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チュートリアルバトル行ってみよー

塵芥、転生直前。


「【いい特典】は選べたかな、魅斗君」

嫌味かよ。


「一応決まりだからね、戦闘練習を一回だけさせてあげる。チュートリアルって奴だ。武運を祈っといてあげるよ」

そらありがたいこって。不死身とは言え、開幕そうそう死にたかぁないし、練習しとこうじゃないか。


「Gaaaaaaaaan!Gaaaaaaaaan!」

異形の戦車が走ってくる。キャタピラーで四つ足歩行すんな。馬みてえに嘶くな。トーテムポールみてえなふざけたデザインの主砲がこちらを向き、黒い雷を放つ。バカじゃねーの、どこがチュートリアルだよ。ラスボスだろこれ。


塵芥は攻略方を考える。

こちらは五体満足。戦闘に不利に働くデメリットは実の所、不運補正のみだ。ほとばしる筋肉、頑丈な体。練習すれば火の魔法も使えるはずだ。大丈夫、戦える。


そうか。これは勝ちを得るための戦いじゃない。練習だ。この筋肉質な体の感覚と火の魔法をモノにしよう。それを得れば、負けても負けじゃない。それを得なければ、勝っても勝ちじゃない。


これは、練習だ。目的を忘れるな。ターゲット、ロック。魔力、魔力を感じろ。俺の体のどこかに、火の力の源があるはずだ。何処かに熱い何かがある……一際熱いのは……心臓だ。そして左腕。血流以外に、何かが巡っている!


塵芥は左手の指先に力を込め、イメージを口にした。

「炎の弾幕はこうやるんだよ。化け物君。【ガンド・マシンガン】」

4つあるキャタピラーのうち2つを撃ち、1つは破壊に至る。


「まずは足だよね、で次は」

主砲を撃つ。撃つ。撃つ。固い、破壊できない。次の主砲が放たれる。


「はあ、いいや。首はもげないんだね」

更にキャタピラーを2つ撃つ。破壊は出来なかった。


「は?固過ぎだろ」

主砲が広範囲に放たれる。黒い雷が塵芥を襲う。


被弾した。

「あばばばばばばいだだだだだ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!」

たーまやー。塵芥は塵になった。

しかし肉体が急速に再生する。


「あばばばばばば!!ふざけんな!痛覚倍加とかバカじゃねーの!電撃なんか1倍でも喰らいたかねーんだよ!」


塵芥の殺意と魔力が膨れ上がる。


「どうやらイメージが甘かったらしいぜ!弾じゃなく隕石でもくれてやるか!くらえ悪の鉄槌、【ダーク・アポカリプス】ッッ」


黒い炎を纏う隕石が降ってくる。戦車は主砲で迎え撃つが、押され、押されて、やがて潰れた。


…………。


「初陣勝利おめでとう、魅斗君。きみは魔法の適正が高いようだ。イメージ力が強いんだね。まあ、強力な魔獣は軒並み魔法耐性が高いから、せいぜい頑張ってね」


「ダーク・アポカリプス」


黒い隕石が神様を襲う。


「はは、意地悪を言い過ぎたかな。でもこればっかりは君が罪人なのがいけないんだぜ。仕事でなきゃきみの相手なんかするかよ」


「ダーク・ネビュラ」


黒炎の蛇が神様に絡み付くが、すぐに塵になる。


「ま、仕事だから一応は歓迎してやるよ。ようこそ。これより先は我々の世界ヨズィーメ。幾多の難敵が汝を待ち構えるだろう。きみは人の倍の痛みを知る事が出来る。痛みを知り、痛みを同族に向けない優しさを得、誰かを幸せにして来なさい。そうしたら、君の呪いは祝福に転じるかも知れない」


神様を名乗る光のモヤモヤは消えてゆく。


「さあ行くがいい!覇と力を見せよ!ヨズィーメの魔獣達は君を熱烈に歓迎するだろう!!」


……偉そうにして。いつか引きずり降ろす。

主人公の名前:塵芥 魅斗

世界の名前:ヨズィーメ


魅斗の得意技:火の魔法・悪い事色々



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