話し合いしよ?
____コライユ村北方面____
「おまたー!!!おねぇと凪〜」
『ナギから聞いてはいたが…その髪色はなんだ?現実の方でも染めたのか?あとはその粒子だな…アバターか?』
「はい!すみません!染めました!髪色は…なんとなく!粒子も理由は語りたくないです!」
『お義姉様もそこまでですよ。いきなりだと祈も困ってしまいますから…』
出会って速攻お説教貰っちゃったぜ!!姉は大学の何かでしばらく家にいないけどゲームやってて大丈夫なのかな?なんか装備強そうなんだけど…
姉と凪は…リアモジュ判定だね。姉は黒髪にポニーテールといつもと変わらないねつり目は私からしたらヤのつく人でもいいところなんだけど世間からしたらカッコイイ系美人というらしい。
見た目は…黒いマフラーにへその上ら辺までしかない黒布にその上から銀の胸当てと黒のショートスパッツ?の上から腰の前と後ろに垂れる布をつけていて、漫画などでよく見かけるくノ一みたいな格好だ。おへそと太ももが丸出しだね…なんでうちの姉はこんなにも肌を出したがるんだろう…あとはクナイ?刀?を持っている。隠密系の職業なのかな?
凪の方は髪がショートカットになってるだけだね。耳に髪をかけているのも変わってない。こちらの装備は魔術系だろうか?いかにもなローブやとんがり帽子と杖を装備している。
『【メルティ】が闇結界を発動!!!辺りが暗くなりました!!!』
『ッ…!?』
『えっ…?』
「およ?」
『祈ッ!私の後ろに来いッ!!』
『女神よ!我らを守りたまえ…!!ホーリーシールド!!!』
『【ナギ】がホーリーシールドを発動。【アネ】【ナギ】が光に包まれました!!!100ダメージカット!!!100以下のダメージを無効化!!!』
『【イノリ】には効果がありません!!!』
『は...?おい祈。なんだこれは?なぜお前には効かない?』
『えっ…祈を指定したのに無効化…?』
「え?んーまぁ大丈夫大丈夫!」
『しかしなぜよりにもよって【不死姫メルティ】がこのタイミングで...』
『そうですよね...せめて姿だけでも拝みたいです...』
ん?もしかして...これ2人にはログが【???】になってるぽいね。敵対しちゃったの...?メルちゃん...?
『【メルティ】がダークウインドを発動!!!【アネ】に264ダメージ!!!』
『特攻!!!【ナギ】に531ダメージ!!!』
およよよ?攻撃しちゃった...にしてもどこにいるんだろう?全然見えないんだけど...
『クッ...流石にくるな...』
『闇魔術ですね...私に特攻状態なので!祈には当たってないみたいですけど...』
「えっとーその...『ねぇね。敵?』」
あ、来ちゃった。あなたどうやって感知してるんです?センサーでもついてるんですかね...?
『...こんな姿だったのか...』
『え、えぇ...私も少し驚きました...』
『しかし、いったい...?ねぇねだと...?』
「お、メルちゃん!!勝手に攻撃しちゃダメでしょ!」
そう言いながらメルちゃんに近づいて行こうとしたら姉に腕を掴まれ、引き戻された。
『祈、勝手にいくな。ネームを見ろ赤だ。幼い少女の外見だが、完全に敵対している。お前は私たちよりレベルが低いから前に出るな私が行く』
「ちょいちょいちょい!あの子私の!妹!パーティメンバー!!!」
『なにっ!?いつの間に妹を作ったのだ!?私という姉がありながら!?どうしてだ!祈ッ!』
姉が私をぐわんぐわん揺らしながらそんなことを聞いてくる。なんか少しズレてるような...?あ、やめて酔っちゃう。死ぬ。助けてメルちゃん...これHP減ってるよ?
『ん。敵わかった。』
「ダメ!待って!!!違う!この人たちはさっき言ってた協力者だから!!メルちゃん大丈夫!!」
『...ねぇねがいうなら...』
やっと矛を収めてくれた...聞き分けのいい子は好き!後でナデナデしてやろう。あと姉そろそろやめてほんとに。
『お義姉さん!祈のHPが減っていますよ!!PKになりますよ!?』
『お、おぉ...すまない...私としたことがつい...』
「ぐえぇ...ぎもぢわるい...」
『す、すまない...祈』
お?おお?こんなにしおらしい姉なんて久々にみたな!?メルちゃんありがとう!!これで我が姉は堕ちたッ!さあひれ伏せ!
「じゃあ、土下座して」
『は?』
「ア、スミマセンナンデモナイッス...」
ッ...スゥゥゥゥ〜〜〜死んだかと思った。いや、まじで。ほんと怖い。姉。怖い。
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『で?』
「?ナデナデ...」
『何か言うことは無いのか?』
「言うこととは?ナデナデ...」
『その子の事だ』
『そう...ですね...私も気になります!もしかして私以外に浮気を...?』
「この子メルちゃん。あなたの前にいるの。浮気はなんの事かわかんないね〜。それで私の妹だ!ね〜?」
『んっ。ねぇね。』
「ほれ、どうだ!!!可愛いだろ!私の妹は世界一可愛いのだ!!」
『NPCが妹...?そんな事聞いたことが...』
『え、私はどうですか!?可愛いですよね!?』
「はい。かわいいかわいい。宇宙一かっこいいよー」
『うぇへへへへ...』
姉はブツブツ言い始めたし、凪はまた変なこと言い始めた。たまに凪がおかしくなるんだけどこの子そんな私に構って欲しいのか...しょうがないヤツめ!!
『それでこうしてゲームで祈と会ってから話そうとしてたんだが...予想外のことが起きてな...』
『本来は私たちのギルドハウスに招待と思っていたんですが...先程のイベント告知でギルドメンバーも少し準備などで忙しくなりまして』
「ほんほん」
『しかし、立ち話も長くなりそうだな...本当にコライユ村に居着いてるのか?』
「ん?そうだよ。みんないい人たちだよ。落ち着ける所行こっかこっちこっち」
____ナビのアトリエ____
『あの...なんでこんな教会側の人間を...?』
「まぁまぁ、ナビちゃんや...これから話し合おうじゃないか!」
『やはりこういう態度か...』
『そうですね...』
「はい!はい!ま、ず、は、お互い勘違いしてるみたいだからさ!騙されたと思って!オネガイ!黙って私の話を聞いて欲しいの!」
そういって私は古来よりこの日本の地に伝わる土下座をする。これで嫌という人間はそうはいまい。クックックッ...これにはキミらも手も足も出まい!
『え、嫌なんだけど...』
『私もこうも最初から嫌われてる相手とはな...』
『キ、キスしてくれたらいいですよ!?』
「そこをなんとかおなしゃす!キスでもなんでもするので!少しだけ!先っちょだけだから!痛くない!すぐ終わる!天井のシミ数えてたら終わるから!!ナビちゃんにはこの錬金術のススメ見せてあげるから!お願い!」
『や、やったッ...キス...』
『そ、それならしょうがないなぁ...少しだけだよ?』
ふっ...チョロいぜ!ちょろすぎんよォ!ナビちゃんよォ!?錬金術の事となるとチョロすぎる...今度どこまでやってくれるか試してみよ...
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私がなぜコライユにいるのか、聖クリスティ教会はどれだけヤバい集団なのかを説明した。あーちゃんのことは少しぼかして邪神のお手伝いをしているってことしか言ってないけどいいよね。錬禁術なんてあんまり興味無さそうだし。
『なるほど。...つまり祈は聖クリスティ教会に敵対してる邪神に会い、そいつのクエストを行っている最中だと』
『少し信じ難いですが...教会や神殿はそんなことを...ですが私の知る限り初めて聞く話ばかりですね』
『そりゃ、そうでしょうよ。なんたってアイツらは遊びで人を殺すような連中よ?アタシだってッ...』
『なるほどな。確かにこのNPCの言う通りそういう所もあるのだろう。しかし、私たちプレイヤーは祈が言ったことを何一つ知らない』
『あんまり言いたくないのですが...邪神様?ですか?そちらは余り信用ならないかと...』
『ハァ!?何言ってるの?教会のヤツらなんか全員クズなのよ!?やっぱり異邦人も教会側なんじゃない!』
「ナビちゃん落ちついて。どうどう。正直私も全てはわからない。でもこうやって私が教会の騎士たちに何回も殺され、エルメスではお尋ね者にされてるんだよ?今はこれだけじゃダメ?」
『...少し待ってくれ』
そういうと姉は誰かへとチャットを飛ばしているようだった。何か情報を手に入れようとしているだろうか?私は私でこの村の人たちに死んで欲しくないし、メルちゃんやゆーくんちゃんもいる。そしてあーちゃんとクリスマッマと天使見習いになったピーちゃん。ゲームなら少しぐらいワガママでもいいよね?
『祈がお尋ね者だということは確認が取れた。ナギ、そっちはどうだ?』
『はい。掲示板などで祈が1週間にも渡り教会騎士にリスポーンしてはキルされ続けていることが確認できました』
『はぁ...なんでお前はそのキルされ続けた1週間私にこのゲームは楽しい楽しいって言い続けてたんだ...』
「え、いやだってホラ、言ったらおねぇと凪絶対飛んでくるじゃん?流石にどうかなーってしかも最終的には逃げれたしおっけー!...でダメ?」
『まぁ...お前がいいのならいいが...しかし許せんな...私の祈を...!!』
『そうですね!私たちの祈が1週間もキルされたんです!その騎士達を処刑しましょう!』
いや、私は誰のもでもないが!?しかし処刑までは...なかなか過激派だね凪沙さん...目が据ってて怖いよ?2人とも
『決まりました?祈さんは私たちの希望なんですよ。邪神様が祝福なされた唯一の人なのです...この期を逃す訳には行きません。聖クリスティ教会を...早くしないと私たちのような人がうまれるんです。コライユの人たちは皆、そう思っています』
『そうだな。真偽はわからないが、私の祈を散々いたぶってくれたんだ。相応のバツは与えてやらんとな』
『さすがです!お義姉様!私もお供します!』
「お?いいんだね?恐らくこっち側に来るとほとんどの街や村に入れなくなるよ?本当にいいんだね?ギルドメンバーとか大丈夫?」
『構わん。所詮烏合の衆だ。私がギルドマスターってだけのただの大きいギルドってだけだ』
『私は祈がいるならついて行きます!』
「どう?これでいい?ナビちゃん。この2人は私の姉と親友だ。信用出来る。万が一この2人が裏切ったら...ころ...いや、あの合成板をあげるよ」
『ッ...!!ほんとに!?裏切ってください!!お願いします!!』
「え?ちょまっ!?」
ナビちゃんほんとブレないね...まぁ何はともあれ誤解は解けたからよかったよかった。しかしメルちゃんはアトリエに帰ってきてからもぺちゃぺちゃスライムで遊んでるなぁ...また何か作ってあげよっと!