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3 ギルドにお邪魔してみました

バンッ


勢いよく開かれた扉は音を鳴らす。


中には大きな酒場とカウンターがあった。


その空間の真ん中には、大きな剣の形をした大きな石像がそびえている。


いかにもギルド感が漂っているな。


「いらっしゃいまっ…」


通りすがりのスタッフと思われる女の子に挨拶をされたかと思えば、俺を見て言葉をつまらせていた。

それと同時に、酒を飲み散らかしていた屈強そうな冒険者であろう人達の視線が俺に集中しているのに気付く。


しんと静寂が流れている。


え、何この目線は。もしかして何か強そうなの来たとか思われてる?


冒険者や周りのスタッフ達の口が半開きだ。


いやー、これは完全に逸材だと思われてますなー。

まあじゃあここはかっこよく名乗っちゃいましょうか。


ドヤ顔をかまし、俺は大きく息を吸う。


「俺の名は」


「なんだあの変な獣!」


「へ?」


俺の自己紹介を遮ったのは、どこからかの冒険者の声だった。

数人の冒険者やスタッフ達が俺の周りに囲み始め、しゃがんだかと思えば、そいつらの興味はベルへ対して向いていた。


あの視線は俺じゃなくベルに向けての視線だったのか。

おい。


「あんちゃん見ねえ顔だな。ところでこの獣はなんだ。どこで拾ってきたんだ。」


「触ってもいいのか?噛んできたりしないよな?」


「かわいいー!目がくりくりしてるー!」


そんな声で辺りが騒がしくなる。


そうか、この世界には猫なんてもんはいないのか。

だから珍しいベルに興味がわいているんだな。


そんな冒険者たちに囲まれ、ベルは困ったようにキョロキョロしている。


こんなに囲まれたまんまじゃ何もできないな。


「ちょっ、お前ら待てストッープ!後でこいつは触らしてやるから。俺は冒険者になりたいんだ。遠いところから来てな。どうすればいいんだ?」 


俺は大声で叫ぶ。

すると一同は静かになり、観衆に混じっていたさっきのスタッフが、


「あ、冒険者手続きならあちらのカウンターまでー。」


そう言って奥の方を指を指す。


「見ねえと思ったらお前新人かよ。歓迎するぜ!」


大きながたいの男がそう俺に。


「おう!よろしく頼むぜ!」


俺は威勢よく返す。


よかった。意外とフレンドリーなやつらだな。

変に馴染めなかったらと、結構心配してたのだ。


じゃあ早速カウンターに行ってみるか。

俺はスタッフが指してくれた方向へ進む。

辿り着いたカウンターには、一人ののお姉さんがいた。


「こんにちは。新規冒険者登録でしょうか?」


「はい。そうです。」


「承りました。」


何だか緊張するな。

冒険者になるのか。

魔力やら色んなものが分かるんだろ。

もしかしたら超ゲージ高かったりして。


「お名前は?」


「伊藤正です。」


「ご年齢は?」


「17です。」


「はい。」


お姉さんは書類のようなものに書き入れていく。


「それでは、希望する役職をお聞きします。説明すると、冒険者と言ってもその中には様々な役職がございます。回復職や前衛職、魔法職など、たくさんありますが、まずは普通の冒険者になるのをおすすめします。1つ1つの技を極めるのは難しいですが、万能なので、使いやすいです。何より、あとからジョブチェンジすることはできますので。」



ほう、役職か。

まあ、おすすめは冒険者なのか。なら冒険者でいいか。


「じゃあ、冒険者で。」


「はい。」


お姉さんは一通り書き入れ。


「それでは、ステータスの計測に移ります。そちらの椅子におかけ下さい。」


おお!ついに来たぞ!

わくわくするぅ!


俺は椅子にかけ待つ。

お姉さんはカウンターから出てきて、俺の前に立った。


「それでは、失礼します。」


そう言ってお姉さんは、俺のおでこに手をかざした。


ウファン


そんな音を立て、目の前にたくさんの数字が出てきた。


「HP、至って普通ですね。他のステータスも普通ですね。魔力は、んー低いかもですねー。」


あれっ、予定とだいぶ違うぞ。

ゲージがずば抜けててヒューヒュー言われるんじゃないっけ。


「ま、まぁ、レベルを上げればゲージも上がっていきますんで、ね、大丈夫ですよ!」


お姉さんが慰めとばかりに言ってきた。

余計に悲しい。


「あ、そういえば、そこのぉ…」


「猫って言う動物です。」


「ネクォちゃんは、どういった感じでしょうか?召喚獣の類ですか?」


いやイントネーションおかしいだろ。


んーどうなんだろ。

まあ何かあっても後からどうにかできるか。

今は適当に返しとこう。


「まあ、そんな感じですかね。」


「なら、ネクォちゃんのステータスやスキルなども管理できたほうがいいですね。」


そう言ってネクォのおでこに手を伸ばす。


ウファン


「HPはちょっと低めですね。ステータスは高低が激しいですね。魔力は…、だっ、大分高いですよ!レベル.1としてはとても高い数字です!」


おい勘弁してくれ。

俺が町でよく見てた猫達は強力な魔力持ちだったのか。

恐ろしいな。


「もう…」


予定とずれ過ぎていて不安すぎる…。

涙目でうつむいてるとお姉さんが。


「え、えっとぉ…ステータスやスキルの管理はこのスキルノートでできますので…。ネクォちゃんの分とで2つ…、ど、どうぞ…。」


苦笑いで、手帳の様なものを差し出してきた。

………それを受け取る。

スキルノートねぇ…。

恐る恐る開く。

俺とベルのステータスを比較する。


「あれっ、ステータス俺よりベルの方が全体的に高いじゃないですか。高いっていうのは…、召喚獣の中でってことじゃないんですか…?」


お姉さんは顔を引つらせ。



「えっ、と…、はい。召喚獣の中ではという意味でです。」


…。


「…ってことは、召喚獣レベルより俺は弱いってことですか…?」



「あ…、……はい。」






よし。レベル上げだ。

閲覧ありがとうございました。


評価、ブックマークも是非。

下の☆☆☆☆☆を押して下さい!


では、次回からも

「猫と異世界転生してみました。」を、

よろしくお願いします!

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