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青空料理教室!

____【自宅】____



昨日は少し疲れたけど今日の私はひと味違う!!なんと言ってもメルちゃんたちに今日こそは甘いものを食べさせてあげるのだ!密かにくっきんさんに頼んでいた【甘露花】と【雪華】は両方お菓子などに使えるそうだ。 【岩塩鉱石】はその名の通り塩ができるらしいのでこちらも提供した。コックの人たちはって岩でも花でも加工できるのかな?


そして昨日氷の迷宮で手に入れた【バニラエッセンス】と【アイスゼリー】も渡して氷菓子を作ってもらう予定でもある。 ぐへへへへ!メルちゃんとピーちゃんを甘やかすぜ!!これは姉の役目ってどこかの誰かさんが言ってた気がする。


『おかえり祈』

「ただいまー」


この姉は帰ってきたらほとんど家にいるな?家を空ける時もあるけど基本ずっと家に居る無職だと言われても私は信じるかもしれないね。


『学校はどうだ?』

「何、急に...別にふつーだよ。可もなく不可もなくって感じ」

『そうか...』


うん?何か私に用事あるのかな?


「なにか言いたいことでもあるの?」

『あぁ、今度の攻防戦イベントの詳細が決まってな...いつもゲームのことばかり話してるから私でもどうかと思ってな...』

「別に気にしないでいいよ。わたしも最近はそっちの方が楽しいしね!」

『ふっ...そうか。楽しそうでなによりだ』


アレーーーー!?初めて姉が笑った!?え?なんですか!?この人笑えるじゃないですか!お母様のうそつきーーー!!


『それでコライユに増えた住民に関してなんだが...』


姉ってこういう説明とか好きだよね。質問しても即返してくれるし...コンサルタントとか詐欺師みたいなのとかになればガッポガッポ稼げそうですね...


『ということだ』

「なるほど多分分かった!」



・恐らく私が旗手(ロイヤル)で確定だろうということ。いまさっき携帯を確認したら運営から確定メール来てたね。色々書いてたけど結局の所はイベント頑張れって書いてた。

・私は旗手(ロイヤル)なのでコライユ村の人たちに命令が出せるそうだ。これに関してはログインしてからじゃないと分からないね。多分イベント当日になるのかな?

・ルッカから移住してきた人たちも今回のイベントに加わる為、攻撃側のNPCの人数が前より1000人ぐらい増えるみたい。この人たちも普通に強いみたい...

・今日から攻防戦イベントのエルメス(防衛)側かコライユ(攻撃)側かを選べるみたい。1度選んだら再選択は不可になるみたいだね。私は旗手になってなくても絶対にコライユ村を選んだけどね?


とこんな所かな。また前日ぐらいにお知らせが来るみたいだしその時に読み返しとけばいいかな?テストの最終確認は大事だからね!! さぁ速攻でログインだ!


____ナビのアトリエ____




「ねぇ、メルちゃんその子は?」

『ねこ』

「えぇ。ルッカに居た猫又ですね。なぜにメルちゃんが!?」

『使役した。会話できる』


ちょっとーーー!?猫又さんアンデッドなんですかぁ!?しかもそんなひょいひょい使役されたら私が構ってもらえなくなるじゃないですか!?


『にぁぁぁ...』

『ねぇね。ご飯だって』

「?ちゅーるる?」

『ちがう。あぶら?』

「あ〜なるほど!え?あれご飯にできるの?ただの油だよね!?」

『おさかな』

「うん?ちょっと買ってくるから待っててね」




商店に行って買ってきた。女将さんの所も改築するらしく暫くは小さいところで商いをやるみたいだ。 しかも聞いたところ油のこれには魚醤が混ざっているらしい...魚だから食いついてたんだねえ。


「ほれ、たべてみ?え?ダメ?また私の髪の毛使うのか...」


何だこの猫又...メルちゃんに抱かれてるからっていい気になりやがってッ...!!私はいつもめるちゃんを抱っこしてるんだぞ!?どうだ!羨ましかろう!?


「はい、できたよ。おたべ」

『ニャニャ!』

『ん。おいしいって』

「それはよかった!」


うんうん。メルちゃんが嬉しそうならそれでいいや...ていうかこの猫又メルちゃんのペットになったのね?ビーストテイマーさんのお仕事無くなっちゃったね哀れ...


「その子の名前とかつけたの?」

『ん。つけた』

「なんて言うの?」

『ねこまたん』

「ねこまたん...」


安直なのに少し可愛く聞こえてしまうのはメルちゃん補正かしら...? しかしもう少しポチとか太郎とかタマとか色々良さそうなあったよね?


「その猫まt『ねこまたん』その『ねこまたん』猫ちゃんは...『ねこまたん』んんっ!ね『ねこまたん』」


やばいぞ...メルちゃんの【ねこまたん】推しがやばい...。もはや変える気がないな?まぁ、私は喋れないからいいけど...聞こえたとしてもエサ係としか思われてなさそうなんだよねぇ。


「わかった!君は今日からねこまたんだ!よろしくな!」

『メルティの使役アンデッドが【ねこまたん】と命名されました!!!』

「え?私に命名権あるんです?」

『ん。ねこまたん』


あっれぇ...?猫又の名前を私が決めるんですね?プレイヤーなんだからそうと言われればそうなんだけど...私のスキルじゃないしメルちゃんがつけてもいいのでは?


『ニャァァァ』

「ねこまたん...随分可愛らしくなったねぇ...」

『ん。ペット』


やだこの子!?使役アンデッドじゃなくて【ペット】と言い切りましてよ!?これはまたナビちゃんに迷惑かけるね... あれ?ナビちゃんは?


『あ、イノリ!来てきて!なんか面白いことやるらしいよ!』

「ん?村で何かやってるのかな?」


____コライユ村____



「なぁにこれぇ...。しかもちゃっかりピーちゃんとユーちゃんもいるじゃん...」

『あっ!イノリさんっ!こんにちは!』

『あ、イノリだぁ!いえーい!』

「こんにちは...これは?」

『なんでも【神々の黄昏】ギルドの料理をやっている人たちが青空料理教室なるものを開いてるそうですっ!』

『食べれるって聞いたからボクたちも来たんだぁ〜』


ふんふん...確かにくっきんさんたち、神々の黄昏メンバーのコック集団がでかでかと青空料理教室と書かれた看板を立てた広い敷地に色々料理道具やらキッチンやらを持ってきてるね... どうやって動いてるんです?アレ?


『あらぁ〜ん?イノリちゅわ〜んじゃなぁ〜い♡』

「あ、くっきんさんどうも!...これは?」

『ふふっ...これはねぇ〜?イノリちゅわんが色々持ち込んでくれたおかげでぇ開催できたのよぉ〜ん♡』


【甘露花】や【雪華】の事だろうか?使えるっていうところまでは教えてもらってたけどその使用方法とかは聞いてなかったね...


『なんでもぉ〜ウチのコックたちが作った物をコライユ村の人たちにぃ分けてあげたらぁん...とても好評だったのよ〜ん♡ そ・れ・で・うふんっ♡アタイたちが手取り足取り腰取り教えてあげるのよ〜〜ん!!』

「へぇ〜!!これって何作るんです?」

『【雪華】や【甘露花】から抽出した蜂蜜を使った料理教室よぉ〜〜ん♡』

「あ、あのふたつは蜂蜜になるんですね!」


言われてみれば確かにここにはコライユ村のNPCの人たちがおおいね?ギルド神々の黄昏も村の人たちに認められた証だね。


「あっ!そうだ!これって使えたりします...?」

『どれどれぇ〜ん?.....ファッツ!?これはこれは...一大事ねぇ〜ん?ちょぉ〜〜と待っててもらってもいいかしらぁ〜〜ん?』

「あ、はい!」


あれ?姉から氷の迷宮で取れた素材の報告はいってないのだろうか?てっきり報告してるのかと思ってたね...


「あ、帰ってきた」

『ちょぉっとぉ〜♡アタイたちもこれは新しい素材なんだけどぉ〜』

「あ、全部差し上げますので!試作でも貰えたらなぁ〜って...?」

『あらぁん!さっすがギルマスちゃんの妹ねぇ〜ん♡わかったわぁ〜ん!今から試させてもらうわねぇん?新しいのを見てアタイたちもウズウズしてるのよぉ〜ん♡』

「えぇ。どうぞ!」


こちらをチラチラ見てたコックさんたちも嬉しそうに声を上げてたね...この人たち平日の夕方なのにログインしてて大丈夫なのだろうか?飲食店って仕込みとかないのかな?


____________________




『いいものができたわぁ〜ん♡どうぞ♡』

『くっきんから【バニラゼリー】を受け取りました!!!』

「わっ!ありがとうございます!早速食べてみても?」

『いいわよぉ〜ん♡』


ふんふん...見た目は氷菓子のシャリシャリ系かな?お団子みたいな粒になっている...もう少し凝ったのができると思ったんだけど結構まんまのモノが出てきたね... どれ1口...


「ん?なんだこれ...新食感...ぷにぷに...シャリシャリ...もちもち...お団子?」

『そうなのよぉ〜ん♡今まで食べたことない食感でしょぉ〜ん?』

「そうですね!美味しいですね!バニラ味の団子って感じです!」


なかなか面白い食感だ...ん?メルちゃん食べてみたいの?はいあーん...


『んっ!おいしい』

「おー!そっか!そっか!まだあるからたんとお食べ!」

『ありがとねぇね』


あぁ^~癒されるぅ^~私は素材提供しただけだけどこの笑顔の為に私は生まれてきたんだッ...!!


「あ、ピーちゃんとユーちゃんの分もあるよ。はいこれ」

『わっ!ありがとうございますっ!』

『やったぁ!さすがイノリ!』

「急いで食べたら頭痛くなるから気をつけてね?」


ふふふ...くっきんさんは笑顔で見守ってくれてるし、ちゃんと私たちの分もくれていたいい人だぁ!


『さぁ〜て♡それじゃぁ〜ん?料理教室始めましょうかぁ〜ん♡』

「あ、そういえば料理教室だった...これって私達もできるんですか?調理って職業なんですよね?」

『できるわよぉ〜ん♡職業は【料理人】よぉ〜♡料理人はぁ〜ん補正がかかったりぃん...加工や普通では作れないようなモノが作れるようになるだけよぉ〜ん♡だ・か・ら♡普通に作る分には問題ないのよぉ〜ん♡』


普通に作れるんだ...ただしバフは【料理人】の特権だったりモンスターの素材なんかも扱えるようになるって感じなのかな?だから青空料理教室なんてやってるんだ...


『はぁ〜い♡今日集まってくれた人たちはありがとねぇん♡ 早速料理教室を始めるわぁん!今日は蜂蜜とさつまいもで大学芋を作るわよぉ〜ん!』


なるほど...子供も食べやすいやつだね。水にさらしてから水を切って、さつまいもを揚げてから醤油と水そして砂糖の代わりに蜂蜜っていうところかな。へぇ〜これがコライユ村の人たちにウケたんだぁ!


『あれ?姐さんの妹さんは作り方知ってるのかい?』

「あ、はい。料理は少し出来ますので...」

『なるほどね...素材をありがとうね。ここでは新しい物が色々試せていい刺激になってるんだよ』

「そうなんですね...これからも何かあれば提供しますので、出来たものを頂戴しても?」

『あぁ、もちろんさ!もちろんあの子たちの分も作っておくさ』


ここのコックさんいい人だ!!手順は現実と変わらないっぽいね?何かほかに食べれそうなの無いかなぁ...ん?【氷板】があるね?この氷の板をかき氷とかできないかしら?


「これって使えたりします?」

『ん?あぁ、それは使えるけどすぐ溶けちゃうから削るぐらいしか出来ないよ?』

「それならかき氷を作る機械とかって...」

『僕がやるよ。そういうのって料理人のスキルであるんだ』


すごい...この人包丁でこの薄い氷の板を削ってるよ?めちゃくちゃ薄く...それこそかき氷みたいな感じになってる...あ、器にも盛り付けてくれるんですね?


『はい、どうぞ。料理人は技とスピードそして盛り付けで出来栄えが変わるんだ。料理バフって言われてるのもこれだね...。後は味付けでステータスの上がり具合が違ったりもするよ』

「ありがとうございます!」


そうなんだ...料理人って現実と変わらないんだね。しかも美味ければそれだけバフもかかるみたいだし凄いなぁ...コック集団は本職の人だらけだし...このギルドもしかしてヤバいのでは?


この出来上がったかき氷に全部乗せちゃおうかな...かき氷を土台にして、お団子型の【バニラゼリー】とさっき作った【蜂蜜大学芋】...そして追加で【蜂蜜】と塩味を持たせる【塩】を上からかけて...


「かんせー!本日の欲張りかき氷スペシャル!!」

『いいねそれ...』

『あらぁん!さっすがイノリちゅわ〜ん♡』

「あれっ?」


集中してて気づかなかったけどなんかみんなこっちみてたね?アレ?もしかしてこれ食べたいの?あ、うん。はい。氷板分けますので本日はこれを青空料理教室で振る舞いましょう。いいですか?


「え〜っと...みんなで食べましょう!在庫は...ありますので!」

『んっ!』

「あ、これメルちゃんにあげるね!ピーちゃんとユーちゃんにも作ってあげるから待っててねー」

『はいっ!ありがとうございますっ!』

『やったー!!早く〜!』


ふふふふふふ...まっとれ!!ピーちゃんとユーちゃん...私が今つくってやろう...バフは無いけど許してね?





『んっ!』

『おいひいでふっ!』

『うまぁ〜い!』

「そっか!そっか!それは良かったよ!」


うんうん!好評で何より!コライユ村の人たちも喜んで食べてるしみんな甘いもの好きだね?あ、そっか...コライユ村は自給自足だからこういうのはあまりないんだったね...コライユ村のためになりそうだし、これからは食材になりそうなのも定期的に探しに行こうかな?


『イノリちゅわ〜ん♡今日はありがとねぇ〜ん♡おかげでいいものが見れたし作れたわぁ〜ん♡はい、コレ♡』

『くっきんから【かき氷スペシャル】を受け取りました!!!』

「謹んでお受けいたします」

『まさか出来たての【バニラゼリー】をも使うとは思わなかったわ〜ん♡』

「でしょう!?私はただただ出来たのを乗せただけですけどね」

『これからもよろしくねぇ〜ん?』


料理も楽しいし料理バフも大切になるだろうから今後ともいい関係で行きたいね...そろそろ夜ご飯作らなきゃだから一旦ログアウトしよっかな!



【かき氷スペシャル】(エピック):食べると防御+200 持続時間:30分 また凍傷、凍結状態異常無効 持続時間:3時間

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