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おぞましいモノ

『【???】が降臨しました!!!』


そんなログが流れた瞬間に一際強い光がこの空間を覆い始め、瞬く間にその人は現れた…


『あらあら、祈ちゃん久しぶりね〜?』

「クリスマッマ!」

『騎士団長ラウンドの奥義がとりけされました!!!』


『あ、貴方は…いや…貴様…貴様はァ!』

『あら〜やっぱり〜?祈ちゃん早速だけど〜まだ戦えるかしら〜?』

「え、アッハイ!クリスマッマのために頑張ります!勝ったら甘やかして!」

『ふぅ…祝福を』


騎士団長はクリスマッマを見るとまた一際怒りが増したね…なんでだろ?しかしナギのスキルが神の召喚とは恐れ入ったぜ!クリスマッマのためにワイ頑張るで!!!


『【???】からの恩恵を一時的に受けました!!!イノリのステータスが大幅に上がります!!!』

『その剣も使っていいわよ〜?壊れなくなったわよ〜?』

「あっ、はい!これあーちゃんと同じやつでは!?ステータスがまた???で埋め尽くされてるんですけど!!」

『クリスティ様の()()の分際でェェェ!!!』

『騎士団長ラウンドが激昂状態になりました!!!騎士団長ラウンドが必殺必中を発動!!!』

『忌まわしきその力ッ…!吾輩に浄化されよッ!!!』

「うわっとと!あれ?必殺でもなければ必中でも無いね?もしかしてこれが俗に言う俺TUEEEE状態なのでは!?見ててね!クリスマッマ!私がこの騎士団長をたおしてみせる!!!」


____<ナギ視点>____


私はスキル神への貢ぎ物が発動せず、騎士団長にスタンさせられ、目の前が真っ暗になっていました。恐らくいつでも殺せるぞという合図なのでしょう。お義姉様も私と一緒にスタンさせられているのでしょう。気絶状態から回復していくと祈がおぞましい何かと会話をしているようでした。お義姉様も気絶状態から回復したのか『なんだあれは…』と呟いています。


そしてログを見れば私のスキルであのおぞましいモノが降臨したとのことです…本来はMPを全消費して僅かの間のみ神の力を一時的に借り受けれるという技でしたが…アレがこの世界(ゲーム)の神なのでしょうか?


あのおぞましいモノは一時的に神だと言い換えることにしましょう。神が祈へ祝福という言葉を発すると祈の回りに一際強い光を放つ粒子が生まれ、辺りに飛び交うようになりました。

そうして騎士団長との戦いは圧倒的でした。祈は素の状態でも攻撃を避けていましたが、今は初期装備のショートソード1本でレベルが少なくとも100以上の相手を押しているのです。


『イノリが騎士団長ラウンドに129,547ダメージを与えました!!!』

『騎士団長ラウンドがイノリに429,533ダメージを与えました!!!』

『イノリが騎士団長ラウンドに146,523ダメージを与えました!!!』

『メルティが【???】に祝福されました!!!一時的にステータスが大幅に上昇しました!!!』


このような様子でたまに攻撃を貰ってはいるのですがパーティ欄を見ると祈のレベルは???になり与えるダメージも、ものすごいのですが42万もの攻撃を受けても尚、倒れないのです。そしてメルティさんもあの神から祝福を与えられたのかものすごいスピードで空中を飛び交い、イノリに当たる事も躊躇わず魔法を連発しています。なぜ1回の魔法で複数ものダメージを与えられたり、同じ魔法でも形が変わったりしているのでしょう…?お義姉様にも聞いてみましたが『こんなのは見たこともないし聞いたことがない』と情報通の方でも知らないような攻撃を繰り返しているのです。


『メルティがダークウインドを発動。特攻!!!騎士団長ラウンドに合計375,723ダメージ!!!』

『メルティがダメージランスを発動。特攻!!!騎士団長ラウンドに合計678,541ダメージ!!!』

『イノリが騎士団長ラウンドに114,423ダメージ!!!』


とものすごい勢いで総攻撃をしかけています。メルティさんがものすごい殺意を感じさせますね。死ねや殺すなどの単語が時折こちらまで聞こえてきます。NPCがここまで強いとは…この情報が漏れたら大変なことになりますね。しかし錬金術士というのはパーティーに1人は欲しいと言われ、サポートが主な役割のはずです。あの職業でこの動きは少しおかしい気がしますね…祈の事は全て知っているつもりでしたが…これはまた聞き出さなければならないことが増えましたね。


________________


『何故だッ!なぜこのタイミングで出てきた!×××!』

『騎士団長風情が生意気よ〜?私たちの〜祈ちゃんに勝ったらおしえてあ・げ・る♡』

『おのれおのれ!なぜ倒れないッ!!ええい!鬱陶しい!!そこのガキ!撃ち落としてくれる!!』

『騎士団長ラウンドがエクスカリバーを発動!!!』

「ほれほれどした〜?ワイが神の使徒やぞ?なんつって!ほれっ!」

『イノリが騎士団長ラウンドのエクスカリバーの使用を妨害!!!騎士団長ラウンドに169,454ダメージ!!!』

『殺せ。貫け。爆ぜろ』

『メルティがダメージランスを発動。騎士団長ラウンドに合計817,652ダメージ!!!』


んふ〜きっもちいい!!!ありがとうクリスマッマ!この騎士団長がくそざこに見えるよ!正気を失ってるぽいから挑発したらすぐに隙を見せてくれるんだよね。しかしメルティが半端ないって!!ダークランスで槍が騎士団長に刺さった瞬間に爆発させてる。貫いてないとかは言っちゃダメ。わかる?お姉さんとの約束だぞ!


…しかし私錬禁術士だよな?なんでまた剣で戦っているんだ…私はアイテムを使ってパーティーを補助する役割じゃなかったのか!?あーちゃん!教えて!


『神域では邪神との念話はできません!!!』

「なんだとっ!?」

『そこかァ!』

『騎士団長ラウンドから147,753ダメージを受けました!!!』


やべっ!ログ見てたら騎士団長がこっち来てたわ!さっきから攻撃は早いけど避けたり、それでも避けきれないのは剣筋をショートソードでズラしたりもしている。私こんな芸当出来たんだなぁ…自分が1番驚いてるよ?


「もうっ!HP見えないんだからやめてよねッ!」

『騎士団長ラウンドに攻撃が防がれました!!』

『ふはは我は不死身だ!』

「ッ!!さっきから攻撃食らってもピンピンしてるからねッ!!」

『死んで』

『メルティがダークウインドを発動。合計907,795ダメージ!!!』


ううーんこの人全然弱ってる気がしないな?何かギミックがあるのだろうか…体の耐久値も減ってないんだよね。姉と凪はボケーッとこっちみてるだけだし…そうだ!


「おねぇ!凪!コイツ攻撃は通るけど弱ってない!なんかあると思う!」

『わかった!いくぞナギ!』

『あっ…はい!』


よしこれであっちが何かしら成果を上げてくれたら問題ないね…


____________________


『イノリ、ニクタイ。ボク』

「?」


忘れてたけどゆーくんちゃんがいたわ。ごめんね?キミ黒いもやもやだから影薄いんだよ。しかしここで肉体を要求とはねぇ…難しいですよ?騎士団長相手にして復活まで並行では…いや?まてよ?これは【生命を冒涜する合成板】の出番なのかね?


「ゆーくんちゃん!アイテムになれる?」

『?ムリ』


んだぁー!!!どうしろっていうんだよ!


『その子の復活なら私が準備しといたわよ〜?』

「え、まじっすか!あざます!てっきり空中で戦闘を眺めているだけなのかと!」

『あらっ!でも〜直接手出しは出来ないわね〜』

「それで、私はどうすればッ!?」


今はなんとか騎士団長の凄い剣さばきを相手しながら出来てるけど私は一時的にステータスが上がってるだけで向こうは技量…つまりは経験が多いからそろそろ拮抗し始めてきた。そろそろつらいね…


『ねぇね。行って。メルが…相手する』

「え!?でも!」

『ん。大丈夫。でも…少しだけ…』

『何も無かったな。どれ私も時間稼ぎぐらいならなるだろう』

『壁ぐらいにはなります!』


おおお!?ギミックじゃなかったのか!?これ普通は負けイベントだよね!?


「ッ!!!わかった!死なないでね!すぐに戻ってくるから!」


____<アネ視点>____


なんだあのおぞましいモノは…祈の味方なのか?分からないが何もしてこないのは確かだろう。そして私は祈と騎士団長の戦闘に付け入る隙がない。そんな中、祈が叫ぶ


『攻撃は通るけど、弱ってない!なにかあるとおもう!』


その声でナギと私はギミック系のボスだと判断し、手分けしてすぐさま辺りをしらみ潰しに探した。騎士団長は正気を失い、祈とメルティを相手にしているからこの中でも動けるだろう。なにかのオブジェクトがあると回復する類のものだろうと。

しかしそう甘くはなかった。これはギミック系のボスではない。単純な負けイベントなのだと…


『なにもないな』

『えぇ…こちらも同じく』

『そうか…どう思う?』

『どう?とは?』

『ログは出ているが、実際の攻撃は通っているようには見えない。そして祈と騎士団長の実力が拮抗し始めた。奴の方が確実に剣の扱いは上だ。祈は一時的にステータスでゴリ押していただけにすぎない』

『そうですね…負けイベントなのかもしれませんが…祈はまだ諦めていないようですが?』


そうか…ん?なんだと?幽霊が『ボクナラ。ニクタイモトム』と私たちの前に文字を出てきた。これは私たちに囮になれということだろう。ナギと顔を見合わせるが向こうも同じだろうな。所詮はゲームだ。たまには姉として妹に託してみるのもいいだろう。


『私も時間稼ぎぐらいならなるだろう』

『壁ぐらいにはなります!』


メルティも空中飛行をやめて祈を優先したのは驚いたが、妹は未だに少し迷っているな。しかし賢い子だ直ぐに自分で判断を下すだろう。


「ッ!!!わかった!死なないでね!すぐに戻ってくるから!」


そういうと棺の方へ走り出して行った。あの子はあの幽霊の肉体を探しに行ったのだろうな。妹が帰ってくるまでの間は3人でこの騎士団長様とやらを食い止めなければな…

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