異世界転生しちゃいました
ここから本編スタートです!!!
「これ、今日中にお願いします」
「わかりました。そこに置いとおいて下さい」
今日もまた残業。毎日仕事に追われる日々。
「まじで神崎さんなんでもやってくれるよね」
「まぁ、おかげで私達はこれから合コン行けるよ。ほんといいお人形さんだよね」
「でもさ、あの噂聞いた?」
「なんの噂?」
「知らないの?神崎さんあの有名な宝条グループの社長の隠し子だったって噂」
「えっ!それ本当?」
「知り合いに聞いたんだけど、本当らしいよ」
「じゃあ、私達と話さいないのも、住む世界が違うから?」
「どうだろね。まぁ、使い勝手のいいお人形さんには変わりないけど笑」
「確かに笑」
ここでもまた噂されてる。
「あとはよろしくお願いします。神崎さん」
「任せといて下さい」
きっと彼女達はこれから合コンにも行くのだろう。私も早く家に帰りたい。でも、どうせ家に帰っても誰も居ないのだから、会社で仕事をしている方がマシかもしれない。
「あっ、もうこんな時間。終電間に合うかな?」
急いでパソコンを閉じ、鞄を持つ。終電ギリギリの時間。今日も私が最後だからか、会社の中は静寂に包まれていた。電車に乗りながらネット小説を読む。たった30分の電車での時間が私の楽しみだった。
「ただいま。って、誰もいないか」
家に入って、部屋の明かりをつける。上着を床に脱ぎ捨て、ベットの上に倒れる。
「何か食べなきゃ」
のそっと起き上がり、キッチンに行って、お湯を沸かす。最近はカップ麺が夜ご飯になることが多い。
「あと2分」
カップ麺にお湯を入れ、出来上がるのを待っている間、電車の中で読んでいたネット小説の続きを読むことにした。私は小説が好きだ。小説を読んでいる間は、私は好きなだけその物語の中にいれる。現実から逃げられる。そんな気がするのだ。そんな私が今ハマっているのは、
「今日もまた更新されてる」
『 リトセニア王国物語 』
リーシェという名の公爵家の令嬢とリトセニア王国の王太子クロムの恋愛物語。正直私は恋愛物語にそこまで興味はないが、この小説は毎日の更新を必ずチェックするほど好きだ。リーシェは魔法と剣術の天才で、クロムと出会う前は旅をしていたが、その旅物語がとても面白いのだ。
魔法と剣と魔物、ドラゴンもいる世界
アタナシア。
この小説の舞台 リトセニア王国
エルフが住む世界樹の森。
妖精の笑い声が木霊する神秘の森
ドラゴンが飛び交うがランドール大火山
獣人の国 バルウェロ帝国
魔王が収める魔物が住む魔界ハーベスト
神人が収めるヴィーナス神聖王国
その中には小説ではたった数行しか説明されてない国もある。
「...ぅ...うーん.........」
ここは?
確かカップラーメンを作っている途中参加だったはずなんだけど.........
あれ?
「私の部屋こんなに明るかったっけ?」
辺りを見渡しても全く見覚えがない。
天上には豪華なシャンデリラ、映画でも見たことはないぐらい大きなキングサイズのベット、外から小鳥のさえずりが聞こえてくる。
「なんかの映画の撮影?きっと夢ね。疲れているに違いないんだわ。そう出なきゃ有り得ない。でも結局もう一度寝たら元に戻っちゃうよね」
バタン
せっかくのキングサイズのベットだ。私はベットにダイブしてそのまま眠りについた。
「.........」
「.........」
はず。
「.........」
はず?
目醒めた先は一体どこなのか……
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