7 スキル覚えさせてみました
「なんですか?挑発してるんですか?怒りますよ?」
ビショビショのお姉さんが笑顔を絶やさず言ってくる。
やべえ、やらかした!
「すっ、すいません!」
ヤバイヤバイヤバい。
「ちょっと興奮しちゃって!すいません!」
お姉さんは顔を手で拭って、ため息をついた。
「…、まあ…、悪気はなかったみたいなので…。許しますが…。」
そうため息が混じったまま言った。
「す、すいませんでした!」
俺はペコペコ頭を下げる。
あ、そうだ。
俺はスキルノートを取り出して、ジェネレイト・ファイアの文字を光らせた。
「あの、お姉さん。ちょっと出てきてもらえますか?ジェネレイト・ファイアで乾かしますので。」
「あ、お願いします…。」
そう言ってカウンターから出てきた。
「ジェネレイト・ファイア」
ボッ
俺の手から炎が浮き出す。
「すみません。貴重なマスタスコアを使ってまで。」
「いえいえ、僕が悪いんで。」
火を浮かせながら会話する。
せっかくだし、今聞きたいことをもっと聞いておこうか。
「そういえば、今日ベルはモンスターを倒してなかったのにレベルが上がってるんですが。」
「ああ、召喚獣なのでその主の経験値が上がると、多少経験値が上がるんですよ。逆も同じです。」
「なるほど。じゃあベルにもスキルを覚えさせてみようと思います。」
「はい。」
火をつけてない左手でベルのスキルノートをパラパラと開く。
「ありました。色々ありますね。…あ、召喚獣のスキルも人に教えてもらうことはできるんですか?」
「んー難しいですね。召喚獣は普通その召喚獣独自のスキルを持っているので。そこにスキルノートに書いてあるスキルを足すというのが普通なんですが…、そもそも召喚獣を持っている人というのが珍しいので…。教えてもらうことができるかはよく分からないというのが答えですね。」
「え、召喚獣って珍しいんですか?」
「少なくともこの町にはただしさんくらいじゃないですかね。まあ、いるかもはしれないですが。」
「え!俺だけ!」
何か特別感あるな。
まあ独自スキルなんて見た感じないんだが。
魔力高えなら有効活用してほしいところだ。
まあ覚えさせればいいか。
「じゃあ覚えさせてみますよ。えーと、どれどれ…。」
スキルを読んでいく。
でも何が何だか全然分かんねえな。
読んでいたらあるスキルが気になった。
「ランダム…?ランダムってこの中のどれかが習得されるんですか?」
「ああ、ランダムはオススメしませんよ。そこに載っているのだけでなく、よく分からないスキルばっか習得するんですよ。多分残念な結果が待ってますよ。」
「ああ、そういう感じですか。」
残念系か。んー、どうしよ。じゃあ低コストなひっかきと、ランダムを習得させてみようかな。ランダムも低コストだし。何かランダム気になるしな。
「じゃあ、このひっかきと、ランダムを習得させてみますよ。」
「ええ、ランダム習得させるんですか?本当におすすめしませんよ。」
「はい、何だか気になるので。」
「分かりました。どうぞ。」
俺はひっかきとランダムの文字を光らす。
「はい。できました。」
「ランダムのスキルはちょっと時間が経った後に習得されると思うので。あ、火、ありがとうございました。」
「はぃっ!」
「ただしさん?」
何かうまく声が出なかった。
ていうか力が出ない。
あ…
俺10分くらいぶっ通しで火つけてたのか。
俺って確か魔力低いんだよな?
そりゃ力なんかもう残ってねえや。
俺は勢い良く床に
「ゔぅ!」
ぶっ倒れた。
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では、次回からも
「猫と異世界転生してみました。」を、
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