参上!俺達のチーム名は!
チーム:グレンデル
「私はミスト。えっと、珍しいかもですが、エルフなんです。聖霊術を使います。よろしくね」
「あたくしはセレス。同じくエルフよ。祖霊をこの身に降ろす降霊術の使い手ですから、竜種なんて軽く凪ぎ払ってやりますわ!」
「ダークエルフ、グレンデルだ。何が来ようが筋肉で殴り潰す。チームリーダーとして、他のメンバーに遅れはとらぬ」
「よう、カラン様だぜ。ホビット族のおいらも忘れないでくれよなっ!雷、火の玉、氷塊と三種類もの魔法を使いこなす天才なんだぜい。ぶいぶい!」
軽くどよめく。実力者揃いだ。エルフの魔力は凄まじく、聖霊術も降霊術も、より上位のエルフのみに許された能力として有名だ。ダークエルフやホビットに関しては希少過ぎて未知数だが、こいつらと肩を並べてるからには、凄いに違いない……って周りが囁き合ってる。
ぱちぱちぱちぱち、大きめの拍手がなる。
これはカモにしたら返り討ちだな。論外、論外。
さあ、俺「達」の番だ!
チーム:ミリゴルミート
「あたい猫の獣人族!細っこいからってなめるにゃよ?うなれ野生の筋肉美!拳闘士ミリーナ、ここに推参!だにゃ」
「同じく猫の獣人族。わしゃゴルボスや。でかいやろ。この巨大で斧使うんや。お前らわしをイラつかせたらアカンぞ」
「塵芥魅斗だ。あー、少し変わった火の魔法を使う。うめぇもんが好きだ。飲食店やってる奴は、後で宣伝に来なよ。一回くらいは金落としに行ってやる」
ぱちぱちぱち!拍手は続く。
よーし、何人か目が光りましたね。依頼が依頼だし、どうやら飲食店をやってる奴自身が何人か来てるらしいぜ。読みが当たったなぁ。魅斗サマの特技は地味だが、これでひとまず人の輪という最強の盾を得た。ヘイト食らいにはなるまいよ。
さあ、〈戻らずの洞窟〉突入だ!
今更だが物騒なダンジョン名だな!!
お化け屋敷入るみてえにコエエぞボケ……!