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ぐりもわーる


あの後は親方に不備もなく確認したと伝えてから私たちは一旦ログアウトして現実の方で諸々を済ませてから再度ログインして今は夜の19時半ぐらいになったね。 その間にメルちゃんたちも回復したらしく今はみんなでナビちゃんのアトリエに集まって何をするか決めかねている感じだ。


「なにかしたいことある?いつも私ばっかりだったからね…装備は多分明日にはできるけど…それまでは時間あるからね。なんでもいいよ?好きなこと言ってみて〜」

『レベリングは今の所あまりいい場所が見つかってませんし…かといってまたおなじダンジョンに行くのも…』

『ん。ねぇねとならなんでも』

「メルちゃん嬉しいこと言ってくれるねぇ〜!!」

『ボクも!ボクも!』

「そっかぁ〜!!参ったねぇー!私ってばモテモテだ!!」

『私はこの武器をまた試してみたいですっ!』

「あ、そういえば【砂上の海】では使ってなかったね…」

『活躍の場面がありませんでした…』

「それもそうか…雷属性が弱点だからあそこのモンスターたちは水属性…氷だとあんまり通らないもんね」

『モモさんは属性を認識されているのですか?』

『はいっ!アンノウン様から教えて頂きましたっ!』

「わぁお…あーちゃんってば有能すぎてこまっちゃう!!じゃあ、この後どっか行ってみよっか!」

『はいっ!』


ピーちゃんは相性が分かってるでいいのかな?メルちゃんとユーちゃんはなんだかんだ感覚で理解してそうだし?この子たち装備が出来たらめちゃくちゃ強くなっちゃうのでは!?


「あ、ピーちゃんの武器は手に入れたけど…メルちゃんとユーちゃんは武器の方は大丈夫?」

『ん。これでいい』

「ナイフは投擲ようで片手武器…鎌は両手武器だから要らないって感じかな?でも、メルちゃんはMP切れたら武器出せなくなるしなぁ…」

『平気。心配ない』

「そう?少し心配だけどそれなら…」

『ボクはなんでもいいよ〜この剣以外も使えるからね!』

「勇者の剣って名前の割に何にも効果ないんだよねぇ…すこし綺麗なただの剣って感じ?」

『元々そうだからねぇ。勇者ってホラ、見た目が大事だからね…そう思わない?』

『あー…なるほど?』


確かにみすぼらしい格好で勇者とか言われてもそれはちょっと…って感じになるね。でも前まではその勇者装備で何かしらの効果が出ていたっぽいんだよね…


「それって誰かに渡せたりする?少し試してみたいんだけど…」

『いいよ!はいっ!』

「おお…なんのためらいもなく渡したねぇ…」

『イノリなら大丈夫!』

「信頼されてて何よりです…とりあえず素材として合成できるか試してみようかな」


効果を付与するのが錬金術の強みなのだとしたら…この剣にも何かを付与できるのでは?と考えてみたんだけど…これはアタリみたいだね。 【ラズライトクォーツ】と雪のでできた虎…なんだっけ?氷の迷宮で倒したあの強かったボスが落とした素材が光るんだよねぇ…。


「ユーちゃん…もしかしたら失敗して剣が無くなるかもなんだけど大丈夫?」

『いいよ〜!ボクもあるから使ってるだけだしね!普通の剣と変わらないから使っちゃって!』

「あらそう?なら遠慮なく…ナビちゃーーーん!!少し教えてケロ!!」

『えぇ…そこは自分でやるべき所でしょ…まぁ面白そうだしいいけど?』


割と満更でもないような感じだね?そのワクワク感を隠しきれてないのが丸わかりだよ?この【ラズライトクォーツ】を使ってみたかったんでしょ?わかるよ?顔にそう書いてるもん。


『錬金術で作られた武器は鍛冶師には劣るらしいですが…それでもやるのですか?』

「まぁね〜。私もそれぐらい知ってるよ?でも作れるって表示されてるんだから作らないと勿体ないからね!」

『そうですか…それでしたら祈のことを応援します!万が一失敗しても私が慰めてあげます!』

「え?ナビちゃんいるから大丈夫でしょ」

『まさかの丸投げ…私も未知の素材だしねぇ〜。どうなるかは分からないや』

「そうなの?なら…これ使おうかな【魔導書(グリモワール)】」

『ベル様に貰ったものですね』

『それは…ッ!!一体どこで手に入れたの!?』

「海パンの人から貰ったよ」

『海パン…?』

『正しくはベルゼビュート様です』

『それは…神だとも言われている…?』

「なんかそんなことも言ってたような?でも、あの人はただただ美味しい食事がしたいだけの人だけどね〜」

『まさか…神様が地上に…?』

「それは私も思ったけど今はコライユに居るよ?なんでも私たち異邦人(プレイヤー)の料理が気に入ったんだって」

『えぇーーー!?』


やだ…そんな大きな声出してはしたないですよ!!ナビちゃん!メッ!!! まぁ、いいや…使ってみよ〜



『イノリが魔導書(グリモワール)を使用しました』

『錬禁術スキル【装備錬成】を習得しました!!!』

魔導書(グリモワール)が消失しました!!!』

「あ、やっぱりね…使用者に合った形になるって言ってたし錬禁術関係だと思ったんだよねぇ〜。スキルの内容は?どれどれ…」



錬禁術スキル【装備錬成】:武器や防具、アクセサリーなど全ての装備を錬金釜で錬成出来るようになる。



錬禁術の数あるうちのひとつ。装備強化ができるようになる。



「あれぇ〜?私全ての装備を強化できるようになっちゃったぞ〜???」

『え?』

『やっぱり本物の魔導書(グリモワール)…もう少し見ていたかった…っ!』


あれ?でもテキストを見る限り普通だね?だって私じゃない錬()術士でも装備自体は作れたり強化はできるらしいし…。


「装備錬成なるスキルを手に入れたんだけど…テキストだとイマイチピンとこないねぇ」

『私の魔術錬成と似たようなものでしょうか?』

『装備錬成…なるほどね…それは文字通り装備を強化できると言われているものだね』

「おや?やっぱりナビちゃんはご存知で?」

『イノリも知ってると思うけど私たち錬金術士は装備の生産や強化なんかは悔しいことに鍛冶師などには勝てないよね?でも、そのスキルは違う…』

「と、言うと?」

『私が知る限り、「強化」とは装備自体の見た目や性能も変わるものだということだね。時にはとても大きく変化することがあるらしいと言われている…』


つまり…装備の強化ができる鍛冶師などの人たちよりも強化の振り幅が大きかったり、物によっては全くの別物に変化するってことかな?


『カテゴリーは変わらないって書いてたような…?』

「なるほど?剣は剣に、盾は盾にしか変化しないってことね…」

『私の見た文献が正しければね?』

「いやぁ!ナビちゃんは相変わらず博識ですなぁ!」

『錬金術士としては当たり前のことだからね。むしろイノリは知らなさすぎだと思うけど』

「そんなに褒めてもピースしか出ないよ?」

『褒めてないけど…』


あれぇ?これ前にユーちゃん辺りがやってた記憶があったんだけどなぁ…私はこれでまぁ、いっか!ってなったのにキミは違うのかい!?


「だって他の錬金術士ってあんまり関わりないんだもん!ギルドにいる人たちとナビちゃんしか会ったことない!」

『錬金術士のNPCは少ないですからね…』

『それもそうか…イノリは普通の街だとダメだし私以外の錬金術士にはあまり会ったことないんだね…』

「そう!私にはナビちゃんしかいないのだ!!」

『言い方が紛らわしいですよ祈』


えぇ〜?事実じゃんか!私にはとても心強い味方のナビちゃんが必要なのである!!


『イノリ〜早くやらないの?ボクも近くで見てたいんだけど…ダメ?』

「よぉ〜し!!ユーちゃんのために張り切っちゃおうかなぁ!!!いくよナビちゃん!」

『はいはい…恐らくだけど普通の武器を強化する時と基本は変わらないと思うんだよね。まずは元となる武器…そして素材だね。こればっかりはイノリにしか出来ないから任せるね』

「了解!いくよー!!」


まずはこの勇者の剣をドボンしてから…ラズライトクォーツかな?それとも氷の虎素材?どっちがいいのだ!?


『うーん…それだと水晶はあとの方がいいかもね。私も使ったことないしから感覚だけど…』

「私はナビちゃんを信じる!!」

『それは人任せというのでは?』

「そうともいう!」

『イノリ頑張れ〜ボクも応援してるよ〜』

「任せんしゃい!!」


ふふ〜ん!!私はナビちゃんを信じてるのでそのまま氷の虎素材を投入していくぅ!!! これは…案外強火なのか?なかなか解けないって書いてたしね…


『うんうん。いい感じだねその調子だよ』

『すごいですね…これが錬金術…』

『イノリ頑張れ〜!』


初めてだけど感覚的には未知のアイテムを作るより簡単なのでは?スキルのおかげかなぁ?なんとな〜くそんな感覚があるんだよね…不思議。


「あとは君だけだ!ラズライトクォーツ君!さぁ、君の真価を見せてみよ!!」

『これは見逃せないね!!未知の素材がどうなるのか!』

『ナビさんがとても興奮していますね…』

『なんだかボクの髪色に似てるね?』


ユーちゃんの髪色の方が綺麗だと思うけどね?それはさておき、これを成功させる為に私はこれにかけるのだ!うおおおお!!いけーーーー!!!



「濁ってきた!助けてナビちゃん!」

『うん?これは…なんでだろう?水晶自体の素質は高いはずなのに?』

「うわぁーーー!!大事な場面で考え込まないでーー!?」

『あれ?それで成功なんじゃないの?イノリ』

『一瞬で黒っぽい色から空色に変わりましたね…』

「うそっ?うわ…ホントだ…なんか成功してるんだけど…」


【勇者の剣・Ⅰ】(オンリーワン)スロットなし

全ステータス+10


かつての性能を少しだけ取り戻した剣。



「出来たーーー!?しかし…うーん?微妙だね?見た目も変わってないし」

『少し見せて貰っても!?』

「あ、どぞ…ナビちゃんもなんで成功したかわかんない感じ?」

『ちょっと待ってね…確認してるから!!』

『ボクも早く確認したい!』

「まってまって…ほらナビちゃんが今少し調べてるみたいだから…」

『憶測なんだけど…この剣自体に使われている物が分からないのよね…。未知の鉱石や素材なんだと思う。 そこで私も見たことがない素材だったラズライトクォーツと強い魔物の素材が反応を示した…これなら朽ちた力を取り戻してもおかしくないと思うわ。鍛冶師でもこれは無理なんじゃないかな?』

『わ〜い!…うん?氷の精霊が喜んでる…?』


このテキスト的に考えれば力を取り戻したってことでいいのかな?しかもナビちゃんが言うには装備錬成じゃないと無理な感じらしい…。 そこまで分かるんだぁ…すごぉ〜!!


『氷の精霊が剣に集まってきていますね…』

「え?ナビちゃん分かる?」

『いやぁ〜精霊は普通の人には見えないって言われてるから私にも無理かなぁ』

『凄い!凄いよイノリ!こんなのは今までにもなかったことだよ!?』

「あれっ?そうなの?力を取り戻したってテキストには出てるんだけどなぁ…」

『ラズライトクォーツと氷の虎…どちらも氷の精霊が好みそうな魔力を持っていたから…?』

「え?そんなのあるの?」

『あるよー。火の精霊は水のある所は嫌うし水の精霊は火を嫌ったりするしね〜』

『私もユーラさんに教えて頂きました。この場合は氷の精霊がその素材に惹かれたのだと思います』

「でもそれだとおかしくない?火属性は水に弱いけど水属性は火に強いじゃん?」

『それは相性の問題だね。精霊自体は現象そのものを嫌うけど、ボクたちはその精霊から力を貸してもらっている立場だから特に問題はないんだ。精霊が直接何かを触れる訳でもないからね』

『つまり…精霊自体にも好き嫌いがあるということです。属性の相性に関しては特に関係ないのです』

「へぇ〜」


精霊にも色々好みがあるみたいだね?そして対応する素材に魔力が含まれてたら精霊が惹かれてくると…これはあとの属性の魔力を持つ素材をユーちゃんの剣に注ぎ込めということでは?


『私もその考えは正しいと思っています』

「思考を読まれたァ!?」

『イノリはすぐ顔に出るからね〜』

『ボクにも分かるぐらいだからね!』

「そんな...っ!!凪と結婚すれば一生働かずに過ごせて美少女とずっと一緒で一石二鳥だなとか、ナビちゃん今日も可愛い結婚してとか、最近のユーちゃんは姉より少し背の高い妹みたいだなとか思ってたりするのがみんなに伝わってたってコト!?」

『祈と結婚…かわいい…』

『私と結婚うんぬんはよく口にしてたからね?』

『妹…ついにボクにも家族が…ッ!!!』


...あれぇ?これはナビちゃん以外は伝わってなかったパターンだね?墓穴掘ったっぽいねこれは…なしてこうなった!?


『結婚…しますか?』

『イノリがアホだからじゃない?』

『わ〜い!皆と一緒で家族だ〜〜』

「ナビちゃん酷いっ!?2人はなんかよく分からないこと言ってるし!?」


うわーーーん!!ナビちゃんが虐めるよーー!!誰か助けてーーーー!!!

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