5 クエスト受けてみました
翌朝。
異世界に来てから一週間ぐらいが経ったがバイトしかしてなかったから冒険とか夢見てたこと全くしてねえ。
今までは町の中心からちょっと離れた森みたいなところで野宿していたけど、500Gで家を貸してると昨日聞いて、ウキウキで借りて来てみたら豚小屋だった。
これ家って言えねえだろ…。
では寝る場所があるってのはいい。
ぐっすり眠れた。
外で寝てたときはたまにおじさんとかに怒鳴られたんだぞ。
マジで怖かった。
あとめっちゃ寒かったし。
そんなことを小屋に積まれた藁に寝っ転がりながら考える。
「にゃおにゃん」
寝ていたベルが寝返りをうつ。
ベルには何をやっていいか分からなくて、取りあえず俺が食べるギルドの肉を分けてあげている。
まあ食ってるからいいんじゃねえかな。
それにしても疲れてしまった。
昨日は欲しがった剣が買えず、他の剣を探したけど高いのばっかだったから、結局安いちっぽけなナイフしか買えなかった。
努力は報われるなんて言葉を作り出したやつはどこのどいつだ。嘘吐きやがって。
でもこれでやっと異世界できるぞ。
モンスターと戦えるぞ。
バイトしてたときにギルドでもちょっと働いたから、討伐クエストのレベルが分かってきた。
一番手頃そうなのは、ビッグアントってやつっぽい。
初級モンスターらしくて、大体初めはこいつを討伐する冒険者が多いとのこと。
しかも報酬は意外と出る。
これなら討伐できそうだよな。
早速俺はギルドで依頼を受け、町の郊外の荒野に立っている。
ベルは一応ちょっと離れた岩の上に置いといた。こっちを見ている。
シュリン
昨日買ったナイフを抜く。
少し心もとないが、切れはじはよさそうだ。
モンスターもしっかりと切り裂けそうだな。
依頼はビッグアントを数匹狩ってくることだ。この辺にいるそうだか…。
あたりを見回すと、確かに黒い何かがいるな。近寄ってみるか。
近寄ると、その名の通りでっかいアリがいた。
黒光りしていて、大きな足が6本ついている。
何か気持ち悪い。
「早速倒してみるか。」
ナイフを構え、アリ目がけて走っていく。
「うぉおおおお!おらっ!」
急所と聞いた首を狙って…、
ズシッ
鈍い音を鳴らし、ナイフはアリに突き刺さった。
切り口からは血が滲み出る。
ドサッ
ナイフを抜くと、アリは倒れてしまった。
「おお!モンスターを倒した!俺もこれで正真正銘の冒険者だな!思ってたより大分弱いな。これなら何体か倒せそうだ!」
その後も近くにいたアリを何体か倒し、もう辺りにアリは見えなくなった。
日も暮れ始めている。
「ふぅー…。こんなもんかな。経験値も大分ゲットしただろ。帰るか。」
帰ろうと思い伸びをしていた…、が、
ドサドサドサドサ…
何か音が聞こえる。
ドサドサドサドサ…
後ろからか…
ドサドサドサドサ…
何か近づいて来てるような…
ドサドサドサドサ…
「…っなっ!何だ!」
後ろを振り向くとそこには…
ビッグアントの大群が砂埃を立て向かってきていた。
「あ、やべっ。」
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では、次回からも
「猫と異世界転生してみました。」を、
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