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終末の黙示録  作者: 無神 創太
第四章 新たな旅立ち(上)

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第174話 空の玄関口35

 国際線ターミナルへ向かいジープを迂回させ、【4.2m】と車高の記載ある建物が出現。頭上にあるものこそ、これから向かう連絡通路。

 右側には建物を支えるよう支柱が等間隔にあり、左側にはバスやタクシーの標識ある乗降場。ジープを走らせ国際線ターミナル正面入口前にて、停車し外へ顔を向けた。


「待っていましたっ!! 上村隊長!!」


 迷彩服を着た五人の自衛隊員は、一列に整列をして待っていた。

 ジープを下りる上村隊長を前に、敬礼しての出迎え姿勢。周辺の屍怪が離脱したこと確認し、外へ出て来ていたのだ。


「よく無事だった。他の人たちは?」


 労いの言葉を一つ余韻は全くないまま、上村隊長は状況の確認を行う。

 ジープを停車させたのは、国際線ターミナル正面入口前。本来ガラス張りの窓には、全て木の板が張り付けられている。


「自衛隊と自警団により誘導中です!! バスを移動させるのに人手が必要と聞き、許可を得て先んじてここへ来ました!!」


 国内線ターミナルから先行して、向かってきたと言う五人。

 ジープに乗り国際線ターミナルへ戻ったのは、上村隊長に自衛隊員と自身を含め三人。アウトレットモールで二人を失い、打ち上げや囮に観察と各所で人員を割く。人手不足は最初から、想定できたところ。故に先んじて話を通し、人手を回してもらったのだ。


「四人は観光バスを、玄関前に移動。我々は国際線ターミナルへ行き、詳細を確認して指揮をとる」


 上村隊長は駐車場へ行くよう指示をし、自衛隊員たちは即座に動き始める。

 残った自衛隊員一名は、状況を知らせる案内役。頭上を見上げると国内線ターミナルへ繋がる連絡通路があり、距離にして二百メートルほどとハルノたちが通ってくるだろう場所。これから向かう先を確認して、最後尾から国際線ターミナルへ入った。



 ***



「死者や怪我人の状況は?」


 動かぬエスカレーターを横目に、階段を歩きつつ問う上村隊長。

 本来は屍怪への警戒や節電ため、明かりを点けなかった建物。今は有事と状況は異なるため、全体的に照明が点灯中。それでも窓を覆うバリケードあるため、外への漏れはほとんどないだろう。


 みんな……無事でいてくれよ。


 答えを待つ中で願いつつ、周辺の状況把握に努める。

 国際線ターミナル一階にあるは、インフォメーションセンターにレンタカー店。到着口や出発口と主要施設は上階にあり、合流の場は三階と言うので階段を上る。


「……シャッターを閉鎖するときと、停電の復旧時に数名ほど」


 明確な人名や正確な人数を言わず、自衛隊員は言葉を濁し応えていた。

 誰が亡くなっても、悲しい出来事。関係性ある人ならば、感情移入し尚更。上村隊長や自衛隊員は、ほとんどが顔見知りの人間関係。有事である今は事態の対処を優先的に、配慮しての解答であろう。


「……屍怪については、どうなっている?」


 上村隊長は何かを感じ取った様子も、追及せずに次の質問を投げる。

 国内線ターミナルにて、閉鎖できたシャッター。それでも損壊あり時間がないと、ハルノから伝えられていた。


「一応は耐えていますが。シャッターがいつまで持つかは、全くわかりません。今も隊員を見張りに、有事に備えています」


 打てる手や講じられる策は少なくも、警戒は怠ってないと自衛隊員。

 一時は停電になったと聞く、新千歳空港の全体。なんとか復旧させ、開いた電動シャッター。三階の連絡通路から、国際線ターミナルへ向かうとの話だ。


「人々を国際線ターミナルへ移したら、連絡通路のシャッターを下ろそう。観光バスに乗り避難するまで、ある程度の時間は稼げるはずだ」


 移動中と三階に着く前までも、上村隊長は頭を働かせていた。

 現在のところ最優先すべきは、国際線ターミナルへの移動。シャッター壊れること時間の問題なれば、早急かつ迅速に人々を移さねばならない。


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