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明かされる正体

____【コライユ村】____


「到着しました!ここが我が家とも言えるコライユです!」

『ふんふん…なかなか活気があっていいじゃないか。僕にとってもこの感じは嫌いじゃないよ』

「それは良かったです」

『さてさて…僕が認める料理人はどこにいるのかな?』

「メルちゃんたちはナビちゃんのところに行って休憩しとく?」

『んっ』

『はいっ!休ませていただきますっ!』

『イノリといたいけど…ボクも少し食べすぎてしんどいからそうさせてもらうね〜』

『私は祈について行きますよ』

「はーい!では、こちらです…ささ、どうぞ」




「ここが今の仮集会所になっていまして、明日にでも殆どの工事が終わる予定です。そうなればもっと設備が充実しているのでより美味しいものが食べれるかと」

『なるほど…なかなかにいいにおいだね』

「すみません!くっきんさんいますか?」

『おぉ、姐さんの妹さんか!あぁ、分かった!今呼んでくるよ。』

「ありがとうございます」


この村の拡張も明日の午前中には一段落するみたいだね。イベントもあるし当然といえば当然なのかな?でも、色々な建物が既に建ってるしもはや村と言うよりちいさな町だね。 私のゴーレム君がなかなかに活躍してるみたいで私としても嬉しいね!本人も村の人たちから感謝されて嬉しそうだったし!



『あらぁ〜ん?いいお・と・こ・ね♡』

「あ、くっきんさんこんにちは!こちら美味な食べ物を追求する海パンさんです!」

『お嬢さんがここにいる者のほうがより美味しいものが作れるというので来た次第だ。よろしく頼もう』

『あらぁ〜イノリちゅわぁ〜ん!嬉しいこと言ってくれるわねぇ〜♡』

「事実ですからね!あ、あとこれお願いします【砂上の海】で採れた食材です。この人にもっと美味しいものを食べさせてあげてください。とてもいい食べっぷりで褒めてくれるので作り手の方に損はさせませんよ。あとは色々なものを持ってるのでオーダーすれば出してくれたりします」

『まぁ!ありがたく貰うわね〜♡そ・れ・で・何を持ってるのかしらぁ〜ん?』

『僕が持っているのは異邦人が持っているものだけだね。しかし、美味な食事に必要とあらば探しに行くことも厭わないつもりでいる』

『なるほどねぇ〜ん。イノリちゅわ〜んには何をご馳走になったの〜?』

『とても美味な魚と鳥と米だね。どれも素晴らしかった!』

『この材料でね…ある程度は理解出来たわぁ〜ん!あなたは美味しいものを食べたい、それだけなのぉん?』

『そうだ!僕は常々美味なものを探していたのだ!しかし…この僕には作ることは出来なかったんだ。そこで僕は気づいた!作れないのならば楽しめばいいと!今は作ることよりも食す方が性にあっているのだよ』


出来なかったから視点を変えてみて…楽しみ方を変えれたんだ…なかなかできる事じゃないと思うけどねぇ。ナルシストだけど…


『あなたのことは大体わかったわぁ〜ん!何をお望みかしらぁ〜ん?』

『美味なものだ!先程のもとても良かったが…少し嗜好を変えて欲しい…可能だろうか?』

『魚が多かったものねぇ〜ん♡いいわぁん!作ってあ・げ・る♡野菜や果物…デザートなんかもいいかもねぇ〜ん』

『おお!よろしく頼んだぞ!』

『ところでアナタ名前は?出来るまでは座ってなさいな。料理が出来上がれば呼んであげるわぁ〜ん♡』

『そうだったな…名乗るのが遅れてすまない。僕の名は【ベル】だ』

「ベルさん…」

『いい名前ねぇ〜ん♡ちょ〜〜と待っててねぇ〜ん!愛情を込めて作るわぁ〜ん!』



『ベルさんはなぜあのダンジョンに?』

『そうだな…僕はなぜあそこにいたのだろうか?恐らく美食の気配を感じたのだろうね…』

「えぇ…」

『だがしかし、こうしてお嬢さん方に会えたのは僥倖だったね。何しろ色々とご馳走になった上にこんなに美味しそうなにおいのする所にまで連れてきてくれたのだから!』

「ふふふ…私のとは比べ物にならないぐらい美味しいのが出てくると思いますよ?何せここにいる人たちは私と違って本物の料理人ですからね!」

『それは楽しみだな!しかし…お嬢さん、キミからはとても濃い神の気配が漂っている…僕は間違っているかね?』


ん?なにいきなり?怖いんですが?ベルさんは何か神の力的なものが感じられる方で?


「えぇ。まぁ…加護を授かっておりますね」

『やはりか…誰のものか差し支えなければ教えて頂けたりするだろうか?』

「う〜ん…まぁ、いいかな?本物のクリスティ様とアンノウン様ですよ」

『ほう?やっと動いたのか…。しかしもう1人いるだろう?キミと一緒にいたあの子だ。見習いといったところか?まさかそれほどまで信頼されているとはな…』

『えっ…?モモさんって神様なんですか?』

「まぁね!でも今は私の可愛いただの妹だよ!しかしそこまで分かっていてどうして私に接触してきたんです?」

『ハッハッハッ!見習いとはいえ神を妹と言い切るその態度ッ!実に素晴らしい!! そうだね…単純にいい料理人だと見えたのが1番大きいがその神の気配も探りたかったのだよ。しかし、杞憂だった…お嬢さんは素晴らしい料理人であり何もこの世界を害する者では無かったのでな!僕も神の端くれとして確認したかったのだよ!』

「え?神様なんです?」

『もちろんさ。この僕の神聖さを感じられなかったのかい?僕は神の1柱【ベルゼビュート】という。気軽にベルと呼んでくれたまえ。料理人のお嬢さん。』

『ベルゼビュート…【ベルゼブブ】とも言われるお方ですね。なるほど…七つの大罪の暴食としても数えられてもいるので食に関してここまで貪欲なのも頷けます。しかしここまで美食家なのですね…やはりゲームなので参考にしたものがあり、多少の齟齬や設定の違いがあるみたいですね…』


え?そうなの?詳しいですね凪さん!?ベルゼブブっていうのは何となく聞いたことある気がする!えっと…蝿だっけ?え?違うんだ… ゲームだから参考にした元々のやつと一緒にすることは無いってことかぁ…なるほど?


『よく知っていたねお嬢さん…僕の名前を。しかし、ここではもう僕も邪神になった身だ。あの神人クリスティがいる限り僕たち神々はずっと邪神として扱われるだろうね…』

「やはり元凶は王都にいるという現人神…神人(しんじん)のクリスティなんですか?」

『どうだろうね?僕は元々美食を追い求めていたのでね…故に僕自身は神でも邪神でも構わないのさ。ただ一つだけ言っておくと…君たちには()()()()()()()()とだけ言っておこう。先程のご馳走のお礼だと思っておいてくれ』

「はぇ〜…それはクリスマッマやあーちゃんと既知の仲だからですか?」

『それも確かにあるけれど…1番は食だ。僕はここに留まろうと思う。何せ異邦人の料理は美味だ!飽きることがない味であった…!!ここにいればもっと多くの美味な食べ物を食せると僕が感じているんだ。ここを離れるのは愚の骨頂さ』

『ベルゼビュート様…ベル様は異邦人の作る美食を食べ続ける為にここに留まるということでよろしいのでしょうか?そして尚且つ、敵対もしないと受け取ってもよろしいのでしょうか?』

『そう捉えてもらって構わないさ。聖クリスティ教会は僕たち神々が()()関われる範疇を優に超えている…。 お嬢さん方に力を貸す分には問題ないだろう?僕の料理人になら力を貸しても文句はないだろう?なにせ僕が認めた料理人だ…それだけでも理由は充分だと思うけどね』

「ベルさんも人が悪いですね?抜け道を探すようなことしてるじゃないですか」

『ハッハッハッ!そうだとも!僕たち神々は聖クリスティ教会の敵と言っても過言ではない!民が苦しみに喘ぎ、苦しんだのだ…信徒は僕たちの子供だとも言える。そんな子供たちに非道な行いをしてきたんだ…。神としては当然の責務だろう?』


要するに神々は何らかの制約があって直接の手出しは出来なくて、私みたいな使徒を介するのであれば聖クリスティ教会に対して力を行使できると? そして、神様たちは自らの子供とも言える信徒たちを苦しめた教会と敵対しているみたいだね…。


『そしてかの御仁…神の頂点とも言える2柱にここまで魅入られているんだ。僕としてもそう悪くない賭けだと思うけどね。違うかい?お嬢さん方は既に何か行動しようとしている』

『あの教会墓地で見たおぞましいものは神様の頂点に立つ人だった…?』

「そこまでなんですか?あーちゃんとクリスマッマには普通に友達みたいな関係なんだけど…」

『そこまで言い切るのも大概だよ?全く…お2人も今回は本気のように思える。そしてそちらの精霊を友達としているお嬢さん。恐らくキミが見たのはクリスティ様で間違いないだろう…どうやってここに降りれたのかは分からないがあの方を本当の姿で認識できるのは極わずかな限られた存在のみだからね。それこそ神になったり使徒になるとか…ね?』

『そうなのですね…私も本当のお姿を見てみたいものですね…』

『それならば熱心な信徒になればあるいは…っとと!来たね!待ちわびたよ!話はここまでだ!出来たてを食べないのは食に失礼だからね!』

『あら♡ベルちゅわんは嬉しいこと言ってくれるわねぇ〜ん?』

『僕は料理人と料理には敬意を払っているのさ。そこらの人とは思いの強さが違うのさ』

『あらっ!いい男ね♡サービスしちゃうわ〜ん!これもお食べなさいな!』

『おおぉ!?恩に着る!見たことないものばかりだ!これが異邦人の料理!とても素晴らしい!早速頂くとしよう!』


ベルさんはホントに食べるのが好きなんだねぇ。話は途中になっちゃったけど新しい情報も貰えたしやっぱり敵は王都にあり!って感じだね…私も少しもらおうかなぁ。後学のために本職の人のを食べて研究だ!もっと腕を上げて妹たちにも美味しいものを作ってあげないとね!

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