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2 猫の話を聞きました

本日2話目。

手芸の授業が終わった。


ほかの皆様は、それぞれお着きの侍女や侍従にお茶を用意させ、おしゃべりをしながら教室でそれぞれのおうちからのお迎えをお待ちになる。


私も声をかけていただいたけれど、気分が悪いからと遠慮して、歩いて帰ることにした。




私は、ライラ=オルロヴァ、オルロー公爵の一人娘で、アルテリア学園の最上級生だ。


アルテリア学園は、国立の9年制の学校で、おおよそ7歳から16歳ぐらいまでの学生が学問や武術を修め、また自己のスキルを磨いている。


私は、いま、第三王子の婚約者として、王宮の外れにあるコテージに客人として滞在している。


学園は、王宮の中に建てられているので、コテージとは馬車で行き来するほどの距離ではない。


本当は毎日歩いて通いたいぐらいだが、そこは貴族の体面を保つため、いつもは馬車で通っている。



「お嬢様、ふらふら歩いていると、また田舎公爵家の娘とか言われますよ」


「今日は歩きたいのよ」


私付きの侍従のダイは渋い顔をしていたが、今日の私は少し歩きたい気分だった。



晩秋の光が心地よい。


木々を渡ってくる風にあたっていると、昔、領地にいたお転婆なころを思い出し、もやもやした気持ちがすっきりする。



今日は王子妃教育も休みの日だった。


学園は1月開始で12月卒業なのだが、現在は10月で卒業間近なこともあり、座学が得意な私は卒業に必要な学園の単位も、王子妃として要求される教育もほとんど修了している。


王子妃教育は、時々王妃殿下に呼び出されてお茶会に参加し、マナーや社交について教えていただく以外はもう特にやることもない。


ちょうど女子寮の近くまで来ているので、寮生の友人に会って帰ろうと思う。




マルガリータ・ジュコフスカヤは、わがオルロー家の派閥に属するジュコフス伯爵のご息女で7年生だ。


入学前にジュフコス伯爵から紹介を受け、それ以来、なんとなく一緒に過ごすことが多くなった。


彼女は、おとなしいけれど、自分の価値観をしっかり持っていて、いい友人だ。


今年の始め、ミトロヒナ嬢の機嫌を損ねたようで、彼女から一方的に怒鳴りつけられ、学校が怖くなり、寮に引きこもっているのだ。


「ライラお姉さま」


「マリーニャ、体調はどう?」

私は、あえて軽い感じで、マルガリータの愛称で呼びかけた。


「ありがとうございます。

お会いできてうれしいです。

今朝は結構元気だったのですが、お昼ごろ、ちょっと、、、」


「まあ、どうしたの。お話してくれるかしら」




マルガリータの話では、部屋の外に猫が何匹か来るらしい。


マルガリータは、それらの猫をかわいがっていたらしい。



最近、大きな黄色い猫が来るようになった。


マルガリータは、その猫が気に入り、特にかわいがり、部屋に入れてなでたりしていたようだ。



ところが、今日の昼ごろ、ツチャビッチ・ミトロヒナ男爵令嬢がマルガリータの部屋の前庭のあたりで騒ぎ始めたらしい。


「こいつ、ここにいたのね!どれだけ探したと思ってんの?手間かけさせて」


マルガリータは、ミトロヒナ嬢が苦手なので窓からこっそりのぞいていると、ミトロヒナ嬢が黄色い猫の首根っこを捕まえて大声で怒鳴っていた。


「まあいいわ、あんた、これから私に協力しなさい。いいわね」

ミトロヒナ嬢はそう言うと暴れる猫を片手で抱いてどこかに行ってしまったという。



「私、怖くて、助けてあげられなかった。

猫ちゃん、いやがっていたのに」

マルガリータは、とてもつらそうだ。




私は、きっとそのうち戻ってくるわと、つまらない慰めを言うしかできなかった。

すいませんが、少しの間、ゲームの話は出てきません。


2022.07.09 改行や読みにくい箇所を修正しました。

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