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1 一緒に住むことになりました

外は寒いけれど、室内は暖かい。

私の部屋は床下に温水が通るパイプが通してあるけれど、私は体調不良で倒れたことになっているので、昨日から、キアラが暖炉に火を入れてくれている。

とても暖かくて幸せ。もう、食堂に行くのも面倒だわ。

そう思いながらベッドでごろごろしていると、マリが暖かいシチューを持ってきてくれた。

朝ご飯を給仕してもらい、スビートと一緒に少し眠ることにする。


これ、前世で言うところの《極楽》よね!



昼過ぎに起きると、キアラから、お見舞いがたくさん届いていると言われた。


ピョートル殿下からは、お見舞い代わりに、宮廷の侍医官をわざわざコテージまで派遣してくださった。

メッセージカードと甘いタルト、大きな花束も一緒に届いたみたい。

ピョートル殿下は、マメね。モテそう。昨日の距離の近さからしても、恋愛経験値がお高そうですわ。

それに、今のうちに私の機嫌を取って、オルロー領でのボリスのやらかしをごまかそうとしているのかもしれないわね。

ちょっと警戒しておかなくては。


ケイトリン様とトニア様からはかわいい箱に入ったお菓子。お見舞いのカードが届いた。

リタからもお手紙が来ていて、学園の新聞を読み、倒れたと知った、とても心配しているとのことだった。

みんなお見舞いに来たいということなので、了解する。


その他、お茶会に誘ってくださったご婦人方や、ちょっとした知り合いなどからの手紙やお見舞いの品にお礼状を出してもらうように頼む。


ダイがいないから、タウンハウスの侍従をコテージに回してもらってなんとかやりくりしているらしい。


うちの侍従は、私をほったらかして、何をやっているのかしら。



昼過ぎに、リタとアンドレ先生がお見舞いに来てくれた。


「ライラお姉さま、大丈夫でしたか」


「ええ、ちょっと寝不足だっただけよ。心配かけてごめんなさい」


「よかった。ピョートル殿下が王宮のお医者様にライラお姉さまを診てもらうよう指示したという噂まで流れていたから、本当に心配で。

今日は保健室登校だったのですが、アンドレ先生にお願いしてこちらに来てしまいました」


え、お医者様の件が、もう噂になっているの?

「ふふ、皆さん、大袈裟なのよね」


「ライラちゃん、多分、ピョートル殿下に狙われているわよ」


「「え?」」


「ライラちゃんのために侍医を派遣した、って周囲に見せたのよ。すぐ噂になったもの。

そうやって外堀からちまちま埋めているのだと思うわ。

せこい男だと思うけれど、まあ、王太子になることが確実視されている第一王子っていう彼の立場や、貴族からの風当たりを考えると、そういうアピールは必要よね!

それに、すごく大切にされているの、うらやましいわ。やっぱり、愛されている実感があると心が豊かになるわよね」


「ライラお姉さま、気を付けてください。不埒な男がお姉さまを狙っているなんて、許せません」


「ちょっと待ってください。アンドレ先生、考えすぎだと思いますわ」


「もう、やっぱり、気がついてない!

ライラちゃんは鈍いところあるわね。今までは王子妃教育や勉強で大変だったと思うけれど、これからは、恋愛にも目を向けてみたら?」


「アンドレ先生、お姉さまの純粋さを変な風に言わないでください。もう。


だいだい、先生は、誰の味方なんですか?」


「私?みんなの味方だけれど、この場合はライラちゃんかな。


だって、素晴らしい経験ができる道がたくさん目の前にあるのに、ライラちゃんは道があることに気が付かないまま、まっすぐ草むらをかき分けて突き進むタイプだもん。


まずは恋のレッスンだと思って、どんな道でもいいから進んでみればいいのに」


「ちょっと待ってください。どういう話になっているのかしら」


「ふふ、あたし、これ以上は言えないわー」


「ライラお姉さま、私、つきっきりで看病します。悪い虫の数々を近づけません!

今、ダイさんが特命でオルロー領に行っちゃったから、コテージで人が足りないことありませんか?

私、将来はお姉さまにお仕えしたいと思っていますから、侍従見習いでいいので、おそばにおいてください」


「え、リタ、学校はどうするのかしら」


「大丈夫です!試験さえ通れば、進級できるので!」


「マギーったら、試験を通るかどうかわからないから、あせっていたくせに。

文法と古代語と数学と歴史と軍史、あと軍略にスキル理論で合格しないといけなかったのよね。


期末試験で赤点を取らないか、ギリギリだから、保健室に登校して勉強しているのよ」


それ、実技科目以外全部じゃないかしら。


「ええっと、リタ、コテージに人が足りないのは当たっているから、来てくれるのはうれしいけれど、それよりもリタがちゃんと進級するほうが大切だと思うわ」


「勉強します。お姉さま、教えてください」


「なるほど、いい方法ね。私、古代語は多少何とかなるのだけれど、数学や軍史はちっともわからないもの」


結局、リタにアルバイトに入ってもらうことになり、コテージの使用人部屋に空きがあったのでリタが引っ越してくることになった。


まあ、それはそれで楽しそうね。




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