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私何かやっちゃいましたか!?

あの後凪は精霊魔術師になったみたい。あの本は読めないらしくユーちゃんに言葉などを教えてもらうそうだ。美少女とみっちり2人きりで教えてもらうとかうらやまけしからん!…っというところなんだけど造語を作ったのかな?ゲームの制作に力をいれてるねぇ運営さんよぉ!


そして私は今ギルドハウスのアトリエを訪れていた。ここは実験室のようなところだ。なにか錬金術に関係あると思うし情報収集は大切だからね。


「さっきぶりですーぽむぽむさん!」

『おっ、早速来たねー君のお姉さんも人使いが荒いね全く…私にはこのアトリエを大きくするという野望があるというのに…』


やはりこの人は一言二言多いね…木々の思わせるような色で腰にまで届きそうな長い髪はボサボサで、瞳は燃えるような綺麗な赤い色をしている。そして研究者よろしくなメガネをかけているのだ。白衣も来ている。ここまでくるならぐるぐるメガネかけていて欲しかったな?もっとちゃんと整えれば可愛いのに…


『して何用かね?錬金術士殿?』

「あ、はい!アトリエと聞いてどんなことをしているのかなぁ〜と!ぽむぽむさんは薬師?ですか?」

『そうだね。主にポーションを作ってるのさ。錬金術士よりかはいいものが作れるよ?とは言ってもポーションだけだがね?』

「やはり薬師のほうがポーションは上…薬師の方ってどうやってポーションを作るんですか?」

『何簡単さ。そこに瓶があるだろう?理科の実験よろしくのような事をするのさ』


そう言うと実際にやって見せてくれた。素材を瓶にいれて煮詰めて掛け合わせるといったようなものだ。確かにこれなら品質が高いのもうなずける。


「ポーションってHPやMP回復以外はないんですか?」

『ない訳では無いよ。HPやMPを回復するポーションに追加で効果を付与するんだ。例えばこれとかね、追加で素早さが上がる。入れる素材によって変わってくるんだよ』

「すごいですね…」


どうやら普通に回復ポーションを作る過程で別の素材を追加すれば各種ステータスを上げるポーションも作れるらしいのだ。錬金術でも活かせないかな?


『でもこの効果はあんまりだね。おそらくこの追加でステータスをあげるような効果は君たち錬金術士の得意とするところだろうと私は睨んでいる』

「その心は?」

『これを見てほしい』


そうして渡された素材を確認してみると錬金術で作られたものだというのがわかった。


【マナポーション・改】(コモン)

改良されたマナポーション。MPを回復し、素早さを一時的に引き上げる


MP回復500 素早さ+10(30秒持続)


錬金術によって改良されたマナポーション。


『どうだ?分かっただろう?対して私のは10秒間素早さをたった3上げるだけだ。そしてこれらの結果から導き出されるのは…』

「薬師は回復力、錬金術士は付与能力が高い?」

『そういうことだ。いやぁさすがはあの天音の妹さんだ!あの怒ったような怖い顔も見る影もないね!ほんとに姉妹なのかい?』

「ッ!分かりますか!あの怖い顔!お父さん譲りの顔でめちゃくちゃ怖いんですよ!」


そう言いながらぽむぽむさんの手を掴み、上下にブンブン振る。同士だ…何故か世間から見た姉はカッコイイ系みんなが口を揃えていうのですよ!?


「いやぁ〜ぽむぽむさんとはいい間柄に慣れそうですね!」

『そうだね。薬師と錬金術士…手をとりあえば凄いものを生み出せるとは思わないかね?イノリくん?』

「それはッ!」

『ふっ…分かってくれたかい?私たち生産職と呼ばれている者はお互いの力を最大限に引き出せる。私はそう思っているね』


なるほど!私はポーションを作るんじゃなくて完成したポーションを錬金術で色々な効果を付与を出来るのか!これは薬師の皆さんと仲良くしておかないと!


『どうだ?少し興味が湧いたかね?早速やってみるかい?私もイノリくんの錬金術を拝見させてもらいたいのでねこの回復ポーションを素材にしてくれたまえ』

「はい!ありがとうございます!」


ぽむぽむさんから貰った回復ポーションはHPを200回復するポーションだ。私の劣化ポーションと比べたら回復力が段違いだね…


「では、合成釜をお借りして…行きます!」


私は最初に完成された回復ポーションを釜に投入する。次にそれに合う素材を探すのだ…素材が光ると相性がいいみたいなのでそれを探す。


「このスライムゼリーが相性いいみたいです!」

『なるほど…』


私はあの忌まわしきスライムゼリーを投入する。またスライムポーションとかにならないよね!?


「出来上がりました!」

『ふむ。どれどれ?』


【リジェネポーション・命】(アンコモン)

HPを持続的に回復する。


1秒度にHPが100回復する。継続時間30秒


錬金術士により改良されたポーション。その効果は薬師をも上回るかもしれない。




おおおお!?すげー!!持続回復するポーションだ!あのスライムゼリーが!?やったー!!!100×30で合計3000も回復するよ!?やばいよ!?


「あのこれ…どうぞ?」

『なんだこれは…うちの錬金術士達はこれでスライムポーションなるものを作っていたぞ…?』

「あれ?私も作ったことありますよ?」


なんだかぽむぽむさんがおかしくなっちゃったよ…しかもアナタ…私の素材を見てスライムポーションが出来上がると思っていたんですね?ふふーん!残念!私は錬禁術士なのですよ!そこら辺の錬金術士と一緒にされたら困りますねーー?


「どうです?私の錬金術は?素晴らしいでしょう?」

『あ、あぁ…私たちもこのような持続的に回復するポーションは未だ完成していないのだ…天音に報告だな…』

「それなんかおねぇに問い詰められそうでやだなー」



____<姉はアトリエに>____


いきなりぽむぽむのやつに呼び出された。アイツは現実でも付き合いがあるのだが、如何せん一言二言多い…なんの用があるのだろうか先程そちらに妹が行ったと思ったんだがな…


「来てやったぞ」

『げ、おねぇきた』

『あぁ、これだ…天音…確認してくれるか?』


可愛い妹だがそのいかにも嫌そうな顔はやめて欲しい。私だって愛する妹にそんな顔をされると少し傷つくのだ…そしてこのポーションか…


『…なんだこれは?持続的に回復するポーションなどまだ製造出来ないのではなかったのか!?』


いわゆるリジェネポーションと言われる類のものを渡された。おそらくあるだろうということはまことしやかに囁かれていたが未だに発見には至っていなかった。これは祈の仕業か…?


「祈」

『ぶぇ!?はい!すみません!私がやりました!でもぽむぽむさんも共犯でございます!』

『うえっ!?』


何を言っているのだこいつは…確かにどうやって作ったのかは聞くつもりではいたが怒るなどするはずがない。むしろ褒めようとしていのだが…


「よくやった。それでどうやって作った?教えてくれ」

『ぽむぽむさんお手製のライフポーションにスライムゼリーを混ぜました!以上です!』

『私もみていたからね。スライムポーションを作り出す酔狂な妹かと思ったがとんだじゃじゃ馬娘だったよ…』

「なるほどな。同じ素材でありながら違うものが出来るのか…祈、ステータスを見せてもらっても構わないか?」

『えっと…その…ひゃ!ひゃい!どうぞ!私の全てをさらけ出します!殺さないで!』


む…妹が萎縮しているでは無いか。ぽむぽむのやつ何か言ったのか?まぁこの際どうでもいい妹のステータスは…


・ステータス

【名前】イノリ

【職業】錬金術士

【レベル】50



【HP】510

【MP】1030

【力】5

【素早さ】150

【器用】385(+5)

【防御力】5

【魔力】5

【魔力防御力】5




【装備】


【右手】ショートソード


【左手】なし


【頭】

初心者の髪飾り


【体】

初心者のローブ


【腰】

初心者の腰あて


【足】

初心者の靴


アクセサリー【耳】なし

アクセサリー【首】なし

アクセサリー【腕】なし

アクセサリー【指】【銀の指輪】 器用さ+5



うん?素早と器用にしか振ってないのか?しかし他の錬金術士も多少は力や防御に振っているはずなのだが…そういえば錬金術は器用さに関係があると言っていたな…


「祈、お前は素の状態での器用さが高すぎる」

『えっ?』

「他の錬金術士は高くても200程と聞く。力や防御にも振っているからな」

『しかも戦闘職じゃないからレベルが上がりにくいのよね私も薬師だからわかるよ?』

「そういうことだ。おそらく器用さの関係だろう。いや待てよ先日追加された熟練度という可能性も…祈、錬金術士の熟練度は幾つだ?」

『えっと…2になってるよ』

『あれ?低いね?私は薬師の熟練度が34なんだけど…』


となると熟練度には期待できないのか?今はまだ実装されたばかりで熟練度なるものの価値が定かでは無い。今は器用さが高ければ同じ素材でありながらも違うものが出来上がると思っておこう。


『イノリくんはあれかな?色々作ってたらレベルアップした感じ?私はそうなんだけど…』

『え?合成とかってレベルアップできるんですか?』

「知らなかったのか?」

『え、初耳なんだけど…』


全くこの妹は…しかし先のクエストの戦闘でも色々とおかしな場面は多々あった…なぜあの騎士団長の攻撃が錬金術士に避けれた?あのおぞましい姿をしたモノはなんだ?聞きたいことは山々だが答えてはくれないだろうな。


「とりあえず情報共有だ。この場にいる3人とサブマスターを集めてこいつ(ポーション)そいつ()をどうするか決める。幸いなのはこの時間のアトリエに他の者がいなかった事だな…」

『うへぇー勝手にやってて下さいよ…私は錬金ができればいいんですよ…』

『ほらいくよ。私も共同開発者になるんだから仕方なーく怖ーいお姉さんについていこ?ね?』

「ぽむぽむ…お前はいちいち一言おおいぞ」


この後の情報共有で作成者や素材などを明かすのかどうかを決めるのだが…私としてはギルドにも隠し通したいと思っている。このポーションはそれだけ価値がある。ギルドメンバーから押しかけられて妹がギルドから出るなんてことを言いかねなくなりそうだ。


「ほらいくぞ」


いやいやついてくる妹はなんだかんだ言うことを聞いてくれる。私はそう信じていたぞ?

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