氷の迷宮 Part3
絵と両立するには時間が無く、雑な大ラフで申し訳ありませんがそれなりの雰囲気を感じていただければ…
____【氷の迷宮】3階____
アイスタイガーは強敵だったけどなにかのギミックっぽいね。次に遭遇したらもっと楽に倒せそうかな?
「うん?また違った空間になったね?」
『これはトラップ階層か...厄介だな』
「罠だけの階層ってこと?」
『せやな。即死級のがあったりするから気ぃつけや?』
「うわぁ...まじですかぁ...」
先程とはうって変わって迷路みたいに道が別れているのではなくただの一本道になっているように見えるんだよね。 しかも一本道の奥にポータルが見えてるからモンスターが出ない代わりに何か罠が出てくるらしい...
「これってどうやって攻略するの?」
『シーフ系がパーティーメンバーにいない場合基本的には投擲アイテムを投げて攻略だ。踏んだり通過すると発動するのが多いからな』
『ここもあったんかトラップ階層...攻略したすぎて忘れとったわ!』
『メルティさんの探知スキル?があればなんとかなるのでは?』
「お、凪天才か!?メルちゃんどう?」
『?』
「メルちゃん終了のお知らせ!!!」
そう!メルちゃんの謎のソナーが役割を果たさなくなってしまったのだ!!これはまずいぞ!?私たちに罠を探知するスキル持ちなんていないし... あれ?さっき戦闘に参加してない子がいますね?少し働いてもらいましょうか...
「ほれ!いけ!はいどーーーん!!ユーちゃん!キミなら罠を探知出来なくても避けれるさ!応援してるよ!!」
『ちょっとイノリ!?押さないで!?なんでなのさーー!!!うわっ!ちょ...ッ!うわぁぁぁぁ!!!イノリがいけずするぅぅぅぅ!!!』
ふはははははは!!なんとでも言うがいい!そして罠を作動さながら進め!後退は許さぬ!さぁ逝くのだ!勇者よ!
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『ぐすん...』
「ユーちゃんが向こうまで行けたみたいだからみんなで行ってみよー!!」
『祈...』
『ちょっと可哀想やったな...』
『でも全てを避けたユーラさんも凄いですね...』
『ユーよくやった』
『凄いですよー!!ユーラさんっ!!』
『ぐすん...結構楽しかった...』
あれぇーーー!?あの人あれを楽しんでたの!?床から氷の槍が出てきたり壁から何か出てきてたりもしてましたよ!? 反省させるつもりが楽しませていたとは...一生の不覚...
『あ、イノリそこ気をつけてね?作動させてないから』
「は?」
『おかえし!』
「はぁぁぁぁぁぁぁ!?ヤバいっ!落ちるうぅ!!なんか落ちたら串刺しにされそうな氷のトゲトゲがいっぱいある!たすけてぇ!落ちるう!!」
『ぶわぁっハッハッハッ!!どうだイノリ!ボクにかかればこんなこともできるのさ!』
「ちょっとーーーー!?落とし穴とか聞いてないんですけど!なんとか耐えてるけど床は氷なんで滑るんですが!?あと、みんなも見てないで助けてぇ!?」
『自業自得だ』
『さすがに...なぁ?』
『祈...少しは反省しましたか?』
『ねぇねたのしそう』
『そうですねっ!』
みなさーーーーん!?ユーちゃんより私に同情して!?そして助けてくれぇ!!あれが即死級のトラップなのでは!? ん?ポチッ?穴に落ちかけてる足で何か押したみたい...
「なんか押したっぽい!助けてー!ヘルプミー!!!」
『あ、落とし穴の真ん中に氷の宝箱が出現しましたよ?』
『む、初めて見るな...どうだ?ショウ』
『ワイもやな...こんなあからさまな罠に引っかかって暴れるなんてしやんわ普通』
『メルティさんアレを開けてこれますか?恐らく祈のアイテムボックスに入るのでそれで回収できるかと』
『ん。箱、開けるとねぇね喜ぶ』
「ちょいちょいちょい!?下を覗き込んでないで私を助けてよ?ちょっと腕が限界なんですが!」
『ふふん!反省した?助けてあげようか?』
「しました!ごめんなさい!!!ユーちゃんすみませんでしたぁぁ!!」
『しょうがないなぁ...はい』
「ユーちゃん...」
ハァハァ...変なところで体力使ってしまった…落ちないように踏ん張るのもなかなかきついって知ったね...宝箱は嬉しいけどユーちゃんは許せん!許さんぞぉぉぉ!!!
『?法器を入手しました!!!』
「法器...?本のやつだよね?」
『法器やと魔術系か?ワイはええわ。使えん』
『魔術系が使う武器だな。杖と法器を片手ずつ持つものもいるぞ』
『私のは両手杖なのでこれが持てなくなります...』
「あ、じゃあこれ貰っていい?」
『いいぞ』
『ええで』
『はい、どうぞ』
ヤッターー!!現状誰も使えない武器を貰った!素材にしてやるぜ!
『あっ、私法器扱えますっ!』
「え?」
『素手でも大丈夫ですがっ!触媒があれば更にお役にたてるかとっ!』
「そういえばピーちゃんここまで素手で魔法使ってたもんね...よし!わかった!帰ったらピーちゃんの武器を見繕おう!」
『はいっ!ありがとうございますっ!』
わーーーい!パーティーメンバーの装備が更新されるよ?私以外は初期装備なんだよね... あれ?そう考えたら装備をガチガチに固めてる姉やショーへーさんと同様のダメージ出してるこの子たち相当やばいのでは?
『さて、進もうか』
『祈、いきますよ?』
「あ、はーい!」
____【氷の迷宮】4階____
「あ、戻ったね。何階まであるんだろう?」
『今見付かっているので最高は11階層だな』
『せやな。でもあそこみたいな感じは無いし...ここは1桁で終わりそうやけどな』
「あ、それフラグって言うんですよ?」
『ま、ワイの勘やしな。外れたら外れたでそん時や』
『前向きですね...』
11階層かぁ...そんなにあったらちょっと厳しいね?既に耐寒トローチが3つ目なので2時間以上はここに潜ってるんだよね...そうなると数が心配だね。
『きたな...?【こおりおばけ】?未確認のモンスターだ気をつけろ!』
『ゴースト系で色が変わっただけやな!弱いやろ!行くで!』
『ほいっ!』
『Miss!!ショーへーの攻撃が無効化されました!!!』
『なんやこいつ!?物理無効化やと!?ゴースト系でも効くはずやろ!?』
え?そうなの?スライムが物理無効なのは分からないけど、あの実体が無さそうな氷の色したゴーストに物理攻撃が効く方がおかしいと思ったんだけど... ああいうのって魔術だけ効くんじゃないの?
『光!ライトショット!』
『ナギが【ライトショット】を発動、こおりおばけ(Lv54)に67,845ダメージ!!!』
「ほらぁ〜!!こういうのって絶対魔術だけしか効かないって〜」
『雷遁!電!』
『アネが【電】を発動、こおりおばけに27,864ダメージを与えこおりおばけを倒しました!!!』
『経験値を1454獲得しました!!!』
うわぁ〜〜.....。このこおりおばけっていうモンスター体力多い上に魔術しか効かないけど経験値が渋いね...
『攻撃もしてこなかったな...?そういうタイプのモンスターか?』
『せやろなぁ。ダンジョン入ったら結構見るタイプやしアイツは避けた方が良さそうや。経験値もないしドロップもない、やるだけMPが無駄や』
『そうですね!たいした脅威も無さそうですし見かけても放っておきましょう』
うーん...?あのこおりおばけっていうモンスター死霊属性だよね?不死属性の下位互換だしアンデッド使役ができるメルちゃんなにか分かるかな...?
「ねぇねぇ、メルちゃん。さっきのこおりおばけっていうモンスターなにか言ってたりした?」
『ん。なにも?』
「そっかぁ...また出ると思うからその時に何か喋ってたりしたら教えてね?」
『んっ!』
「お、ほーれ!よしよしよしよし!いい子だ!メルちゃん!」
死霊属性ってだけで何でもかんでも意思があったりはしないんだね。前みたいに勝手に使役とかされたらそれはそれで困るけど...
『複数のモンスターがこちらに来た!準備しろ!』
『なんやエライ未確認のモンスターが多いなぁ...』
『ここからは出てくる数が多くなるのかもしれないですね...』
ええっと...?【アイスゴーレム】と【アイスン】と...アイスクリーム!?あのアイスンっていうモンスターの見た目が氷のソフトアイスクリームなんですが!? なにあれ可愛い!!お持ち帰りしたい!
「あのアイスンっていうの私にやらせて!持ち帰る!」
『無理だ諦めろ』
『祈、いくら可愛いからって無理なものは無理ですよ』
「そんなぁ...」
『あとはあの【アイススライム】っていうのも初めてやな。氷系ばっかやなぁ!』
ぐすん。いいもん!あの子持ち帰るもん!
『炎!ファイアボール!』
『ナギが【ファイアボール】を発動、辺りのモンスターに合計87,875ダメージ!!!』
『火遁!火炎放射!』
『アネが【火炎放射】を発動、辺りのモンスターに合計62,746ダメージ!!!』
『紅櫻ッ!』
『ショーへーが【紅櫻】を発動、辺りのモンスターを蹴散らしました!!!』
『経験値を123,796獲得しました!!!』
え?私のアイスンも凪のファイアボールや姉の火炎放射に巻き込まれて亡くなられたのですが!?あとショーへーさんも火属性の攻撃出来たんですね...
「ん!?死体が残ってる!わーーーい!!剥ぎ取りじゃぁ!!」
ふふん!お前らは良い奴だ!氷のゴーレム以外は残ったね!アイスンも溶けてるけど残ってる...こんなに可愛いのに...
【アイスゼリー】:アイススライムからとれるぷるぷるしてるゼリー。口に入れるとひんやりする。
ある土地には食材にして食べる風習があるそうだ。
【バニラエッセンス】:アイスンからとれるエッセンス。アイスンが体内で蓄積させていた塊。
このエッセンスはどこか芳醇な香りがする。
「ふぁぁぁぁぁ!!!アイスの素材きたぁぁぁ!!!」
『ん?そんなによかったのか?』
『くっきんのおっさんに渡したら喜びそうなやつがでたっぽいな!』
『アイスですか!是非食べてみたいですね!』
「そうだ!私は食べてみたい!そしてメルちゃんたちに食べさせてあげるのだ!まってろアイススライムとアイスン!お前たちは食材だ!みんな!いくよっ!!」
『さっきの持ち帰るとか言ってたのは素材の事だったのか...』
『お義姉様違うと思いますよ...』
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「大量だァ!!経験値も美味しい!素材も美味しい!ここはまさに!パラダイスッ!」
『ねぇねたのしい?』
『イノリさん楽しそうですねっ!』
『錬金術士ってみんなあんな感じなの〜?』
ポータルを探してたんだけど予想以上に敵の数が多くなってきて、その上迷路も相まって相当な数の素材が手に入った。全てアイスの素材だ!! 私は甘いものがあんまり好きじゃないけど、食べた事なさそうな妹たちに振る舞うのが今から楽しみでしょうがないのである!ここに雪華と甘露花を...ぐへへへへ! 妄想がひろがりんぐ!絶対美味しいものを食べさせてやるからなぁ?期待しててよね!!
「ふぃーー!大量!大量!次行くどーー!!」
『いきなり元気なったな...』
『生産職はみんなあんな感じやろ』
『ふふふ...また祈のコレクションが増えました...』
「きたー!!そざいー!!みんな!やっておしまい!」
え?私は何もやらないのかって?そりゃ、火属性が使えませんからね。そこは凪先生と姉にお任せですよ。爆弾なんていちいち使ってたら数が足りなくなりますから!
「うんうん!レベルも上がっていい調子だぁ!ここを氷のパラダイスダンジョンと名付けよう!」
ふんふんふーん!おかげさまで私は55レベルになり、メルちゃんは43、ピーちゃんが23でユーちゃんは6になりました!!!いいぞぉ!ここは楽園だ!もっとサクサク行ってみよーー!




