錬禁術サイコー!!
____自宅____
「そういえばさ、おねぇはアークスオンラインの色々情報集めてるの?」
『いや、ウチのギルドメンバーが勝手に調べたりもしているな。もちろん私自身も集めているぞ?情報は力になるからな』
「へぇ〜」
今は姉と朝ごはんのパンを食べながら会話している。パンって食べてると水分欲しくなるよね?
『今日はまたルッカに行くのか?』
「多分ね〜猫又っていうのが気になるの」
『私もあれから少し猫又について調べたのだが、挑んだプレイヤーは凍結状態になり戦闘不可に陥るのが多いそうだ。対策として寒さの状態異常を緩和するのもあるのだが…これは1つ5万ギルもする』
「うわ、たっかぁ!ぼったくりじゃん!」
『売っているのはNPCなのだが、その効果もひとつにつき30分と短い…』
「効果が短い上に高い…そりぁ猫又攻略も諦めたくもなるね。デメリットが大きすぎる」
『あぁ、だから攻略組も挑んだがすぐに撤退したんだろうな。王都の方は残念ながら新情報はなしだ』
「レベル100以上確定のフィールドをそう簡単に通してくれないかー」
私もそう簡単に行けそうにないしこの辺りは攻略組に任せてメルちゃん達とレベルあげないとね…
「おねぇは今日どうするの?ルッカくる?」
『いや、遠慮しておこう。ギルドメンバーに色々と情報持ってるやつもいるだろうからな。そいつらに話を聞いたりするつもりだ』
「うんおっけー!ではお先に!」
ふふふ…私は今日も可愛いメルちゃん達に会いに行くのだ!!
____ナビのアトリエ____
「それでね?なんかないかなぁ〜って」
『凍傷状態に凍結状態…確かにあそこら辺はあるね。そこに行くまでに何か採れたりしなかった?』
「あっ!これ!雪華!」
『それを使ってみるのは?』
「おおお!天才か!?確かに雪が積もってても咲くぐらいだし自ら熱を…?そうなれば早速錬金だー!!」
そいっ!恐らく雪華は寒さに強いのではなく熱を発しているのだろう。そうでも無ければ雪の中で咲くなんて出来ないはずだ!
「雪華と合うのは…綺麗な水と、霜の雫かぁ何になるんだろう?」
とりあえずやってみようかな…まずは雪華を入れて…予想通り火に強いね。この子は最大火力の方がいいっぽいかな?そして扱いの難しい水を…火力を弱めてかき混ぜていく…ん?ダメっぽい?黒くにごってきた!
「これはまたしても材料が1:1じゃないパターンだな?」
何度か試した結果雪華が3に加え、水が1の割合が良かったみたいだね。出来たのはこれ
【耐寒トローチ】(アンコモン):熱を発する雪華の蜜で作った飴。1時間の間凍傷状態、凍結状態を防ぐ効果がある。
寒さに強いのではなく熱を発するということに気がついた結果生まれた黄色のトローチ。
「きたぁ!!ナビちゃんありがとう!!これで雪国もへっちゃらだ!失敗して数が心もとないから雪華と霜の雫を取りに行ってくる!」
霜の雫と綺麗な水の違いは効果の持続時間だ。水だと30分になるが霜の雫だと1時間と効果が2倍になるのである。やはり近場のフィールドに攻略に必要なものはあるものなのだ!
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「とってきたー!みんなはまだ寝てるみたいだけどナビちゃんと二人きりも結婚生活みたいで悪くないね!」
『私が嫌なんですけど!?』
みんなはコライユのギルドルームにいるみたい。一人一部屋…計3部屋ここのギルドハウスのポータル部屋を除く全部の部屋を使っているんだよねギルドメンバーの皆様申し訳ない…誰も来ないみたいだし別にいっか!
あの後ギルドハウスでルッカにワープして取りに行ったけど特に何事もなく終わった。騎士に追いかけられるのとか慣れてきたしね?
「ふふん!30個もあれば充分だろう!でもピーちゃんが言ってた浄化?は多分聖属性なんだろうけど…私もなにか作れそうなのあるかなぁ?」
ふーむ…私のアイテムボックスとにらめっこだ!剥ぎ取り素材は人間だけが今のところ使い道が未だに見つからないのが難点だよねぇ〜そうなれば倒しても経験値すら貰えない騎士なんかを積極的に狩りに行くんだけど…
「ナビちゃん、何か浄化作用のありそうなモノ知らない?」
『うーん…聖属性を含んだ素材を使えば何とかなるかもねぇ。ただこれは希少なのか値段が高かったりするからあんまりオススメしないね』
「高いのか…採取できる所は?」
『私が知ってる限りだとダンジョンかなぁ。採取できる所もあるらしいんだけど、宝物庫なんかにはよくあるってウワサだよ』
「道のりは遠い…」
うん?待てよ?私は錬禁術士なんだ…自分自身も素材に出来るって言ってたよね…?この髪の毛とか聖属性なのでは?ここはゲームだ!いけるっ!!えい、ぶちっ!
「ふぉぉぉぉ!!!取れたぁぁ!!」
【使徒の髪の毛】(レジェンダリー):神に祝福された力が宿っている綺麗な髪の毛。
持ち主から離れても未だなお輝き続ける様は神の力だろうか…
「ヤッターー!!私ってば素材の宝庫なのでは!?」
ぐへへへ…髪の毛は耐久値が低いのか1発で取れたね…何本か取ってみよう…ここでは髪の毛が無くなってもすぐに生えてくる仕様みたいだね。
「うーん…あとはどうしようかなぁ…これに合うものは…」
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コライユ村の商店にやってきた。商店とは言っても200人余りの小さな村だからログハウス風の一軒家なんだけどね。
「おはようございます!お邪魔しますー」
『おう、らっしゃい今日は何が欲しいんだね?』
「何か合成に使えそうなものをと思いまして…」
ここには何度か足を運んでいる。名前は知らないけど気前のいい女将さんが出てきてくれるのだ。神の使徒ということで少しだけ値段の割引をしてくれるのでとてもいい人だ。
「ギルは沢山あるし…素材カテゴリーのやつをいっぱい?でもそれだと…うーんどうしよう」
『何かイメージとかは無いのかい?何に使用するとかさ言ってくれれば私もアドバイスはできるさ』
「えっとですね…猫?が興味を持ちそうなものって…」
『猫かい?それなら…これとこれと…これかな?』
女将さんが差し出してきたのは猫が遊びそうなおもちゃや猫じゃらし、油が入った瓶などだ。
「では、それを頂けますか?」
『はいよ!毎度あり!少しまけとくよ!また来てくれよ!』
「はーい!ありがとうございました〜」
____ナビのアトリエ____
「ただいま〜あ、メルちゃんおはよう」
『ん』
『この子なんでか勝手にウチに来るんだけど…』
「私の教育の賜物ですね!」
『背が低くて見えないからお客さんと勘違いしちゃいそうだよ…全く』
ナビちゃんや…私はここが1番落ち着くのだよ…メルちゃんもそれを感じ取っているのではなくて?
「ではでは猫又攻略の道具作成と行きますか!!」
まずは定番の猫じゃらしなんだけど…これは素材に向いてないみたいだね。おもちゃも…向いてないショボーン…そして何故かラインナップに入っていた油が私の髪の毛と相性を示したのだ。なんで?
「よし、それぽーい!いけ!油なら調理は簡単だぜ!!」
虹色の水面をした合成釜に瓶ごと投げ入れる…これは火力調節も要らないっぽいね?まぜまぜ…そして行けっ!私のキューティクルな髪の毛!油と混ざるんだ!
「これはっ!髪の毛が足りない!?それっ!」
合計4本もの私の美しくて尊い髪の毛を投入した。合計投入回数が5回だから危なかったかも?
「でけたっ!」
【碧のオイル・聖】(レア):油に聖属性が混ざった碧色のオイル。何故か神聖な香りが漂う
市販の油に聖属性が混ざっただけの油。しかし使い道は少ない
「う、うーん…?イマイチなのかなぁ?」
『へぇ〜さすがは邪神様の加護だね。自分を素材にするなんて面白いね!』
「でしょ?…でもなんかイマイチなものしか作れなかったみたい」
『そういうこともあるさ。錬金術の可能性は無限大だ!その今作った要らない物だと思っていた物が後々凄いものを生み出したりするんだよ!私には全ての素材がお宝に見えてしまうほどに!』
「オタクスイッチ入っちゃった…」
メルちゃん助けてぇ…あ、やっぱりスライムベッドお気に入りなんですか?どれ…私も
「すごぉぉ!なにこれ!めっちゃ気持ちいい!コレいいね!ぷにぷに触感で形が変わるなんて…私はなんてものを生み出してしまったんだ!」
『あ、それ私の休憩する時のベッドになってるから。いいよねそれ』
なん…だと…?ナビちゃんのベッドに私が今メルちゃんと乗っているのか!?そんな聖遺物を私が使っているのか?
「うーん!!たまらん!!いいね!これ!最高だァ!」
『ん。これ、すごくいい』
「でしょー!?私が作っだからね!メルちゃんもナビちゃんも好きに使っていいよ!」
ふっふーん!!これは私の最高作なのでは!?やっぱり錬禁術サイコー!!!
『おはようございますっ!』
「お、ピーちゃんおは〜」
『んっ』
『モモもおはよう…ぐすっ...私のアトリエがたまり場に…』
ナビちゃんが何か嘆いてるけど知らない!ここは私たちのマイホームだ!よぉーしこの耐寒トローチと油でルッカに行くぞー!待ってろ猫又!




