6 魔法習得してみました
ドサドサドサドサ…
「うわぁ!ちょ!やめっ、やめろぉ!!」
俺は大量ビッグアントに踏まれまくっていた。
やばいって。クソ痛いって。死ぬってぇ!
ナイフもどっか行っちゃって何もできねえ!
「うわぁ!死ぬぅ!助けてぇ!助けてぇ!」
どれくらい経っただろう…。
あの後も散々踏まれて俺はぐっちゃぐちゃになっていた。
ベルは何事もなかったかのように毛づくろいをしている。
「ひぐっひぐっ、うゔ…、マジで怖かった…。死ぬかと思った…。グスッ」
初クエストでここまでボコられるもんか?
半殺し状態だそ…。
初めてクエスト受けて思ったよ。
もうクエストなんかしたくねえ。
「はい。はい、確かに撃破した記録があります。お待ちください。」
俺はギルドのお姉さんへ行った。
モンスターを倒すと、スキルノートに記録されるらしい。
それを今お姉さんに見せて、報酬をもらおうとしているところだ。
「はい、こちらビッグアント5体分の報酬、2500Gです。」
そう言ってコインを差し出してくる。
「ありがとうございます…。では…。」
「え、えっとぉ…、何かあったんですか?傷だらけで、テンションすごく低いですけど…。」
俺はまだビッグアントというザコ敵にボコボコにされたことを引きずっていた。
だって初心者専用のモンスターなんだろ?いくら大群だからといって負けたのは悔しすぎる…。
「い、いやぁ…、ビ、ビッグアントの大群にボコボコにされました…。」
そう俯きながら言う。
「あ、えっとぉ…、おっ、お気の毒に…。」
そう言って慰められた。もう…。泣きたい…。
涙目にしていると。
「で、でも、ただしさんレベルアップしましたし、マスタスコアも溜まったと思います。スキルを覚えれば、次は大丈夫ですよ…!」
確かに。スキルを覚えられるのか。
「そうですね!スキル覚えてみますよ。」
「はい!」
お姉さんはにっこり笑って返事をしてきた。
そういえば、スキルの覚え方は教えてもらってなかったような。
「あの、スキルってどうすれば覚えられるんでしょうか?」
「スキルですね。初歩的なスキルであればスキルノートに項目があると思うので、そこでマスタスコアを消費して覚えることができます。それ以外のスキルですと、そのスキルを習得している人に教えてもらって覚えることができます。試しに今初歩的なスキルを覚えてみてはどうですか?」
そうだな。今お姉さんにサポートされながら1つ習得してみようか。
「じゃあ、1つ習得してみます。」
「はい。」
そう言ってスキルノートをパラパラとめくる。
すると、魔法らしき名前がたくさん載っているページを見つけた。
「あ、このページですね。」
「はい。そうです。では…、まずはこの、ジェネレイト系の魔法を覚えてみるのをオススメします。ジェネレイト系は様々なものを生み出す魔法です。水や火、電気など、他にも様々なものを生成することができます。低スコアで習得できますよ。」
初めはそれくらいがちょうどいいよな。
もっとレベルアップしたら強力なの習得しよう。
「じゃあ、そのジェネレイト系をどれか習得してみます。」
「はい。」
さて、何にしようか。たくさんあるな。
俺は順番に読んでいく。
ジェネレイト・ファイア
これは火だろうな。
ジェネレイト・サンダー
電気だな。
ジェネレイト・ヴィーズ
なんだこれ。
「すいません、このヴィーズってなんですか?」
「水ですね。」
水か。水にしてみようか。
「じゃあ、ジェネレイト・ヴィーズにします。」
「はい。では、そのジェネレイト・ヴィーズの文字を長押ししてください。そうすることによって習得できます。」
「はい、やってみます。」
そう言って文字を長押ししてみると、文字が光った。
「おお。」
そして光がおさまる。
「おめでとうございます。もう使えますよ。」
「おお!マジですか!ありがとうございます!」
やっと魔法が使えるぞ!
このために異世界に来たみたいなもんだ。
「魔法を打つときは、その魔法の名前を…」
「ジェネレイト・ヴィーズ!」
興奮のあまり放ってしまった。
勢い良く水がてから飛び出す。
「おお!すげぇ!………。」
ふと前を見ると…。
俺が放った水は全部お姉さんにかかっていた。
お姉さんは笑顔のまま、無言でこっちを見ている。
「あ、やべっ。」
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では、次回からも
「猫と異世界転生してみました。」を、
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