クエスト色々~パーティー招待
風呂入ってきた。安いだけあってつまらない、ただデカイだけの公衆浴場だった。なんなら少し汚い。こんな世界でも当たり前に風呂に入れるだけありがたいがな。魔法で穴掘って水入れて火で沸かしてとか、そんな原始的な事はやってらんねーぜ。
飯は確かにうまかったよ。固いパン食ってる連中からすれば、柔らかい肉類は確かに美味な方だろうさ。だが日本とやらに潜入していた頃の記憶と、どうも比べてしまう。あの国のもつ煮とやらは最高だった。それと並べちゃうと、エメラ亭ねえ。正直ちょっと、とるに足らないな。別に、固いパンにも慣れてるし。
さて、再びのギルドだ。クエストはもう受ける予定のものが決まっている訳だが、一応色々見てみよう。情報収集は大事さ。うん。
どれどれ……
クエスト名:雷の試練
カテゴリ
【ツアー型自由採集】
区域
【雷龍の塔】
主なエネミー
【地中を進む巨大蛆虫】
エネミー規模
【C.小】
契約金:300G
報酬金:30000G
その他報酬
【レア/ガーネット×1】
……。バカじゃねーの。死にそうな臭いがぷんぷんするわ。報酬額が高過ぎてコエエんだよ。雷竜とか巨大蛆虫ってのがそれだけやべー奴って事だろうが?次!
クエスト名:魔狼の軍勢
カテゴリ
【上位個体討伐】
区域
【じゅばくのもり】
主なエネミー
【黒き魔狼】
エネミー規模
【S.大行進中】
契約金:500G
報酬金:10000G
その他報酬
【レア/トパーズ×1】
こんなん勝てるん?名前からして凄そうなんだが。あのクソ神の言った通りに死にまくるやんけ。
「おー、魅斗。クエスト見てんのか」
「クドローノ。これらのクエストにある魔物の強さは、如何ほどのものだ?」
「どれどれ……ぶへっ!?なんつークエスト見てやがるんだ!群れの魔狼も塔のラージワームも人間が勝てる相手じゃねーよ!」
「そ、そうか」
「規模を比較してみろ。ラージワームの規模は小だな。魔狼の大進行中というのは、大中小より更に多いわけだ。大進行規模の魔狼より三倍も報酬金が高いラージワームが、どれほどの人間を食い殺してそんな賞金首になったか。想像してみろ。俺なら魔狼単体でも戦いたくない相手だね!」
「わかった、わかった。他を受けるよ」
「お前さんは野草の採集を勧められてたろう。大人しく、それ受けとけや」
「野草は受けるさ。その後の事を考えていてな」
「お前は底が見えん奴だな!それ以上強くなってどうすんだ」
「別に俺は強くない。いずれ強い奴と戦うから、その時になるべく死にたくないだけだ……おっと、喋り過ぎたな。もう幾つか見よう」
クエスト名:妖精と一緒
カテゴリ
【指定鉱石採集】
区域
【赤き雨の古城】
主なエネミー
【いたずら妖精】
エネミー規模
【C.小】
契約金:1500G
報酬金:3500G
その他報酬
【レア/エメラルド×1】
「これなんか簡単そうじゃないか?報酬も高過ぎはしない。一日の食費は1000Gくらいだし3500Gなら安過ぎる事もない」
「そりゃ十分高い部類だ、魅斗……」
「呆れるほどかねぇ。妖精は厄介なのか」
「いたずら妖精は物を盗むからねえ。厄介は厄介さ。死にはしないから安全ではある」
「こんぼうくらいなら、盗まれてもいっか。野草行ったらこれ行く」
「では、クドローノ率いるクドロ三人衆もオトモしようかな。パーティー契約について、勉強熱心なお前なら知りたいはずだ」
「わかった。そうしてくれるか」
塵芥は一時的にパーティーに入る約束をした。