鳥…?さかな…?
____【砂上の海】____
「【砂上の海】発見者:ショーへー 推奨Lv50〜」
「ねぇ、凪。これ強いのでは?推奨が50だよ?ヤバくないです?」
『少しレベルが高いですが…ヤバいのはモンスターと言いますか…』
「今回は凪も知ってるっぽいね?」
『えぇ。私も1度行ったことありますので…』
「ふ〜ん?まぁ、いいか!行ってみよー!!」
____1階____
「おおおおお!!!すごーーー!!!私水面を歩いてるよ!?見てみてほら!すごくない!?」
『んっ』
『はわわわ…落ちないんですね…』
『わ〜こわーい!イノリ〜!!』
『ユーラさんあなた…』
凄いねこのダンジョン!水の上を歩いてるんだよ!?しかも辺りには水平線しかないね…どうやって攻略するんだ…?
「これってどうやって攻略するの?辺り一面水平線だし…モンスターも見えないけど…」
『水面から来たりするモンスターを倒すのですが…倒すとランダムでポータルが出現します。どのモンスターが鍵なのかは分からないので時間がかかる時とかからない時の差が激しいです』
「へ〜?でもおきなちゃんが言ってた貝や真珠は?採取ポイントは見えるけど多分行けない水の下なんだけど…」
『? ここは採取ポイントは無いはずですよ?全てモンスタードロップのはずです』
おきなちゃーーーーーーん!!!そういうことは言っといてね!?てっきり私海辺かと思ったよ!?砂上の海って名前の意味は何!?砂の上でもないし海の上を歩けるだけですが!?砂は下にあるよ!?砂下では!?
『あ、早速モンスターが来ましたね。お魚ですよ』
「うん?どこ?」
『んっ』
『メルティがナイフを投擲しました!!!クリティカル!!!うなぎ(Lv.46)に98,496ダメージ!!!』
『うなぎを倒しました!!!経験値を7546獲得しました!!!』
うん?ここって海だよね?うなぎって川にいるのでは? …しかも名前がそのまますぎなのでは?メルちゃんの反応速度が早すぎて私どこにいるのかすら分からなかったからね…めっちゃ遠くに死体が小さな点で見えるんだけどこれは剥ぎ取りが間に合わなさそうだね…
「メルちゃんはともかく…なんで凪は分かったの?」
『ここには来たことありますからね。モンスターがポップする時は少し光るんですよ。さっきのはたまたま見えただけです』
「ほへぇ〜どこから来るか分かるっていう運営の配慮なのか…?」
しかもうなぎとかいう黒い点…海の上にいるの。おかしくない?ここ… あ、ポリゴンになって消えた。さらば素材…
「魚でも私たちみたいに水面上を歩く?ピチピチしてるの?」
『いえ。こればっかりは見てもらった方が早いかと…メルティさん、次はねぇねにモンスターを見てもらいましょうね?』
『ん。わかった』
凪の言うことを聞いただと!?いつの間に仲良くなっていたんだ…メルちゃんは私のだぞッ!?凪とも言えど妹にするとかいいだしたらさすがの私も怒りが有頂天になりますよ!?
「なにあれなにあれなにあれ!こわいこわいこわい!こないでーーーー!!!」
私は今恐怖体験を強いられている…水面上をピチピチしながら魚が私を追いかけてくるのだ。しかもめちゃくちゃデカい…これはアカンやつや…!!!
「ちょっとーーー!?またこのパターンですかぁ!?メルちゃーん!ピーちゃん!ユーちゃん!助けてーーー!!」
『とうっ!』
『ユーラが鳥(Lv42)に87.134ダメージ!!!鳥を倒しました!!!』
『経験値を4231獲得しました!!!』
『ふんす!どう!?ボクも役に立つでしょ?』
「助けてくれるのはユーちゃんだけだぁ!」
メルちゃんとピーちゃんの方が助けてくれそうなのに何故か助けてくれなかったのよね…何故?あ、これ凪になんか言われてたな?だって凪めっちゃ笑いこらえてるもん…純粋な妹たちに何かを吹き込みやがってッ…!!!
「問い詰めるのは後にして消える前にこの鳥とかいう名前のデカい魚を捌く…もとい剥ぎ取りをしようかな」
【鳥の頭】:大きい魚のおかしら。
とある地方ではとても好まれて食べられている。
【鳥の大トロ】:大きい魚の大トロの部分。
とある地方では生で食べるという食材。
【鳥の尻尾】:大きい魚の尻尾。
可食部位が少ない希少な部位。
「ってなんでやねん!鳥じゃなくて魚やろ!」
『どうしたんです?祈そんな下手な関西弁なんか喋りだして…この前ショーへーさんにエセ関西弁はダメだと言われていたのでは…?』
「いや、ごめん。つい…」
いやね?だってそろそろ誰かツッコミを入れてもいいよね?完全な魚なのに鳥とかいう名前なんだよ?ほんとに意味がわからない… 見えなかったうなぎは…魚なのかそれ以外なのか分からないけど恐らく似たような感じなのだろうね…
「ここは頭がバグる!誰だこんな設計したやつは!」
『まぁまぁ…あまり強くないので…良いではありませんか』
クッ…なまじ食材になりそうな素材なのでタチが悪い…
「あいわかった!気を取り直して行こう!こいつは素材だ!後で食べてやる!みんなでお魚パーリィーだ!」
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『イノリが武器を投擲しました!!!うなぎ(Lv43)に74,463ダメージ!!!』
『鳥(Lv47)に67,904ダメージ!!!』
『さかな(Lv45)に83,075ダメージ!!!』
『ヘビ(Lv41)に70,931ダメージ!!!』
『カニ(Lv42)に57,076ダメージ!!!』
『貝(Lv48)に57,053ダメージ!!!』
『イノリが辺りのモンスターを蹴散らしました!!!』
『経験値を合計32,071獲得しました!!!』
「なんなの?これ?しかも投擲が中々に強すぎて声も出なかったね…」
『うなぎがウミヘビで、鳥が魚で、さかなが鳥で、ベビがウツボ、カニが二枚貝で、貝がカニ…やはりここは頭が疲れますね…』
『おいしそう』
『美味しそうですねっ!』
『ボクは少し処理が…』
「妹たちが能天気でよかった…」
なんかいっぱい来たからとりあえず挨拶代わりにアイテムボックスにある武器を【操具術】で投擲したら魔物を一掃できるぐらい強かったし、見た目と名前がほんとに一致しないのここ…。 どういうコンセプトのダンジョンなんだ!?
「とりあえず剥ぎ取りしよ…」
まぁ、分かってたけどほとんどが食材だね?海鮮系がよく採れたよ!貝からは真珠と貝殻が出たね。
【カニの真珠】:二枚貝の真珠。
二枚貝が持っていると言われる真珠。とても美しく加工などによく使われる。
【カニの貝殻】:二枚貝の貝殻
二枚貝の殻の部分。二枚合わせるとカスタネットみたいで楽しい!?
「とうとう説明文も遊び始めてしまった…ここはもう終わりかもしれない…」
『取れましたか?私はドロップアイテムで真珠が出ました』
「あ、うん。出たよ〜食材系が多いね?くっきんさんに何か作ってもらおうかな…」
『いいですね!夜にでもみんなで食べましょう』
『たべれる?』
「そうだよー。みんなで食べようねー!!」
『早く帰って食べましょう!楽しみですっ!』
『イノリも一緒に食べようね!!』
「そりゃ、もちろん。みんなと一緒だよ」
もはや妹たちの脳は食材として認識されているみたいだ…とある国で食べられているって書いてるけど日本モチーフっぽいユーちゃんの所じゃないのかなぁ? 海鮮の食べ物って日本が強いイメージあるもんね。
「ユーちゃんは生の魚とかよく食べてたの?」
『生は無いかな…生で食べれるの?』
「えっ…あ、まぁ。新鮮なら生で食べれると思うよ?」
『ホント!?』
「それなら今食べてみる?この鳥の大トロとかなら行けるんじゃないかな…あ、でも醤油とかないや…」
『醤油などの調味料は大方揃ってるみたいですよ?料理人の方々は色々集めてらっしゃいますからね』
「と、言うわけでお預けだ!早く食べたいならみんなで真珠や貝を集めよう!!カニという貝を倒そーー!!」
『何か味付けがいるんだね!?分かった!みんな頑張ろう!!』
『んっ!』
『お魚ですっ!アンノウン様がとても美味だとおっしゃっていました!』
ほーーーーん?あーちゃん魚好きなんだぁ…へぇ〜〜〜〜?今度差し入れしよっと…教会が出来たらお供えしてもいいかもね?
「よし!そうなら倒しまくろう!大して強くなさそうだしね!」
『ん!』
『はいっ!』
『わーい!』
『モンスターが食べ物としか見られてないですね…』
なんかみんな食べたがってるからね?仕方ないじゃない。姉は妹が可愛くて可愛くて仕方ないんだから…ハッ!?また我が姉の思考がッ…これはまずいまずいぞ!?これまで姉の奇行だと思ってたのが私にも理解できるようになってきてしまっている…!!




