上げないとねぇ〜??』

『そうじゃなぁ…』



お?何か頂戴できるんですか!?わーーーいやったーーーー!!!



『イノリ…お主はあやつらメルティたちと今後も一緒かの?』

「? もちろんあの子たちは私の妹ですからね!!離れていても心はいつだって一緒ですよ!!!」

『すまんすまん。ワシの質問が悪かったのぉ。 その妹たちと離れる気は無いんじゃな?』

「もちろん!」

『絶対じゃぞ?それなら…クリスあれを』

『わかったわ〜』



ん?何かあの子たち関係のものをくれるのですか?もしかして超絶パワーアップして脳筋ユーちゃんが更に超脳筋ユーちゃんになったりするわけですか!?

そんなこと考えてる内になんかクリスマッマの手が光ってるんだけど!?うん? カード?あーちゃんに渡した途端光が収まった...



『これを受け取ってくれるかの?』

「はいっ!」


『邪神アンノウンから【アルカナカード???】を譲り受けました!!!』


「???になってるけど…アルカナってタロット占いとかに使うやつ?」

『普通はそうじゃな。...故にお主にはどう映る?錬禁術士として…』

「うーーーん…アイテムっぽいけど…このままだと機能しないってことかな? さっきからこのアルカナカードが私に反応してるっぽいんだけど、これは私自身の素材が必要な感じかな?」

『及第点って所かの』

『あーちゃんってば厳しい〜』

『そのアルカナカードは持ち主により変化するものじゃ。 そのカードとイノリと...イノリの妹たちの髪の毛でも混ぜるといいじゃろう。 いいことがあるとおもうぞ?』

『あらあら〜? あーちゃんってば急に甘々になっちゃったわね〜?』

「答えまで教えて頂けた!?ありがとうあーちゃん好き!」

『あんまや時間が無いからのぉ。 普段なら渡して自分で考えろと言うところじゃ。』

「あーちゃんってば優しい〜〜」



このアルカナカードは恐らく私とメルちゃんたち…つまり私の従者となってる子たちに関係があるアイテムってことだね? そして私は剥ぎ取りで大体のものは素材化できる…それで妹たちの髪の毛でも混ぜれば何か強化に繋がるんだね?

あーちゃん最高では!?ここまで教えてくれるなんて!!でもタロット占いに使うカードだし...どうなるんだろう? あーちゃんとクリスマッマがくれたものだし弱くはないと思うんだけど…



『これぐらいかの?』

『そうね〜』

「あ、終わりです?もう少し会話とか…」

『お主の妹たちが待っておるからの。ピー…モモが勘づいとる』

『もしかしたらあの子には素質があったのかもね〜』

「え?ピーちゃんそんな感知スキル的なのがあるんです!?」

『ないの。 あやつはイノリをこっちに送れたんじゃその逆もできて当然じゃろ?』

「あぁ〜…そういえばそんなこともあったなぁ...」

『早く〜早く〜って言ってきてるのよ〜?可愛くな〜い?』

「それは可愛い!!やはりピーちゃんは可愛い!!そこまでして私を求めて…やはり姉の私に恋愛感情を...?」

『ないの。』

『ないわ〜』

「いけずっ!!!」



うわぁーーーん!!神様たちが一般人をいじめるぅ!!これはいけないことなのでは!?



『凪と言ったかの?お主が親友と言っておる精霊魔術師と行動を共にするから一言かけておきたいらしいぞ』

「律儀だ...! 」

『そうだ〜エルメスの街の〜攻略が成功した暁には…何か欲しいものな〜〜い?』

『おぉ!そうじゃった!何かあるか!?その方がもちべーしょんとやらが上がるんじゃろ?』

「そこまでしてくれるんですかぁ!!」


えー…どうしよう?イベントの報酬も貰える上に神様からも別途貰えるってことだよね!?これはひょっとしなくても凄いことでは!? 迷っちゃうねぇ…あーちゃんとクリスマッマが欲しいとか言っても断られるだろうし…やっぱり錬金術関連? …あっ!



「ナビちゃんに何かできたりします?」

『ちょっと待つのじゃ…ナビ…ナビ…おぉ?こやつ…錬金術士か…しかも他の錬金術士より相当じゃのぉ。 この若さでよくやったもんじゃ…』

「ナビちゃんってやっぱり…」

『錬金術が相当好きみたいね〜?あーちゃんの錬禁術はど〜お?』

『ふむ…錬禁術師というのは一世に1人しか存在できんからのぉ…そうするとどちらかが死ぬぞ?』

『あらぁ〜それじゃダメね〜』


そんな制約あったんですか!?私はリスポーンできるからいいけどナビちゃんは死んだら生き返らないからね!?



『それなら…これはどうじゃ?ワシが記した【魔導書(グリモワール)】じゃ。使用しても消えない特別仕様じゃ!』

「おおお!!それはナビちゃんがとても羨ましそうに眺めていたグリモワール!! ん?なんかベルさんのと違うような?」

『はん!あんな飯にしか興味が無い輩と一緒にするでないわ! あやつのは一般的に出回っておる品じゃが…ワシのは一点物じゃ。 お主がよく言うおんりーわんというやつじゃな!』

『ベルちゃんにあったのね〜? あら〜?よく見ると…ベルちゃんにも好かれたのね〜?』

「やっぱり神様たちは何か見えているって感じで?」

『そんなところじゃな。ほかの神がちょっかいを出せばすぐにわかるがあやつはイノリを大層気に入ったようじゃな。 害意があるとすぐにわかるようになっておるがその逆はよく観察しないとわからん』



へぇ〜… そういえばベルさんもなんか守ってあげる云々言ってたような?加護みたいな明らかにわかるようなものじゃなくて、私に何かあれば助けに来てくれるってことでいいのかな? あーちゃんたちも害意がある訳ではないって言ってるし…



『まぁ、あやつのことは今はどうでもいいのじゃ。それでエルメスを無事に落とせれば錬金術士ナビにワシの記した魔導書(グリモワール)を渡せばいいんじゃな?』

「はい!お願いします!!」

『よし、わかった!その願い聞き届けた!! そして無事にエルメスの神殿…かの最高司祭を倒してくれ…生半可な準備で挑むと痛い目を見るぞ?』

『私も応援してるわね〜出来たら神殿は再利用したいから〜あんまり壊さないでほしいな〜』

「分かりました!!!最高司祭のクソ野郎をぶっ飛ばしてあーちゃん達を降臨させるお手伝いをさせていただきます!! 私たちの勇姿を見ててね!!!」

『もちろんじゃ。モモがうるさいのでの…転送するのじゃ。 …無事に帰ってくるのじゃぞ』



ふふん!私たちが教会に負けるわけ無いでしょう!!私たちにはあーちゃんとクリスマッマという双神とベルさん…そして最強の妹たちもいるんだ! …やっぱり、負けたとしてもごめんね?

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