3 水星の杖
前話で、アンドレ先生がライラに敬語を使う個所をまちがえていたので、修正しました。
「先生、もしこの杖の様な効果があるスキルを取得できたら、よかったと思いますか?」
アンドレ先生は、微笑みながら言った。
「なあに?もうあたしが覚醒したこともばれてるの?オルロヴァ公爵令嬢の情報網はすごいわね!
そうね、確かに、昔、盾スキルと上位の治癒スキルを選ばせてもらえる機会があれば、上位の治癒スキルが欲しいって言ったでしょうね。
だって、あたしが神官になったのは、たくさんの人を癒したいと思ったからだもの。
あたしは、赤ん坊の時に修道院の前に捨てられていたらしいの。
さみしくなんかなかったわ。シスターたちみんながあたしのお母さんだったから。
あたしのこの言葉遣いは、お母さん譲りなのよ。
シスターたちの中でも特にあたしをかわいがってくれた院長が病気になって、必死で看病するうちに最初のスキル【水の癒し】を授かったの。
このスキルね、温水で体をマッサージするみたいに使うこともできるのよ。
院長はすごく喜んでくれて。
院長はそのまま死んでしまったけれど、最後まで清潔に、気持ちよく過ごしてもらうことができたと思うわ。
だから、あたしは、神官になって、このスキルでたくさんの人を助けたいと思っているの。
神殿からは、王子様たちが通う間だけでいいから修行して来いって、この学園に派遣されたけれど、もともとあたしの志望は救貧院みたいなところなのよね。
でも、覚醒して新しいスキルを授かったら、聖騎士の道を選ぶよう、周りがいろいろ言うようになったわ。
覚醒して授かったスキル名も、もう知っているわよね」
私は、黙っていたが、先生は肯定だと受け取ったようだ。
「【水神の盾】、神様の名前が入った、いわゆる神スキルね。
実を言うと、まだ十分使いこなしているとは思っていないのだけれど、でも、結構使い勝手がいいのよ。
今もほら、使っているの。これを展開すると、こうやって、内緒話も思いのままよ。
私は、ライラちゃんの状況を知り、あなたを守りたいと思った。
その時、神様が私にスキルを授けてくれたの。
人間が、神様から様々な質問を投げかけられ、その都度その都度、選択肢を選んだ結果、どのように星の力を使うかの型を神様が決めてくれるのね。それがスキルよ。
だから、どんなスキルを授かるかは選べないけど、授かったスキルは私が真に願ったスキルだし、だからって訳じゃないけど、とても気に入っているわ」
「先生、変なこと聞いて申し訳ありません。
院長様は、きっと、先生に会えて幸せだったと思いますわ。
あと、スキルについての考察も、とても面白いです。
そして何より、先生が新しく授かったスキルを気に入っているみたいで、よかったです」
「そうね、だけど、その杖の力は素晴らしいわ!
よかったら、本番も貸してくれないかしら。
あの王子たちは、強いアイテムを使いすぎている上に、アイテムに慣れて雑な戦い方をし始めたわ。
このままでは、今度こそ、犠牲者が出る」
「アイテム、ボリス様がつけていた指輪ですわね?」
「ほかにもたくさん使っているわ。
アイテムの使い方を見るのも授業の一環だから、ルール違反じゃない。
でも、こんなに強いアイテムをバカスカ使ってくるなんて大会が始まって以来じゃないかしら」
私はダイを横目で見た。どう見ても、スビートを連れている様子はない。
「祖父と相談して決めさせてください」
私は何とかごまかした。
アンドレ先生が語る回
ストックがなくて綱渡り状態だったので、試しに更新を2日に1回にします。m(__)m




