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1 昨日のイベント情報を聞きました

朝である。


私は、本日も休むことにした。


というか、もう学園は卒業式間近である。


私は9年間真面目に勉学に励んだ上、悪役令嬢チートというのかしら、おかげさまでとても優秀だったので、あとは課題を提出すれば卒業に必要な単位は足りるだろう。


卒業生の中で一番と評価される最優秀生徒を目指すのであれば、どうしても出席しなくてはならない授業もある。


しかし、私はスキルをまだ授かっていないため、スキル関係の実技科目をとることができなかった関係で、最優秀生徒になれないことははっきりしていたから、どうでもいい。


それに、婚約破棄されるのなら、王子妃教育に時間を使いたくない。


処刑回避対策を立てたいし、対策しても結局ゲームの強制力とやらのために処刑されてしまうとしても、ストレスフルな学園や王宮に行くより、もっとこの世界を楽しみたいわ。


もう、これからは学園と王子妃教育は、できるかぎりお休みしよう。


対策をするためにも、さっさとダイに私のスキルやほかのURキャラの話を聞きたいのだけれど、ダイはお使いに行ったのかコテージにいない。


ふと思い出して猫の様子を見ると、猫はあいかわらず机の下にいた。


そして、私の気配を感じたらしく、こちらに顔を向けた。


「何か言いたそうね。そうだわ、トイレに行きたいのかしら!」


私は猫を抱き上げて外に連れていった。


「外に出してあげるけど、どこか行っちゃだめよ。


逃げると、怖いことが起きるかもしれないわ。わかったわね」


猫は一瞬目を見開いたが、何かあきらめたように首を振り、そっと近くの草むらに入ると、トイレを済ませて帰ってきた。


「あら、いいこね。賢明な判断よ。


大人しくしておけば、悪いことは起こらないわ。


今日は、うちのコテージ内であれば自由に動き回っていいわよ。


どうしても外に行きたいときは私に言いなさい。連れて行ってあげるわ」


私は優しく言った。猫は私をじっと見つめていた。


私、今まで動物にはあまり興味がなかったけれど、案外かわいらしいものね。



そのままキアラに給仕をしてもらいながら、コテージの庭で遅い朝ごはんをいただいていると、来客があった。


トニア・ハーリング伯爵令嬢だ。


「ライラお姉さま、お体の具合はいかがですか」


「まあ、来てくれてうれしいわ。猫ちゃんはこちらよ」


ちょうどデザートをいただこうとしていたこともあり、私は機嫌よくトニアを迎えた。


「かわいい!」


トニアは、私のベンチの横で寝ていた猫を撫でようとした。


猫はいきなり起こされてびっくりしたのか、爪を立てた手で反撃した。


「!」


「だめよ!」


私は猫の首根っこをつかまえて抱き上げ、ひとにらみした。


猫は自分の失敗に気付いたのか、ぶるぶる震えている。


「ライラお姉さま、私は、大丈夫です」


「けがはなかった?」


「はい」


私はほっとして、話題を変えることにした。


「トニア、学校はどう?今日は早いわね?」


私は猫を抱えた。


猫はぶるぶる震えていたが、そのうち抱きかかえられたまま、白目をむいて眠り始めた。


「ありがとうございます。今日は午前中授業がございませんので、ライラお姉さまの御機嫌を伺いにまいりましたの。


ライラお姉さまが体調を崩していると噂で聞きましたわ。


だから、心配になっちゃって。お加減はいかがですか」


「まあ、ありがとう。そうね、少し、朝夕冷えるようになったから体調を崩しているみたい。


でも、大丈夫よ」


「お元気そうでよかったです」


私は、トニアにお茶とお菓子を出すようにキアラに頼んだ。


「そういえば、昨日は、なにかあったのかしら」


私は、アル戦では、毎月1日と16日はイベントが起きる仕様になっていたことを思い出して聞いた。


「そうなのですわ!


昨日、園芸部の畑で育てていたカボチャに魔物が取り付いて暴れだしたので大騒動になりましたの!


私、頑張って討伐に参加しました。


風魔法のスキルがあるのですけれど、お役に立てたみたいです。


そのため、飛び級で上級魔法のクラスを受講することになりましたの」


「まあ、すばらしいわね」


私はトニアをほめながら、ハロウィンイベントだったっけ、この世界、キリスト教も聖パトリックも存在しないのだけれど、なぜかハロウィンやバレンタインデーみたいなイベントだけは残っているのよね、と余計なことを考えていた。


「いえ、まだまだです。


というか、本当は、ライラお姉さまの侍従さんのおかげです。


実は、カボチャがあまりにも強くて、最初、イヴァン殿下や上級生の皆様が戦っていたのですが、全く歯が立たなかったんです。


しかも戦ううちにカボチャが成長して強くなってしまって、途中で駆け付けた学園の先生方も手が付けられなかったのです。


ところが、侍従さんが指示して学園のシェフにお菓子を作らせて、それを私の風魔法でカボチャにぶつけましたの。


そうしましたら、カボチャが大人しくなって、そこを侍従さんが封印してくれましたの。


今日は、侍従さんはいらっしゃらないのですか?」


「ダイが?」


うちの侍従は、私をほったらかして何をやっているのかしら。


2022.07.10 読みにくい箇所と改行を修正しました。

2022.09.30 生徒会関係の設定を変更しました。

 イヴァン王子は名ばかり副会長(担当職務なし)、ボリスとトノリは生徒会メンバーではありません。

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