8 疲労回復してみました
俺はあの後長い間立ち上がれず、何分か床に倒れていた。
普通にやべえ奴状態だ。
立てるくらいの魔力は回復して、今はギルドで飯を食べている。
「ただし!ネコォ触らせろ!」
「いや先俺だ。」
「ちょっと、レディファーストでしょ?」
俺は大人気になってます。
まあベル目当てなんだかな。
最近はこんなのが続いている。
てかネコォの発音いい加減直せよ。
冒険者達は、冒険者とは思えないような優しい手つきでベルを撫でる。
「やっぱこいつもさもさしてんな!」
「か〜わ〜い〜い〜!」
一同は感想を述べる。
こんなんじゃ飯に集中できねえ。
「もうそっちに持ってって触ってくれ!鬱陶しいな!」
ベルにはもう飯をやったからいいだろ。
「持ってっていいのか?やったぞ!」
そうピュアな笑顔を浮かべベルを持っていく。
お前は本当に冒険者か。
「やっと静かに飯が食える。」
サッサと肉をむさぼった。
ギルドからの帰り道。
ベルは冒険者達の対応に疲れたのか、スヤスヤと寝てしまっていた。
俺も魔力を大量消費したせいか疲れている。
明日はまたクエストを受けるか。
でもビッグアント、あいつは嫌だ。マジで怖い。
俺は今日のことがトラウマになってしまった。
だって死にかけたんだぞ?トラウマになって無理もないだろ。
明日は何のクエストを受けようか。
同じザコ敵でも探すか。
そんなことを考えながら歩いていると豚小屋マイハウスに着く。
今日は疲れたからすぐ寝るか。
俺は古いドアをキィキィ言わせながら開ける。
そして寝ているベルをそっと置き、隣に寝そべった。
「はぁー。初日から散々だったぜ。でも、明日はベルがスキルを使えるからな。早くランダムスキルとやらが開放されてほしいぜ。」
ランダムスキルは明日にでも開放されるだろうか。
だったらいいな。
まぶたが重い。
「寝るか…。」
俺は重いまぶたをゆっくり閉じた。
チュンチュン、チュンチュン
鳥の声が小屋越しに響く。朝だ。
鳥の声で起こされた俺は。
「ふぁぁあ…。」
大きなあくびを吐く。
あぁ…、目がぼやけてなんにも見えねえ。
涙いっぱいの目をゴシゴシと擦る。
長いこと擦って機能するようになった目で下を見ると、
女の子がいた。
………。
「いぃぃぃやぁあああああ!!!」
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では、次回からも
「猫と異世界転生してみました。」を、
よろしくお願いします!