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コネの香り

「私らまでご馳走になってよかったの?強敵だったでしょうに」

「ふぉっ、ふぉっ、ふぉっ、翼竜を食らう日が来るとは思わなんだ。これは高級品じゃぞ。食っておけい、リンダよ!」

「なにしろ脂身たっぷりのはらみよ。はらみが美味いぞ、リンダよ。くぁ、くぁ、くぁ!」


チーム:アトランティスの皆様だ。広大な迷宮だと言うのにばったり遭遇したので、解体を手伝ってもらい、お礼に竜肉の串焼きを振る舞っている所だ。


ふぉっふぉっふぉ笑いのじいさんが剣聖グルベルトだったか。固い鱗もものともせず、凄まじい切れ味の剣と技で、ワイバーンをぶつ切りにしてくれた。ただし足腰がかなりヨボヨボしてるので、もし彼が戦っていたら、ワイバーンが食べる側だったんじゃないだろうか。


くぁ、くぁ、くぁ!と笑う方のじいさんは賢者アルデバーン。凄まじく広範囲の雷魔法で、周囲のジャイアントバットを全て叩き落としてくれた。これでしばらく、食事の邪魔は入らないだろう。


「まったく。うちのジジイどもはバクバク食って。遠慮がないんだから……あ、ももにく美味しいわね」

「かしらも美味いにゃよーリンダにゃん」

「あら、本当ね。うちの酒屋に出したいわ、これ。魅斗さん、バイトに来ない?」


「おお、そりゃあいい考えだぜ!なあ魅斗!」

ゴルボスが反応する。左手にもも、右手にかしらを二本ずつ持ってる。


「はは、冒険者歴二日目で飲食店にスカウトされちまったか。ありがたいが、もうしばらく冒険者やってみたいんだ」

「振られたのう、リンダ。ふぉっふぉっふぉっ!」

「よかったら、客としてお邪魔させてもらいたい」

「くぁ、くぁ、くぁ!良い縁じゃのう、リンダ。是非お招きしようではないか」

「そうね。魅斗さん、今回の報酬にある、お食事処〈洞窟珍味〉の5割引券は覚えてるかしら。その洞窟珍味がある通りに〈酒聖の泉〉っていう酒屋があるのよ。あたしそこに務めてるから、足を運んでみて。ホント、普通の居酒屋だからさ……」

「ぼったくりバーじゃけどな。ふぉっふぉっふぉっ!」

「このジジイはっ!余計な事を言うんじゃないよ!!」


リンダ、切れると怖いな。

しかしぼったくりバーか……裏社会とのコネの香りがするぜ。なんとも素敵な響きじゃないの。


「フフフ。せっかくの“ご縁“だ。一度くらい行ってみよう」

「ホント!?絶対よ!待ってるかんね!」


おー、言質は取りましたってか。くわばら、くわばら。しかしこいつ自身はカタギと見える。歳は22~4って所か。直線的な思考の未熟者だ。何か理不尽な事を目の当たりにした時に、危ない事をしなければいいのだがな。

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