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メルちゃん…?

____ナビのアトリエ____


あのあと仲良くメルティちゃんと村に転送された。メルティちゃんは妹としてコライユの人たちに紹介し、そのついでに村人達からはアンノウン様に会ったことはあるのか?と聞いたら皆は一貫して、お告げがあったと。


今の聖クリスティ教会のやり方はおかしいと思わんかの?と声が聞こえたと思ったら、なぜ私たちは教会の人殺しやその他のおかしな行動を今まで受け入れていたのか分からないという感覚に陥ったそうだ。


この辺りの話はあーちゃんに端折られた部分だね。恐らくあーちゃんが何かしたのだろうという予想しか今は立てられない。けど…難しいことはあとだ!


『で、この子は?誰?なにか不思議な力?オーラ?を感じるんだけど?』

「この子はこの度、私の妹になったメルティちゃんです!!ちゃんと神様の加護もあるよん。教会をぶっ潰す同志だね。ほれメルちゃんや…挨拶」

『んっ…よろしく?』


落ち着ける場所はやはりここしかない。妖怪胸ぺったん錬金術士のアトリエ!!ログハウス風の建物でありながら中に入ればオシャンティーなアイテムや錬金道具がズラリと並んでいる。一応、お店としてもやっているみたいなんだけど村の人達はあまり用事がないみたい。ここは村の離れにあるからね。


離れにあるのには理由がある。そう錬金術だ!さっき使った【生命を冒涜する合成板】みたいな大きい建物では展開できない道具や、万が一失敗した時の被害を少なくしたり作ったアイテムの使用実験などをやる為だ。


それをわかった上でナビちゃんも村の離れに居を据えていて、辺りは広々とした空間になっている。寂しいともいえるけどねハハハ…



「ねぇ、気になってたんだけどなんですぐ妹として受け入れてくれたの?」


少し疑問に思ってた。私が顕現?させる以前の記憶もあるらしく、私にデコピンで倒されたのも覚えているのにすぐ環境に適応し始めたからねこの子。


『んっ!ねぇねに問いかけた。応えてくれた。嬉しかった。わかった…?』

「わかった!!ありがとうね〜メルティちゃんや…おーよしよし」


あの時のログはメルティちゃんの意思を反映させたものだった…。多少齟齬はありそうだけどね。だって、あーちゃんは試練って言うわりには最初の方はクイズみたいだなぁ〜って思ってたら、途中からお前は何を望んでいるのか応えよ。っていわれてたみたいな感覚だったからね


「メルティちゃんって『メル。メルと呼んで。』

「かしこまりました!メルちゃん!」

『んっ。いい。…家族には…そう呼ばれてた。ねぇねも同じ。』

「オ゛ッ゛ッ゛!?」


え…やだ…メルちゃん私の事もうそんなに想ってくれているの!?好き!カワイイ!この子は私が幸せにする!


『はぁ〜〜どっから声出してるのよ…?イノリ』


おだまり!今は私たちの空間よ!女の間に挟まる間女は嫌われるわよ!義務教育で習わなかったの!?


『それで、これからどうするんです?神の御使い殿?』

「それなんだけどね、私の姉と友達が…あ、2人共もちろん異邦人なんだけどね?合流しようかと。コライユ村に来てくれるみたいだけど少し時間余ってるんだよね…」

『その…こんなこと言いたくないけどイノリはちがうって分かったんだけど…姉と友達とはいえ異邦人らは聖クリスティ教会の人間なんでしょ?』


あ、そういう認識になってたからここの村人はプレイヤーには強くあたるしあの村は行くだけでストレスが溜まるとか掲示板で言われてたのか…


「その…ごめんね?いきなりで…でも!まだ聖クリスティ教会の事は話はしてないけど私は信頼できると思ってる。そして協力してくれるなら味方が多い方が良いでしょ?」

『それは…そうだけど…私たちにはアンノウン様のお告げで近々その時が来るまで待つのじゃ。って言われてたけど…』


んー…一筋縄じゃ行かないか…あーちゃんとのエンゲージリングで念話を使うか…いや、まて。今さっき疲れたって言ってたなぁ。それにすぐ頼るのもどうかって感じだし?


『わかった!ちょっとまってて!』


________________


それから一旦ログアウトして携帯で時間になったらコライユ村のエルメス側の入口に来て欲しいと2人にメッセージを送った。ついでに夜ご飯も済ませようかな。今日は誰も居ないし…


これはダイブマシンと携帯を連携してたらできる仕様で、フレンドを探したりメッセージのやり取りができる。私はログアウト中だけど相手がゲーム中でもやり取りができる優れもの。2人はすぐに了承してくれた。これで一安心だろう。

________________


夜ご飯を済ませて帰ってきたアークスの地!ログアウトするには宿やギルドハウスなどのセーフティエリアでしないと数分その場にアバターがしばらく残り、キルされたりする。抵抗しないからやっちまおうぜ!ぐへへぇ…ってなるのだ。この時はログアウト中とネームタグに出るのでひと目でわかる。…アレ?これ前に説明したっけ?してたらすまねぇ!皆の者!


「ただまー!アトリエに急いで来たよ!」

『お帰り〜』

『ねぇねのにおい消えてた。どこ行ってたの?』


あら、メルちゃんには言ってなかったなぁ…ちょっとまっててね!ってログアウトしちゃったよ。これ私が落ちてる時どうしよう…?


「んーとね…私たち異邦人は2つの世界を行き来してて、こっちに居たり居なかったりするの…その間寂しいかもしれないけど大丈夫…?」

『んっ…殺したはずなのにまた出てくるやつと一緒…?』

「あー…そうだね!ホントにごめんね!できるだけこっちに留まるようにするし!」

『ん。わかった。1人でも大丈夫。コライユにいる。みんないい人。』

「おぉ〜ごめんねぇ〜!!ありがとう!!」


優しいなぁ〜〜!!できるだけお姉ちゃんがメルちゃんと一緒にいるからねぇ!!早く夏休み来ないかなー!!


『イノリ、多分その事はクリスティ側は皆知ってると思うから大丈夫だと思うよ。知らない方が稀かな?私達も異邦人はそんな認識をしてるからね。』

「あ、そうなんだ!え、邪神教なのに知ってたの?」

『ほら、私たちには偵察に長けた人とかいるからさ、敵情視察も大事だよ?闇とかああいうのは私たちの特許みたいなもんよ?何せ向こうはこういう闇魔術とかを忌み嫌ってるからね〜』


ほーん?ならあれか?私たちは殺しても生き返る何かと認識されていると?殺ししても死なないと分かりながらも私を散々キルした教会のやつらはなんだったんだ…?


『ねぇね。メル、早く試したい。』

「ん?あー肉体が置き換わったから戦闘で試したいんだね?でも…万が一メルちゃんがキルされたら…」

『ねぇね。インベントリ?アイテムボックス?を見て。アンノウンが言ってた。』


メルちゃんにそんなこと言ってたの?私へのサプライズにしては些か地味やしないかい?まぁ見ちゃうけどね!


『【不気味な絵画・改】(ランク:エピック)


従者がキルされた時、自動的にその瞬間を絵画が読み取り記憶する。対応する魔石を使用し、記憶を呼び起こし顕現させることができる。錬金術で改良したもの。

保持量・残り4【メルティ】


※従者により対応する魔石は異なります。



主にテイマー系職業などに幅広く普及している絵画。芸術的センスは皆無だが性能は折り紙付き。作者不明で複製や贋作も多く広まっている。』



ほげぇぇ〜死んでも触媒を用意すれば蘇生ができると?しかも1つにつき5人までなら登録できるみたいだね。魔石はダンジョンの宝箱やボスドロップ、あとはガチャで手に入るね。魔石ガチャと言うのがあって11連で3000円もする。11回からしかないのがミソ。ちなみにアバターガチャもあってこちらは1回500円からだ。


「え、すっげ…あーちゃんがなにか施してるっぽいんだけど…?」

『え…?錬金術で強化できたんだ…それ』

「まーアンノウン様だしね。始祖という名は伊達じゃないみたいね」

『え、まって!もうすこしみさせてもらっても!?』


おおう…この人相変わらず錬金術オタクだなぁ。そしてなによりNPCにもこのログ見えるんだね。ナビちゃんめっちゃ楽しそうだなぁ


『ん。よかった。これで心配ない?はやくいくの。』

「あ、はーい!ナビごめんね!後でまた見せてあげるから!」

『ああぁ…私の絵画が…早く帰ってきてね?』


いや私のだが!?この人教会潰すことより錬金術だけしてたらいいんじゃないの?そんな寂しそうな顔を…んー…【生命を冒涜する合成板】を貸し出すか…できるかな?


「ねね、横の空き地使っていい?ナビちゃんも来てよ。」

『?いいけど…私も?』

「いいからいいから!」


____アトリエの空き地____


はい、ドーーン!!物量法則ガン無視合成板のおでましじゃぁ!!NPCにもアイテムなど貸し出せたし、なんなら譲渡もできるって書いてた。貸し出しは一定の時間をすると持ち主に帰ってくるようだ。


『え?なにこれ…ハッ!?え?』


フフフ…合成板を鑑定して慌てているんだろう!何せ確認してなかった私も驚きを隠せない!


『【生命を冒涜する合成板】(ランク:ミスティック)


職業【錬禁術】の者に限り使用可能。合成板を使い【人体錬成】を行える。素材は六角形に伴い、6つまで使用可能。


※使用条件:【錬禁術】の熟練度が【???】

熟練度が足りません!!!現在はしようできません!!!


始祖の錬金術士と名を馳せた者が禁忌に触れた第1歩。もう後戻りはできないかもしれない……』


ナビちゃんも私も驚きを隠せない…何せ今はただのデカいガラクタだからだ!!熟練度とはなんだ!?ナビちゃん私と合成板とで視線を行き来している。その顔いいねカワイイ。


『これはッ…!!!』

「じゃ、それ貸し出すからね〜使用はできないだろうけど存分に堪能したまへ!んっ!メルちゃん行こっか」

『んっ!わかった。メル頑張る。』




その後、黒いもやもやを放つ謎のデカい板を前に興奮している姿が目撃されたとかなんとか……。

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